年金平均から考える「退職後の生活」

定年退職を迎えれば、年金が主な収入源となります。

日本年金機構の「令和3年4月分からの年金額等について」によると、2021年度の「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」は月額22万496円です。

夫婦二人でこれだけの金額を受給できれば、なんとか暮らせると感じる方もいるかもしれません。

しかし、注意したいポイントが2つあります。

年金の額は個人差があり、マイナス傾向にある

モデル夫婦の年金平均である「月額22万496円」は、「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」から算出した結果です。

当然現役世代の収入は個人差がありますし、基礎年金を「学生納付特例制度」で申請したまま未納の方もいるでしょう。

こちらの金額を必ずもらえるという保証はありません。

また年金額はここ2年マイナス傾向にあり、今後も減っていく可能性は十分にあります。

定年後の生活費は意外に落とせない

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)家計の概要」によると、「65歳以上・無職世帯」(夫婦世帯)の1カ月の支出合計は25万5550円となっています。

しかもこの金額には「介護費用が含まれていない」「住居費用が1万円台となっている」などの特徴もあります。

月々の支出は20万円程度でも、「車の買い替え費用」「住宅の修繕費用」など突発的な支出が出れば、年間の支出を均すと平均並みの支出になることがあります。

老後は生活水準が減るだろうと楽観視せず、正しく老後資金を準備しておきたいですね。

参考資料

LIMO編集部