2022年もひと月が経とうとしています。年齢を重ねるごとに、1年の時が流れるのが早くなっているように感じているのは、おそらく私だけではないのではないでしょうか。
将来の年金生活を考えると、やはり気になるのは貯蓄状況という方もいらっしゃるでしょう。
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、世帯の所得の中央値は437万円とのこと。
平均値は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。その為、中央値がより実態に近いと考えると、年収400万円台は日本の標準世帯と言えるのではないでしょうか。
私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は日本の標準世帯「年収400万円世帯」の貯蓄額・お財布事情を紐解きながら、老後のお金の備え方についてお話ししていきたいと思います。
年収400万円台世帯の貯蓄平均は?
まずは総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にして、年収400万円台「勤労世帯」の平均貯蓄額を確認していきましょう。
400万円~450万円世帯と450万~500万円世帯に分けて見ていきます。
年収400万~450万円世帯
- 平均年収:423万円
- 平均貯蓄額:911万円
貯蓄の内訳
- 金融機関:893万円
- 通貨性預貯金:290万円
- 定期性預貯金:286万円
- 生命保険など:228万円
- 有価証券:88万円
- 金融機関外:18万円
平均貯蓄額は911万円、そのうち6割以上は預貯金という結果となっています。
次は年収450万~500万円世帯を見てみましょう。
年収450万~500万円世帯
- 平均年収:474万円
- 平均貯蓄額:813万円
貯蓄の内訳
- 金融機関:805万円
- 通貨性預貯金:264万円
- 定期性預貯金:252万円
- 生命保険など:212万円
- 有価証券:77万円
- 金融機関外:8万円
貯蓄額の平均はさきほどより少し下がり813万円。やはり6割以上が預貯金で備えていることがわかりました。
年収が多いと貯蓄額が多くなるわけではないことがわかりました。お子様がいらっしゃる家庭では教育費、また住宅を購入された方は頭金に活用するなど、思うように貯蓄が進まないという世帯も多いかもしれませんね。