投信1編集部によるこの記事の注目点

  •  今年1月5~8日に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES2017」では、人工知能(AI)をテーマにした発表が目立ちました。
  •  家庭用ロボットは、主にスマート家電と連携する家庭用のIoTハブ機器としての役割を想定している模様です。
  •  開発の背景に見え隠れするのが、アマゾンやグーグルが展開しているAI搭載型スピーカー製品の市場拡大です。

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コミュニケーション機能を持った家庭用ロボットの開発が活発化してきた。今年1月5~8日に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES2017」では人工知能(AI)をテーマにした発表が目立ち、そのなかでパナソニックやLG電子といった大手電機メーカーが家庭用ロボットの開発を発表した。主にスマート家電と連携する家庭用のIoTハブ機器としての役割を想定している模様だ。

パナソニックは、人とのコミュニケーション機能を持った家庭用ロボット(冒頭の写真)を開発・試作した。最大直径29cmの「たまご型」の筐体に、同社のセンサーやナビゲーション技術などを搭載。ネットワークに接続し、利用者が声で指示することで、ロボットが様々なサービスを提供する。その1つとして内蔵したプロジェクターを活用し、映像を壁などに投影することができる。最大時速3.5kmで走行でき、対応言語は英語のみ。今後はデザインや機能のさらなる高度化を図っていく。

LG電子は家庭用ロボット「HUB Robot」を発表した。声で音楽の再生やアラームの設定、天気情報の取得などができ、スマート家電との連携も想定している。ロボットには顔の役割を果たすディスプレーが搭載されており、様々な表情を表示し利用者に親近感を与える。

こうした機器の開発の背景に見え隠れするのが、アマゾンやグーグルが展開しているAI搭載型スピーカー製品の市場拡大だ。日本では未発売だが、米国ではアマゾンが「アマゾン・エコー」(価格約180ドル)という製品を2014年から、グーグルは「グーグル・ホーム」(同129ドル)という製品を16年11月から販売している。

これらの機器は利用者が声で指示を出すと、音楽再生、スケジュール管理、料理レシピや天気予報の提供などを行ってくれる。電化製品との連携も進みつつあり、フィリップスがアマゾン・エコー対応の照明器具を展開している。

市場は拡大基調に入っており、アマゾンによると16年に同社のサイトで最も売れた製品がアマゾン・エコー関連製品で、数百万台レベルの販売に達したとコメント。全米における累計販売台数は500万台以上に達しているという調査データも出ている。なお、LG電子が発表したロボットには、アマゾン・エコーに搭載している音声認識技術が搭載されている。

近年、インターネット接続可能なスマート家電が多数発表されるなか、それらの製品をつなぐ中核機器としてAI搭載型スピーカー製品やロボットの需要が増加することが予想され、総合家電メーカーにとって今後、重要な戦略商品に位置づけられる可能性が出てきた。

電子デバイス産業新聞 記者 浮島哲志

投信1編集部からのコメント

自然言語処理、音声認識技術は、現在スマートフォンで主流のタッチパネルによる入力インターフェースに代わる次世代入力インターフェースとして期待されており、ポスト・スマホ商品やサービスが生まれるかどうかの重要なポイントだと投信1編集部は考えています。

とはいえ、アップルのSiriのように、こうした技術は以前から機能として存在していながらも爆発的に利用されているかというとそうでもないようです。今後どのようなアプリケーションで普及するか注目したいと思います。

電子デバイス産業新聞×投信1編集部

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