米国の主要指標が連日のように最高値を更新しているにもかかわらず、日本株は出遅れ感があります。
年末に向けて買いが広がることを期待したいところですが、やや心配なのは、ここにきて原材料の高騰や部品不足などが起きている点。決算発表などを見極めながら好業績の銘柄を物色したいところです。
複数の移動平均線の収れんからローソク足が上抜け
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週まで、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線が収れん。価格も煮詰まっており、どちらに放れるか注目されるところでしたが、実際には上に放れました。
週初1日から窓をあけて大きく上昇して寄り付くと、そのまま長い陽線に。3日(祝日)の休業日をはさんで4日にも窓をあけて上昇し、一時は2万9880円と3万円に迫りました。しかしその後、週末にかけては若干の調整となっています。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。25日線、75日線、200日線の上に価格が大きく放れました。注目すべきは直近の戻り高値である10月20日の高値(2万9489円)も超えたことです。心理的節目となる3万円超えも見えてきました。
ただこのあたりは、過去に売買が積み重なり、節が多いため抜けるまでパワーがかかるかもしれません。しかし、抜けてしまえばレジスタンスラインがサポートラインに転換します。
直近の上値メドは9月14日の高値(3万795円)になります、そこを抜けると視界が広がっており、するすると上昇することも期待できます。ただ、今週急騰したことから、しばらくもみ合いになることも考えられ若干の調整もあるかもしれません。
それでも、直近の押し安値である10月25日の安値(2万8472円)を割り込まない限りは、短期的な上昇トレンド継続ですので押し目買いの好機と考えていいでしょう。
下原 一晃