老後の年金額は、退職間近の人の多くの人が気になると思います。

メディアでも2019年に金融庁による開示資料をもとに「老後2000万円問題」が大きな話題なりました。

しかし、いわゆる「老後2000万円問題」は論点が一般論で終始しており、個人や世帯による違いをしっかりと議論できていません。

老後のお金の使い方に関しては、個人ごと、世帯ごとに違って当然です。

お金については、入ってくる方(いわゆるインフロー)と出ていく方(いわゆるアウトフロー)の両面で考える必要があります。

老後の入ってくるお金といえば年金です。その年金収入も、過去の働き方によって年金収入も異なってきます。特に厚生年金は違ってきます。

また、出ていくお金といえば生活費ですが、各都道府県によって、食費や住居費用も異なってくるでしょう。都心では高くなり地方では安くなるのが当然です。

こうして考えると、私たちのマネープランを考える際に、地域性は当然考慮しなくてはなりません。

しかし、全国平均でそうした重要な点が無視されがちです。

今回は、都道府県別に厚生年金がどれくらい違っているのかを見ていきましょう。

都道府県別の厚生年金保険(第1号)の平均年金月額

以下、都道府県別に厚生年金の月が平均の年金受給額を見ていきます。

  • 北海道:13万6270円
  • 青森県:12万2189円
  • 岩手県:12万6274円
  • 宮城県:13万9269円
  • 秋田県:12万2695円
  • 山形県:12万4286円
  • 福島県:12万9892円
  • 茨城県:14万7359円
  • 栃木県:14万3000円
  • 群馬県:14万2705円
  • 埼玉県:15万7022円
  • 千葉県:16万817円
  • 東京都:15万9393円
  • 神奈川県:16万6270円
  • 新潟県:13万2235円
  • 富山県:13万8863円
  • 石川県:13万6402円
  • 福井県:13万4344円
  • 山梨県:13万8669円
  • 長野県:13万8563円
  • 岐阜県:14万4728円
  • 静岡県:14万6170円
  • 愛知県:15万5471円
  • 三重県:14万6410円
  • 滋賀県:14万9266円
  • 京都府:14万7632円
  • 大阪府:15万2340円
  • 兵庫県:15万5005円
  • 奈良県:15万8796円
  • 和歌山県:14万1774円
  • 鳥取県:12万7306円
  • 島根県:12万7742円
  • 岡山県:14万741円
  • 広島県:14万5834円
  • 山口県:14万3526円
  • 徳島県:12万7990円
  • 香川県:13万8568円
  • 愛媛県:13万4836円
  • 高知県:12万7009円
  • 福岡県:14万695円
  • 佐賀県:12万8115円
  • 長崎県:13万2258円
  • 熊本県:12万6561円
  • 大分県:13万962円
  • 宮崎県:12万3098円
  • 鹿児島県:12万7047円
  • 沖縄県:12万4197円
  • 全国平均:14万6145円

こうしてみると、都道府県別で厚生年金の月平均受給額が結構違うことが見えてきます。

では、もっとも多い県と少ない県の差はどれくらいなのでしょうか。

1位の神奈川県と47位の宮崎県の差はいくらか

意外かもしれませんが、厚生年金の月平均受給額で最も多いのが神奈川県でした。その月平均受給額は16万6270円でした。

東京都が一番多いと考えた方も多いのではないでしょうか。

一方で、もっとも低いのが宮崎県の12万3098円でした。

単純比較だけでも、月平均で4万3172円の差があることになります。

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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

では、どれくらいの開きがあるのでしょうか。今度は、パーセンテージで見てみましょう。

以下のように計算してみましょう。

神奈川県と宮崎県の月平均年金収入の差

神奈川県の厚生年金保険の平均年金月額÷宮崎県の厚生年金保険の平均年金月額=年金の差

16万6270円÷12万3098円=1.35

ということで35%も開きがあります。

決して小さな開きではないといえます。

もっともこれは過去のお仕事の仕方が影響するためです。会社員であれば厚生年金に入りますし、自営業であれば国民年金ということになります。

したがって、県民の方の過去の仕事とその構成が影響するということであって、都道府県ごとに年金額が異なるというわけではありません。

各都道府県の月平均の厚生年金受給額と全国平均の差はいくらか

では、全国平均の月平均の厚生年金の受給額と各都道府県別で見た際の差はどの程度あるものなのでしょうか。

各都道府県の月平均の厚生年金の受給額から全国平均を引いてみました。

その結果が以下のデータとなります。

全国平均の月平均の厚生年金受給額と各都道府県との差(円)

  • 北海道:-9,875円
  • 青森県:-23,956円
  • 岩手県:-19,871円
  • 宮城県:-6,876円
  • 秋田県:-23,450円
  • 山形県:-21,859円
  • 福島県:-16,253円
  • 茨城県:1,214円
  • 栃木県:-3,145円
  • 群馬県:-3,440円
  • 埼玉県:10,877円
  • 千葉県:14,672円
  • 東京都:13,248円
  • 神奈川県:20,125円
  • 新潟県:-13,910円
  • 富山県:-7,282円
  • 石川県:-9,743円
  • 福井県:-11,801円
  • 山梨県:-7,476円
  • 長野県:-7,582円
  • 岐阜県:-1,417円
  • 静岡県:25円
  • 愛知県:9,326円
  • 三重県:265円
  • 滋賀県:3,121円
  • 京都府:1,487円
  • 大阪府:6,195円
  • 兵庫県:8,860円
  • 奈良県:12,651円
  • 和歌山県:-4,371円
  • 鳥取県:-18,839円
  • 島根県:-18,403円
  • 岡山県:-5,404円
  • 広島県:-311円
  • 山口県:-2,619円
  • 徳島県:-18,155円
  • 香川県:-7,577円
  • 愛媛県:-11,309円
  • 高知県:-19,136円
  • 福岡県:-5,450円
  • 佐賀県:-18,030円
  • 長崎県:-13,887円
  • 熊本県:-19,584円
  • 大分県:-15,183円
  • 宮崎県:-23,047円
  • 鹿児島県:-19,098円
  • 沖縄県:-21,948円

続いて、パーセンテージで見てみましょう。

各都道府県の月平均の厚生年金の受給額を分子に、全国平均を分母にして割ってみました。

その結果が以下のデータとなります。

全国平均の月平均の厚生年金受給額と各都道府県との差(%)

  • 北海道:-7%
  • 青森県:-16%
  • 岩手県:-14%
  • 宮城県:-5%
  • 秋田県:-16%
  • 山形県:-15%
  • 福島県:-11%
  • 茨城県:1%
  • 栃木県:-2%
  • 群馬県:-2%
  • 埼玉県:7%
  • 千葉県:10%
  • 東京都:9%
  • 神奈川県:14%
  • 新潟県:-10%
  • 富山県:-5%
  • 石川県:-7%
  • 福井県:-8%
  • 山梨県:-5%
  • 長野県:-5%
  • 岐阜県:-1%
  • 静岡県:0%
  • 愛知県:6%
  • 三重県:0%
  • 滋賀県:2%
  • 京都府:1%
  • 大阪府:4%
  • 兵庫県:6%
  • 奈良県:9%
  • 和歌山県:-3%
  • 鳥取県:-13%
  • 島根県:-13%
  • 岡山県:-4%
  • 広島県:0%
  • 山口県:-2%
  • 徳島県:-12%
  • 香川県:-5%
  • 愛媛県:-8%
  • 高知県:-13%
  • 福岡県:-4%
  • 佐賀県:-12%
  • 長崎県:-10%
  • 熊本県:-13%
  • 大分県:-10%
  • 宮崎県:-16%
  • 鹿児島県:-13%
  • 沖縄県:-15%

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。

このように見てくると、都道府県別でも厚生年金の受給額は大きく異なっていることがわかります。

老後のマネープラニング、資産運用の準備をする際には、全国平均値をむやみに当てはめるのではなく、ご自身にあった年金額を前提に計画するのがよさそうです。

参考になれば幸いです。

参考資料