老後のためにまず、何をはじめる?
自分のおおよその年金額が分かったら、考えたいのが老後の生活費です。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上・無職の単身世帯の1カ月の支出は14万4687円。ただこれは住居費が1万円台なので、家賃をたとえば月5万円と考えるなら、プラス4万円にする必要があります。
上記は一つの参考ですが、老後どこに住むのか、移動手段はどうするか、何を楽しみや生きがいに生きていきたいかなどはイメージしておきたいもの。それにあわせたマネープランを考える必要があります。
月々の生活費が足りないのであれば、個人年金保険やiDeCoなどの私的年金を準備する必要があるでしょう。おひとりさまなら働けるのは自分だけなので、収入を増やすにも限りがあります。貯蓄をする際には、貯金だけでなく運用を取り入れることも考えましょう。
資産運用にリスクはありますが、リスクは具体的に調べて正しく恐れることが大切です。何がリスクかを知ることで、どうやってリスクを軽減するか、備えていくかということも考えられるでしょう。
たとえば運用益が非課税になるiDeCoやつみたてNISAが話題ですが、これらは投資信託などから自分で金融商品を選んで、毎月積み立てていくもの。投資対象・投資時期ともに分散することでリスクをある程度抑えることができます。
「なんとなく怖い」ではなく、情報収集をして「自分なら何ができそうか」を考えることで、お金を増やす選択肢も増えます。
おひとりさまの老後も、楽しみたい。それなら早いうちから老後の現実を知り、生活の基盤となるお金について備えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について」
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2021年版」
- 厚生労働省「令和3年版厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障-(本文)」
- 厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「第6表 初婚夫妻の年齢差別にみた婚姻件数・構成割合の年次推移」
- 厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果」
宮野 茉莉子