3. 年金を増やす方法とは

シニアが受給する年金受給額について見ていきました。

実際の年金額は個々の納付状況で変わるため、一概には言えません。しかし厚生年金を受給する人でもっとも多いのが「9万円以上~10万円未満」という事実に、驚いた方も多いのではないでしょうか。

少ない年金を増やすために、個人でできる対策を2つご紹介します。

3.1 「国民年金基金」に加入するか付加保険料を納める

国民年金はどうしても厚生年金に比べると手薄になるため、自営業者等を対象にした「国民年金基金」があります。

自分で決めた掛け金を納めることで、将来の年金額を増やせる方法です。また掛け金は所得控除の対象になるので、現在の税負担を軽減させるメリットもあります。

同じく自営業者等を対象とした「付加保険」もあります。毎月400円を上乗せして納めることで、年金が200円増えるというものです。2年で元が取れるので、ぜひ検討したいですね。

ただし「国民年金基金」と「付加保険」は併用できないので注意しましょう。

3.2 iDeCoに加入する

「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」とは、自分で元本確保型(定期預金や保険)や投資信託から金融商品を選び、金額を決めて積み立てる私的年金制度です

こちらは自営業者等でなくても利用できるので、厚生年金の金額が少ない方でも検討できます。

iDeCoは将来の年金を自分で準備できるだけでなく、「運用益が非課税」「掛金が全額所得控除」「受給時には公的年金控除や退職所得控除が利用」など、税制面でのメリットも非常に高いです。

働き方によって掛け金の上限額が異なる点には注意しましょう。

年金の金額が不安になっても、現役時代からできる対策はたくさんあります。受給年齢になってからでは遅いので、早めに確認しておきたいですね。

参考資料

太田 彩子