厚生労働省は2022年1月21日、令和4年度の公的年金を0.4%引き下げることを公表しました。
引き下げられてから初めての年金が振り込まれるのは、2022年6月15日です。
厚生労働省によれば、令和4年度に65歳を迎える方の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は夫婦2人で21万9593円です。
これは平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金で、「老齢厚生年金+2人分の老齢基礎年金(満額)」になります。
自分たちが老後を迎える頃、実際年金はいくら貰えるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、過度に不安に思ってもお金が増えるわけではありません。まずは今のシニアの受給額をしっかり把握し、将来に向けてできることを少しずつ考えてみましょう。
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1. 国民年金の受給額は月平均いくらなのか
日本の公的年金制度は2階建てとなっており、1階に位置する国民年金には20歳以上60歳未満のすべての方が加入します。
2階である厚生年金に加入できるのは、公務員や会社員など。つまり自営業やフリーランス、専業主婦の方は、国民年金のみの受給になります。
厚生労働省が公表する「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、そんな国民年金の平均額と分布を確認しましょう。
1.1 国民年金の年金月額
全体平均月額:5万6252円
- 男子平均月額:5万9040円
- 女子平均月額:5万4112円
1/3
出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
1/3
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
国民年金の場合、月平均は5万6252円です。ボリュームゾーンは月平均で6万円から7万円ですね。
日本年金機構によると、令和4年度の国民年金の満額は「月額6万4816 円」で、令和3年度より259円減になります。
2. 厚生年金の受給額は月平均いくらなのか
厚生労働省の同資料から、厚生年金の受給額も見ていきます。厚生年金は2階部分に位置しており、「国民年金の上乗せ」として加入します。
そのため、以下でお伝えする金額は国民年金の金額も含んでいる点にご留意ください。
2.1 厚生年金の年金月額
全体平均月額:14万4366円
- 男子平均月額:16万4742円
- 女子平均月額:10万3808円
2/3
出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
人数分布を眺めてみると、厚生年金の月額平均のボリュームゾーンは9万円から10万円だということがわかります。
全体平均の14万4366円に比べるとかなり少なくなりますね。平均は大きな値に引っ張られる傾向にあるため、こうしたデータを参考にする際には注意が必要です。
さらに男女差として平均に約6万円の開きがあることも注目ポイントです。
今のシニアが現役時代の頃、女性の方が賃金は低く、また出産や介護を理由として働く期間が短い傾向にありました。
厚生年金は現役時代の収入や加入期間に左右されるため、このような男女差・個人差が大きく出てしまうのです。
3. 70~74歳の39%が経済的に困っている
実は内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、70~74歳の39%が経済的に困っていることがわかりました。
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出所:内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」
先ほどご紹介した厚生年金と国民年金の金額では、生活が厳しいと感じる方も少なくないようです。
「自分で年金を増やす」という発想を持つことが大事といえます。年金を増やす方法はいくつかありますが、ここでは2つご紹介します。
3.1 「国民年金基金」に加入
国民年金の第1号被保険者の方は「国民年金基金」に加入できます。国民年金基金は、自営業者などが国民年金(老齢基礎年金)に上乗せできる公的な年金制度です。
掛金は全額所得控除の対象になるので、現在の所得税や住民税の軽減もできます。
3.2 iDeCoに加入する
最近話題にのぼる「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」は、自分で元本確保型(定期預金や保険)や投資信託から金融商品を選び、金額を決めて積み立てる私的年金制度です
運用益が非課税になり、掛金は全額所得控除。さらに受給時には、公的年金控除や退職所得控除が使えます。
拠出限度額は自営業や会社員・公務員、専業主婦などによってそれぞれ異なるので、事前に確認しましょう。
将来のお金に興味を持ったときが、スタートラインともいえます。年金を増やす方法も資産を形成する方法も、人によって「合う・合わない」があります。
自分に合う方法を見つけるためにも、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします」
- 国民年金基金「国民年金基金制度とは」
- 内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」
太田 彩子
