株式投資をする上で、配当金や株主優待を目当てに買う株を考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、実際にお金が振り込まれたり、優待ギフトが送られてきたりすると、リターンを実感しやすいです。

しかし、株式投資には「株価の値上がり・値下がり」もリターンに大きく影響を与え、なかには驚くようなパフォーマンスを見せるケースもあります(※編集部注)。

今回はANAホールディングス(9202)について、「2年前に100株買っていたとしたら、株主優待・配当金・株価変動含めてトータルでリターンはどのくらいだったのか」を見ていきたいと思います。

それではまず、配当金について見ていきましょう。

【※参考記事】JALの株を1年前に買った人、本当はいくら損したのか【優待・配当・株価】(2022年3月)

ANAの配当金のリターンはいくらか

ANAの株式を2020年3月25日の終値(2,915.5円)で買い、持ち続けたとすると、2020年3月期と2021年3月期の期末配当を1回ずつ受け取ることができます。

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

出所:ANAホールディングス株式会社 公式サイト

ただし、ANAの2020年3月期と2021年3月期の期末配当はいずれも0円でした。

そのため、100株ベースの配当金のリターンは0円でした。

ANAの株主優待のリターンはいくらか

ANAは、毎年3月31日9月30日現在の株主名簿に記載のある株主に下記の優待を提供しています。

①株主優待番号ご案内書:予約時に株主優待番号を1つ入力することで、国内線片道1区間で株主優待割引運賃での購入が可能

  • 100株以上    1枚
  • 200株以上    2枚
  • 300株以上    3枚
  • 400株以上    4枚 + 400株超過分は200株毎に1枚
  • 1,000株以上    7枚 + 1,000株超過分は400株毎に1枚
  • 100,000株以上    254枚 + 100,000株超過分は800株毎に1枚

②ANAグループ優待券:提携のホテルが10%以上割引となる

100株以上    1冊

③国内・海外ツアー商品:ANAトラベラーズ商品を割引で利用可能

④空港内売店でのお買い物:空港内売店・免税店でのお買い物が10%割引

半年以上継続保有

⑤ゴルフ:株主優待価格でのプレーが可能

今回の検証は100株保有を想定しているため、受け取る優待は株主優待番号ご案内書1枚×2回となります。

株主優待番号ご案内書で大人片道1区間東京(羽田)~大阪(伊丹・関西国際・神戸)を通常時に予約したとすると13,200円であり、通常時の普通運賃の26,400円と比較すると、概算で1枚13,200円の経済価値と想定します。

そのため、優待のリターンは26,400円となります。

今回の場合、2年保有しているため、52,800円のリターンと想定します。

ANAのトータル・リターンはいくらか

2020年3月25日の終値は2915.5円で、2022年3月25日の終値は2505.5 円でした。

100株ベースの株価変動によるリターンは-41,000円でした。

配当金が0円、優待のリターンが52,800円ですので、トータル・リターンは+11,800円、+4.0%となりました。

まとめにかえて

ANAの株式のリターンは+4.0%となり、主に優待によりプラスとなりました。

どのように感じられたでしょうか。

株価や配当金の動向、優待の内容など、今後も注目です。

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参考資料

石津 大希