政府は2022年3月2日、新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置について15都道府県で延長する方針を固めたと各種メディアで報じられました。季節は春ですが、まだしばらくおうちで過ごす時間が増えそうですね。
新年度も近いこの時期、考えておくと良いのが「お金」についてです。老後資金への不安が高まる現代、できるだけ貯蓄は増やしたいところ。
少し前の調査になりますが、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、2018年の児童のいる世帯の雇用者所得(世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む)は651.8万円。つまり、子育て世帯の平均世帯年収は「600万円台」です。
一方で今は共働き世帯が主流ですが、共働き世帯の平均年収は総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」によると811万円。
今回は子育て世帯の平均年収600万円と、共働き世帯の平均年収800万円に視点を当てて、その貯蓄と負債額をくわしく確認していきます。
子育て世帯「年収600万円台」の貯蓄・負債はいくらか
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に、まずは年収600万円台後半世帯の平均的な家族のすがたと家計事情を確認しましょう。
【年収650~700万円】二人以上・勤労世帯の家族のすがた
- 世帯主の年齢:48.3歳
- 世帯人員:3.37人(うち18歳未満:0.98人)
- 女性の有業率:56.4%
- 持ち家率:78.4%
- 平均年収:672万円
年収600万円代後半世帯の平均的な家族は3人、うちこれから教育費が大きくかかる予定のお子さんが1人。半分以上が共働きですね。平均年収は672万円です。
【年収650~700万円】貯蓄と負債額
平均貯蓄額:1229万円
- 通貨性預貯金:405万円
- 定期性預貯金:316万円
- 生命保険など:330万円
- 有価証券:140万円
- 金融機関外:37万円
平均負債額:920万円(うち「住宅・土地のための負債」:861万円)
純貯蓄額:1229万円-920万円=309万円
40代後半のご家庭ですが、貯蓄額は1229万円と余裕のある印象です。預貯金は約700万円保有しており、それ以外に生命保険や有価証券などをおよそ500万円保有していますね。
貯蓄については「すべて預貯金」「一部に運用を取り入れている」「積極的に投資をしている」などのご家庭に分かれます。平均的なご家庭では、万が一に備えてしっかり貯金をしながら一部で運用を取り入れていました。
住宅ローンと考えられる負債が900万円ほど残っています。貯蓄から負債を引いた本当の貯蓄である「純貯蓄」はおよそ300万円でした。