日経平均株価は膠着状態
2017年2月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より87円92銭安の19,283円54銭となりました。3日続落です。ただし、3日間の下げ幅は100円未満であり、小動きです。終値も、先週末17日に比べて48円92銭高と、こちらも小さな動きでした。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は11日続伸しました。終値は前日比11ドル44セント高の20,821ドル76セントで、11日連続で過去最高値を更新しています。
背景には、トランプ政権の税制改革に対する期待感があります。世界のマーケットも堅調ですが、日経平均だけが膠着状態になっています。大きな要因の一つが為替です。11月9日のトランプショック、さらにはその後のトランプ相場は、急激な円安に支えられたものでした。今年に入ってから、その動きも鈍化し、むしろ、高値安定といった印象もあります。24日の東京外国為替市場で円相場は3日続伸し、1ドル=112円70銭前後となりました。
22日に連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されましたが、連邦準備制度理事会(FRB)は3月の追加利上げを見送る公算が大きくなりました。今後、さらに円高・ドル安が進む可能性もあります。
今後の相場展開を考えるポイントートランプ大統領の演説で「驚くべき税制」の具体策は示されるか
来週の動きはどうなるでしょうか。注目されるのは、28日に行われるトランプ大統領の米上下院合同会議での演説です。トランプ氏はこれまでも財政出動や減税などに触れていますが、「驚くべき税制」の内容について、今回の演説でどれだけ具体策を示すことができるかがポイントになりそうです。演説の内容が期待外れに終わった場合、ドルが売られ、円が買われる動きがさらに加速することが懸念されます。
13日にはムニューシン氏が米財務長官に就任しました。23日には米メディアのインタビューに答えましたが、さっそく為替や株の市場が反応しました。今後の同氏の発言も注視したいところです。
上下幅400円程度の小幅なもみ合いが続いた
今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先週は小幅なもみ合いの一週間でした。上値は19,500円前後、下値は19,100円前後で、上下の幅は400円程度です。
昨年の12月下旬から、19,500円~19,600円あたりで上値を抑えられる動きが続いています。ただし下値も限定的です。現状は25日移動平均線にサポートされる形になっています。
チャートは強気のフォーメーション。そろそろ保ち合いを上放れか
今後の動きはどうなるでしょうか。チャートの形としては三角保ち合いですが、その中でも、上値が一定で下値が切り上がるアセンディングトライアングル(上昇三角形)の形になっています。強気のチャートの形です。
昨年の12月下旬以降、1月5日、1月27日、2月13日と、上抜けを3回トライしてきました。そろそろ、この膠着状態を抜けるのではないかと期待されます。
上値のめどとしては、直近の高値である2月13日の19,519円です。ここを上抜けると、1月5日の高値(19,615円)が次の節になりますが、この100円程度の幅でもみ合うよりは2万円が一気に近づくのではないでしょうか。その意味では、19,500円前後の攻防が注目されます。
ただし、来週は28日にトランプ大統領の演説が行われることから、週初は様子見になり、引き続き動きがレンジ的に小さくなるかもしれません。その場合、まずは25日移動平均線の19,200円前後をキープできるかどうかがポイントになります。
25日移動平均線を割り込むことになれば注意が必要ですが、その場合でも、直近の安値である2月7日の安値(18,805円)を下回るまでは、押し目買いのチャンスとみていいのではないでしょうか。
下原 一晃