人生の「貯めどき」3つ。老後2000万円問題に備えよう
2019年には、年金以外に2000万円が必要という、いわゆる「老後2000万円問題」が話題になりましたね。
金融審議会の市場ワーキング・グループの報告書によると、高齢夫婦(夫65歳以上妻60歳以上)の毎月の収入(主に年金収入)は20万9198円で、支出は26万3718円。
毎月の赤字5万5000円になり、老後30年間続くと約2000万円不足する計算です。
教育費や住宅ローンも人生三大支出といわれており、これに加えて2000万円の老後資金となると、早いうちから備える必要があります。
人生には3つの貯め時があるといわれます。
人生の貯めどき1.独身時代
独身時代は貯蓄の必要性をそこまで感じないかもしれません。また、年齢が若いと給与がこれから上がるところで、貯蓄をする余裕のない方もいるでしょう。
ただ、自分のためだけに時間とお金を使えるのは独身時代のメリットなので、余裕ができたら先取り貯金などをして計画的に貯めておくと心強いものです。
人生の貯めどき2.結婚後~子どもが小学生まで
結婚後も、子どもが生まれる前から小学生までは教育費がそこまでかからないため比較的貯め時と言えます。
ただし、ご家庭の状況にもよるもの。子どもが生まれてから女性が働き方をセーブすると、貯蓄できる金額も下がるでしょう。
また、共働きであればまとまった貯蓄ができると考えられますが、子どもを預けたりさまざまなサービスを利用したりと思ったように貯められない場合もあります。生活に無理のない範囲で、毎月コツコツと貯めていきたいところです。
人生の貯めどき3.子どもが巣立った後
子どもが独立すれば子ども分の生活費や教育費がかからないため、貯蓄のペースが一気に進みます。
ここで「長く働くから大丈夫」とお金を使ってしまう方もいますが、いつまで働けるかは分かりませんし、リフォーム代や今回の物価高のように想像していなかった出費が増える可能性もあります。
たとえば65歳までなど目標を決め、ラストスパートでしっかり貯めるように計画を立てましょう。
実際には人生の貯めどきはご家庭によって違いますし、上記の3つを逃してもその他の部分で貯めることも可能です。
ただ、いずれにせよ「毎月一定額をコツコツと貯めていく」ことが貯蓄の基本です。先取り貯金などを利用して、毎月貯める仕組み作りをまずは考えていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」
- 知るぽると(金融広報中央委員会)「令和3年(2021年)家計の金融行動に関する世論調査」
- 金融庁『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』
宮野 茉莉子