ニトリ(上場会社はニトリHD)が、会社計画通りの数字で2017年2月期の着地となれば、上場前から数えて30期連続の増収増益を達成することになります。

ニトリHDの株価は、高値を更新というベストシナリオの達成はなるのでしょうか?

30期連続の増収増益を目指すニトリ

ニトリHD(9843)が現在公表している2017年2月期計画は、売上高5,000億円、経常利益800億円、売上高で前年同期比+9%、経常利益は同+7%となっています。

海外工場で家具を製造し、日本国内で販売するというビジネスモデルのニトリにとって、トランプ大統領誕生以降の円安は逆風となりますが、引き続き増収増益の計画を維持しています。2017年2月期の増収増益を達成すると30期連続という記録が成立します。

郊外店から都心店、そして海外店へ

ニトリと言えば郊外型の店舗中心のイメージがありますが、当期は新宿タイムズスクエア、上野マルイ、池袋サンシャインシティ増床等にも進出。今後は都心に積極的に進出する計画となっています。

また、海外にも積極的に出店。既に進出済みの台湾は第3四半期時点で6店舗、そして当期より新たに中国にも出店を行っており、第3四半期時点で南京及び上海に2店舗を出店しています。

今やニトリは、郊外型の店舗というだけでは捉えられない存在となりつつあります。

円安はニトリにとって逆風

ニトリのビジネスモデルは、海外(東南アジア中心)の工場(協力工場含む)で家具を製造して、家具を輸入して日本で販売するというものです。当期は中盤まで円高で推移しておりニトリにとって為替は追い風となっていましたが、トランプ大統領誕生の10月以降は一転円安になり、第3四半期後半以降は為替が向かい風になっています。

しかし、公表されている2017年2月期第3四半期決算では売上高3,790億円(対前年同期比+13%)、経常利益711億円(同+26%)と順調そのもの。

新規出店に加え、既存店の売上高が前期比でプラスを維持の中、物流システムの見直し等でコスト削減を行い粗利率の改善も達成しています。円安の逆風を跳ね返している形となっています。

直近のニトリHDの業績推移

30期連続の増収増益を達成目前のニトリHDですが、直近3期の業績推移は下記のようになっています。

2014年2月期 売上高3876億円、経常利益634億円、当期純利益384億円
2015年2月期 売上高4,173億円、経常利益679億円、当期純利益414億円
2016年2月期 売上高4,581億円、経常利益750億円、当期純利益470億円
2017年2月期(予想) 売上高5,000億円、経常利益800億円、当期純利益514億円

このように、ニトリHDの業績推移は順調な内容となっています。また、着実に増収増益を積み重ねていることが数字の推移から見て取れます。

株価は高値水準を維持

業績絶好調のニトリHDの株価は、2016年7月4日に付けた高値13,630円付近に位置しています。なお、3月8日(月)の終値は13,030円でした。

チャート的には三角保ち合いを形成しており、いずれかのタイミングで大きく動く可能性を秘めているパターンとなっています。

2017年1月6日に高値更新のトライを行ったものの13,530円で反転しているニトリHDの株価は、2度目の高値更新のトライにまで行くことになるのでしょうか。加えて2度目のトライで高値更新となるのかに注目が集まります。

ニトリHDの過去6か月間の株価推移

まとめ

ニトリHDの株価を概観すると2013年よりほぼ右肩上がりで上昇しています。毎期増収増益という、ファンダメンタル的な実績を背景に上昇してきたニトリHDの株価ですが、足元のチャートは高値更新のトライを既に行っており、さらなる株価上昇の可能性を有するチャートパターンとなっています。

30期連続の増収増収間近という節目を迎えつつあるニトリHD。その株価は、今後一段の上昇を見せることができるのでしょうか。今後のニトリHDの株価は、まず過去の高値13,630円を明確に超えるかどうかに注目したいと思います。

LIMO編集部