「当面使わないお金」は資産運用に回すという選択肢
老後資金は、数十年先のためのお金です。銀行口座に眠らせておいても、なかなか利息がつかないでしょう。仮に金利0.002%の定期預金に100万円を預けても、1年の利息は20円。税を引くと16円しか増えません。
若い方は高い金利を実感したことがないので、「銀行とは安心してお金を預けておく場所」という認識が高いです。「バブル期は預けるだけでお金が増えた」ということを知識として知っていても、今の銀行に対しては望んでいないと思います。元本が減らないのだからそれでいいという感覚ですね。
ただ、銀行預金にもインフレのリスクはあります。インフレ率が預金金利を上回れば、お金の価値が目減りしてしまうのです。こうしたリスクを考えると、「高い金利はいらない」と思う方でも、銀行預金1本に絞るのは少し危険かもしれません。
そこで選択肢になるのが資産運用です。複利効果を得られるので、運用成果に合わせてお金を増やすことができます。もちろん自己責任での運用になるので、リスク管理は必須です。預貯金のデメリットと合わせて、資産運用のデメリットもしっかりと把握しましょう。
老後資金の準備は、二分法ではなく割合を決めるのが大事です。預貯金や資産運用、時には保険なども組み合わせて、最適な方法を見つけてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
太田 彩子