クロネコヤマト、念願の値上げなるか
2017年3月7日の日本経済新聞は、ヤマトホールディングス(9064)の主要子会社であるヤマト運輸が2017年9月までをめどに値上げを行う方針だと報じています。また、これに先立ち、荷主との価格交渉次第では個数抑制をするとも報道されていました。
今回の報道によると、基本運賃を実質27年ぶりに改定すること、再配達のコストを運賃体系に織り込む可能性があること、アマゾンなどの大口顧客とも価格見直し交渉を行うことなど広範な改善を考えているようです。
株価は、まずは好感
株価はこれらの報道を受けて上昇しています。業績への影響は、短期的にはアマゾンなど大口客の割引の行方に、長期的には成長のボトルネックになりそうな人手不足をどう克服するかにかかっていると思います。
現時点では不確定要素が多いのですが、宅配業界全体の人手不足と働き方改革の必要性を考えると、一定の成果が出ると株式市場は見ているのではないでしょうか。まず同社株の過去5年の推移をご確認ください。
チャートで見る株価の上値めど、下値めど
次に株価チャートから株価の節目を考えてみましょう。
同社の株価は2015年3月に3,000円目前の2,958.5円を付けた後、2016年4月に2,051.5円を付けるまでじりじりと値を崩してきました。しかし、節目の2,000円を下回ることなく、その後わずかではありますが下値を切り上げる形でじり高基調に入ります。これ以降、いわゆる三角保ち合いに入りました。
次のチャートは過去1年間の株価推移を示しています。赤線、水色線、緑線が三角形になっていることがおわかりいただけると思います。
ご覧のように、株価は最近の報道を受けて緑線を上回ってきました。チャート分析的には、三角保ち合いを上放れた場合の上昇幅は水色の縦線の長さになると言われ、その長さは約500円になります。
三角保ち合いを上放れたポイントは、おおよそ2,300円前後となりますので、このまま同社株が騰勢を続けるのならばそのターゲットは500円を加えた2,800円くらいとなると言えそうです。2015年3月に付けた2,958.5円が視野に入ってくる展開になることを示唆しています。
なお、株価が上昇しきらずに下落するのであれば、次のポイントは右肩上がりになっている赤線の水準である2,300円となります。
チャート分析は株価の節目やポイントを考える1つの目安にすぎませんが、業績動向に大きな変化の可能性が出たときには株価のヒントになります。参考にしていただければ幸いです。
LIMO編集部