株価は様々な要素を反映します。

企業業績は当然として、企業の事業戦略、さらには金融政策による資本市場における資金の動向、政府の経済政策などが影響します。

最近ではコロナ禍で人の動きが変わったように、企業活動を取り巻く環境の変化で、消費者やユーザーの動向や趣向が変わることで投資家の企業を見る目も変わります。

このように、株価の過去を振り返ることで様々なものが見えてきます。

今回は、電気自動車EV大手の米テスラの決算書や株価を振り返りながら、「何が」「なぜ」また「どのよう」に株価に影響をしたのかについて振り返っていきましょう。

それでは、早速、コロナ禍前後の株価の動きを見ていきましょう。

コロナ禍前後のテスラの株価動向とは

では、コロナ禍発生直後のテスラの株価はどうであったのでしょうか。

2019年10月:65.99ドル
2020年1月:130.11ドル
2020年2月:133.6ドル
2020年3月:104.8ドル
(・・・)
2020年7月:498.32ドル
(・・・)
2021年10月:1144.76ドル
(・・・)
2022年1月:936.72ドル
2022年2月直近:932.00ドル

このように、2年ちょっとの間に株価は10倍以上に上昇したことがわかります。

テスラのモデルSとY、モデル3とYは何台生産されたのか

テスラの決算書をもとに、モデルSとX、テスラ3とYはそれぞれ年間何台生産されたのかを見ていきたいと思います。

モデルSとXの生産台数

2017年:9万8339台
2018年:10万1553台
2019年:6万2931台
2020年:5万4805台
2021年:2万4390台

モデル3とYの生産台数

2017年:2686台
2018年:15万2977台
2019年:30万2301台
2020年:45万4932台
2021年:90万6032台

テスラのモデルSとY、モデル3とYは何台デリバリーされたのか

ここからはそれぞれ何台デリバリーされたのか見てみましょう。

モデルSとXのデリバリー台数

2017年:10万1417台
2018年:9万9451台
2019年:6万6771台
2020年:5万7085台
2021年:2万4980台

モデル3とYのデリバリー台数

2017年:1764台
2018年:14万6055台
2019年:30万885台
2020年:44万2562台
2021年:91万1242台

このように2017年には生産台数は10万台の水準になったものが、2021年には90万台にまで拡大しています。

EVベンチャーとして登場としたテスラも現在では年間90万台も生産できるカーメーカーになったということです。

テスラの株価なぜここまで上昇したのか

ここからはテスラの株価が大きく上昇してきた理由について見ていきたいと思います。

理由その1:収益率の上昇

テスラの決算説明資料は、同業のカーメーカーの収益率を比較している資料を開示しています。

オペレーティング・マージンは営業利益率とほぼ同じ定義でよいかと思いますが、その収益率がテスラの場合には右肩上がりに上昇しているのが見てとれると思います。

2018年第4四半期には営業収益率はマイナスであったものが、2021年第4四半期には10%は超えています。

1/2

出所:テスラ決算資料

出所:テスラ決算資料

GM、トヨタ、BMW、ホンダ、フォルクスワーゲン、ダイムラー、現代、フォード、日産などの競合する自動車メーカーと営業利益率を比較していますが、直近ではテスラの収益率はトップに位置付けられています。

理由その2:フリーキャッシュフローの黒字化

企業価値を算出する際に重要なフリーキャッシュフロー(FCF)。

そのFCFが2020年第1四半期以降、FCFがプラスになり、拡大しています。

2/2

出所:テスラ決算資料

出所:テスラ決算資料

FCFがプラスになった背景は、先ほど見た収益率のアップが大きな要因の一つですが、営業活動におけるキャッシュフローと投資活動とのバランスがとれた結果です。

冒頭に株価を見てきましたが、実際に2020年1四半期以降に株価は右肩上がりに上昇しています。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。

EVベンチャーであったテスラがここまで株価が上昇した背景を見てきました。

今後は、ハードである自動車がネットワークに接続され、どこまでサービスも含めて付加価値を上げられるのかに注目です。

【参考】COVID-19の感染拡大とその影響について

皆さんのご記憶にあるように、2020年始ごろから、中国発の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大が懸念されはじめました。

ここではNHKの報道を参考に何がどう起きたかを時系列にまとめていきます。

  • 2020年1月6日:NHK「中国 武漢で原因不明の肺炎 厚労省が注意喚起」
  • 2020年1月14日:NHK「WHO 新型コロナウイルスを確認」
  • 2020年1月21日:NHK「WHO「ヒトからヒトへの感染が見られる」」
  • 2020年1月23日:NHK「武漢 感染拡大防止のため「封鎖」」
  • 2020年2月3日:NHK「乗客の感染が確認されたクルーズ船 横浜港に入港」
  • 2020年2月11日:NHK「WHO 新型コロナウイルスを「COVIDー19」と名付ける」
  • 2020年2月13日:NHK「国内で初めて感染者死亡 神奈川県に住む80代女性」
  • 2020年3月24日:NHK「東京五輪・パラリンピック 1年程度延期に」
  • 2020年4月7日:NHK「7都府県に緊急事態宣言 「人の接触 最低7割極力8割削減を」」

時系列に新型コロナ感染症拡大の推移を追うと上記のような流れでした。

参考資料

LIMO編集部株式投資班