トランプラリーを続ける米国株

米国株が堅調です。2016年11月9日にトランプ氏が米大統領選で勝利した直後から始まったラリーはそれから100日を過ぎても続いています。このトランプラリーは、それまでと比べて上昇のペースが速く、その理由には企業業績の拡大基調に加えて、トランプ政権の経済運営への期待の高さがあるのでしょう。

今後具体化していく経済政策を手掛かりに米国株がどこまで上昇しそうか、あるいは調整するならどこまでか、チャートを見ながら整理してみましょう。

トランプ勝利後、上げ加速

まずNYダウ(ダウ工業株30種平均)から見てみましょう。過去2年間の推移です。

トランプ氏が大統領選に勝利した2016年11月9日まで、NYダウは18,000ドルをはさんで一進一退でした。2015年後半の中国株急落、2016年初の中国株不安や欧州信用不安などから16,000ドルを下回る局面がありましたが、その後は18,000ドルの水準で推移しました。

2016年11月9日以降は、中間所得層の減税や法人税減税、米国への法人の資金還流促進と米国内への投資促進を掲げたトランプ氏の経済政策への期待からNYダウは急騰します。グラフではちょうど2016年11月と記された時期に白い棒グラフが長く上につき抜けている部分にあたります。

先ほど述べたように、NYダウは18,000ドルから16,000ドルという2,000ドルの幅で推移していましたが、18,000ドルを上抜け、まずはちょうど2,000ドル高い20,000ドル台で小休止します。これがトランプラリーの第一波です。

その後、20,000ドル台で2017年を迎えしばらくもみ合いましたが、企業業績の回復とトランプ政策への期待を背景に再び騰勢を強め、じり高に推移しています。これがトランプラリーの第二波と言えます。2017年2月24日終値は20,821ドル76セントとなり、21,000ドルまであとわずかになりました。

NYダウ、当面の上値めど・下値めど

トランプラリーの第一波の上昇幅が2,000ドルでしたので、第二波の上昇幅も2,000ドルで、NYダウが22,000ドルになるとチャート的に美しいと思われます。現在の水準から+5%強の上昇余地です。また、第一波が7週間で2,000ドル上げましたので、今回も7週間ぐらいで22,000ドルに到達するとチャートはさらに美しいと思います。第二波は5週間が過ぎましたので、残りは2週間です。

仮に株価がすぐに調整する場合は、節目はトランプラリーの小休止のレベルである20,000ドルでしょう。この水準は赤線で示された13週移動平均のレベルでもあり、多くの投資家が意識すると思います。

いかがでしたか。チャート分析は将来の株価を当てるものではありませんが、株価の水準を考える手がかりを与えてくれます。相場を考えるヒントにしていただけますと幸いです。

LIMO編集部