火災保険の注意点

火災保険はこうした自然災害に備えるために必要な損害保険ですが、注意したいこともあります。

補償をつけすぎると保険料が高くなる

火災保険の補償範囲は意外に広いものの、すべてをカバーしようと思うと保険料がかさみます。火災保険料は値上げの傾向があるため、あまり補償をつけすぎると家計にも響きます。

とはいえ、増加するゲリラ豪雨の被害に「貯金だけ」でまかなえる家庭も多くはないでしょう。保険は「元を取る」という考え方ができないので難しいものではありますが、リスクに備えて少額の保険料を出し合う、という考え方をしてみましょう。

保険価額を時価で設定するところもある

住宅が被害を受けたとき、保険価額に応じて保険金が支払われると説明しました。

ただし、一部の保険会社では「時価」で支払うことがあります。仮に3000万円で購入した物件でも、時間が経過するにつれ価値は下がります。減価償却分を控除した金額で決めるため、実際には購入した金額より安い保険金しか受け取れなくなります。

そうなると十分な保険金が受け取れないこともあります。最近の火災保険は時価で決めるところが少なくなりましたが、十分に確認しましょう。

まとめにかえて

これから夏が終わるまで、ゲリラ豪雨は各地で発生するでしょう。たとえ川が近くになくても、雨水を処理しきれなくなり、溢れ出した水が住宅に被害を与えることは十分に考えられます。

費用面でも体力面でも負担がかかるものですが、実は火災保険で補償されるかもしれません。まずは加入中の火災保険をしっかり確認しておきましょう。

参考資料

太田 彩子