2021年11月4日に行われた、株式会社オールアバウト2022年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社オールアバウト 代表取締役社長兼グループCEO 江幡哲也 氏

オールアバウトグループのミッション

江幡哲也氏:みなさま、こんにちは。株式会社オールアバウト代表取締役社長兼グループCEOの江幡です。2022年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。本日は第2四半期までの累計の決算について、ご説明します。

決算のご報告に先立ち、オールアバウトグループが何のために、何を目指して事業を行っているのかをご説明します。「個人を豊かに、社会を元気に。」がオールアバウトグループのミッションです。こちらは創業以来変わらないワードです。

さまざまな環境変化の中で、より個人の多様性が尊重され、人々が生き生きと暮らせる社会を目指しています。インターネットはまさにそれを後押ししていますが、このような環境をより推し進めて、その集合体として、日本、ひいては世界が元気になっていくような社会を目指すということです。その一端を担いたいと考え、日々努力しています。

また、昨今はSDGsという言葉がかなり使われるようになりました。オールアバウトグループの考え方として、「本業そのものがSDGsに貢献する」ことがコンセプトです。

そのため、このビジョンの達成こそが、経済的な発展と持続可能な社会の両立を同時に達成していくと信じています。簡単に表現すると、「個人の自立」「個人が活躍して意識を高めていくこと」の集合体が、社会を持続可能にしていくということです。

オフィス移転について

第2四半期までの間に、世の中は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、大きく社会が変革してきました。その中で「新しい働き方」を実現するべく、我々グループ社員全員が高いパフォーマンスを保つとともに、各個人が健康をしっかり守って働いていくことの両立をとても大事にしています。

これらを両立させていくために、一昨年の2月後半から、基本的にはテレワークを活用し、必要な時のみ社員がオフィスに来るという働き方を進めてきました。その結果、テレワークの方法や、実際に人と会うことの大事さなどがわかってきました。

それを反映するかたちで、今年の6月末に、新オフィスに本社を移転しています。スライドにあるとおり、新オフィスは、アフターコロナを見据えた新しい働き方を実現するオフィスとなっています。

いくつか写真でご紹介していますが、スライド左下には映像配信スタジオがあります。我々の事業のツールとして動画を作ったり、それをインターネットを通じて多くの方に配信したり、オンラインでさまざまな催し物を行ったりということが広がる中で、スタジオを内製しています。本日は、このスタジオから決算説明を行っておりまして、初の試みとなっています。

本資料の前提となる連結対象企業構成

決算の説明に入ります。当グループに属する法人群は、連結子会社および持分法適用会社1社を含め、スライドに記載のような構成になっています。

オールアバウトグループのセグメント

セグメントは2つに分かれています。1つはマーケティングソリューションセグメントで、法人のお客様からの収益を主体とする事業群です。デジタルマーケティング、メディア、広告ビジネスが中心となっています。

もう1つはコンシューマサービスセグメントで、個人の生活者のみなさまからの収益を中心とする事業群です。主にコマース、トライアルマーケティング、生涯学習などの事業を指します。これらのセグメントに則ってご報告します。

アジェンダ

アジェンダとして、はじめにグループ全体の決算ハイライト、次にセグメントごとのハイライト、最後に業績の見通しという流れでご説明します。

まずは、第2四半期の累計の決算ハイライトです。1点、事前の補足事項があります。当年度期首より、「収益認識に関する会計基準」等を適用しております。そのため、昨期と今期とで会計基準が異なっており、少しわかりづらい部分があります。この後のご説明では新しい収益認識に関する会計基準等を適用した数字を出していますが、必要に応じて旧基準ベースの数字も併記しています。

①エグゼクティブサマリー

スライドは、今日のお話し全体が1枚でわかるエグゼクティブサマリーです。コロナ禍にあって、引き続きいろいろな事業環境の変化がありますが、コンシューマサービスセグメントにおけるトライアルマーケティング&コマース、いわゆるEコマース系の事業において、昨年度の第2四半期からNTTドコモのdショッピング事業を共同運営するかたちにしました。当年度は期初から当該事業が計上されており、取扱高や利益が昨年に比べて大きく伸びています。

また、広告主のみなさまは、さまざまなマーケティング施策の出し控え、見直しや、ダイレクトレスポンス系の広告へのシフトなど、多様な変化に直面している状況にありますが、その中にあってメディア&デジタルマーケティングのビジネスも健闘しています。

その結果、第2四半期においては、旧基準ベースでの比較ですが、おかげさまで過去最高の売上高および営業利益を記録しています。あわせて、これは毎回お伝えしていますが、この先の2025年に向けて大きな成長を図るべく、数多く存在するチャンスに対する投資を並行して進めています。

このように、過去最高の収益を出しながら、次への糧となるような準備も上半期に進んでいるとご理解ください。

①連結売上高の推移(年度)

スライドには、過去10年間、増収を続けているというグラフを載せています。東日本大震災の後からずっと、いわゆる「右肩上がり」に事業が伸びています。現時点では第2四半期までの実績で、進捗率が49パーセント、旧基準ベースで前年比プラス7パーセントの89億円まで積み上がってきています。

毎年下期に偏重するため、この後、上期の実績から大きく伸びる部分もありますが、昨年から今年にかけてはコロナ禍でさまざまな事業環境の変化があります。例年どおりに成長することが難しい部分もあれば、逆にさらに成長する部分もあります。

スライドの右端には、旧基準ベースですが、180億円という通期の目標を開示しています。新基準適用ベースでは159億円と予測しています。その目標に対して、今期も順調に推移しているところです。

①2022年3月期第2四半期の決算ハイライト(1)

上期の数字ですが、対前年同四半期累計で増収増益を達成しており、先ほどもお伝えしたとおり売上高・営業利益ともに過去最高です。売上高は78億2,300万円で、旧基準ベースでは前年同期比7.3パーセント増でした。

営業利益は4億4,500万円で、こちらも前年同期比で10パーセント以上伸びるかたちとなりました。8月の第1四半期決算の開示において上方修正をしていますが、ほぼその数字のとおりになっていると捉えています。

①2022年3月期第2四半期の決算ハイライト(2)

営業利益以下の利益の数字については、スライドの表のとおりです。純利益は昨期と比べて若干減少していますが、こちらは先ほどご説明したオフィス移転に関連する費用において、将来の税金減少効果をとっていないことなどによるものです。

①連結売上高の推移(四半期)

連結売上高の四半期ごとの推移です。当第2四半期連結累計期間は、前年同四半期と比べて、旧基準ベースで7.3パーセント増と順調に大きく積み上がってきています。

グラフの下段のピンク色の部分がコンシューマサービスセグメント、上段のグレーの部分がマーケティングソリューションセグメントです。ここ数年はコンシューマサービスセグメントが売上を引き上げている状況が続いています。

後ほどご説明しますが、マーケティングソリューションセグメントにおけるメディアビジネスは、大きな成長を図るべく、現在は新しい分野、既存分野それぞれに投資しています。そのため、この先は両方が伸びていくと信じています。

①連結営業利益の推移(四半期)

連結営業利益の四半期推移です。営業利益は、おかげさまで前年同期比で10パーセント以上伸びています。期初にもお伝えしたとおり、増収増益を図りながら、しっかりと投資を継続できています。

事業ハイライトと今後の取り組み

ここからは、セグメントごとに少し補足します。まずはマーケティングソリューションセグメントです。スライドにサービス群のロゴを載せています。

2022年3月期第2四半期の決算ハイライト(1)

マーケティングソリューションセグメントはメディア系ビジネスが中心です。メディア系ビジネスはこのコロナ禍においても健闘しており、セグメント全体では旧基準ベースで増収となっています。一方、利益については「All About」という創業以来運営しているメディアの強化、また、今後大きく成長が期待される「PrimeAd」のような新しい事業への積極投資を続けているため、減益となっています。

マーケット全体の動きに連動しますが、高粗利率のプログラマティック広告について、この市況下で単価が下落しています。その影響で、ユーザーの利用数は増えていますが、結果として前年比で利益は減少している状況です。

これは私の見解ですが、「この四半期はどうだったか」という短期的な流れよりも、この先の2025年に向けて大きな成長を図っていく動きのほうが重要です。このセグメントにおいては積極的な投資を続けてきているということで、短期的なものをあまりご覧いただかないほうがよいと考えています。

②マーケティングソリューションの売上・営業損益推移(四半期)

四半期ごとの売上・営業損益の推移です。スライドのグラフで、売上高、営業利益をそれぞれ四半期ごとに示していますが、数字の傾向として、このセグメントでは昨年と今年とであまり変わっていません。

②マーケティングソリューションの営業費用の明細推移(四半期)

マーケティングソリューションセグメントにおいて、営業費用の明細の四半期ごとの推移です。ご覧のとおり、今年度に入ってから棒グラフの一番上の黒色の「変動費」の部分が大きく減っています。会計基準の変更に伴って、いくつかの原価がネット表記となっています。つまり売上から原価を差し引き、残りの部分のみを売上カウントする純額ベースになっていることが影響しています。

このような影響があるとはいえ、固定費等を含めて減らさず、しっかりと次への動きも実行していますので、足腰は強い状態にあると思っています。

②総合情報サイト「All About」の事業進捗

総合情報サイト「All About」を中心に、来訪ユーザーに対して、プログラマティック広告を配信しており、そこをクリックすると広告主に課金されタイプのビジネスモデルにおいては、市況感にもとづく広告単価と、ユーザーの利用量であるセッション数との掛け算で収益が決まります。

スライドの2021年4月から右側をご覧ください。まずグレーのバーであるセッション数、つまりユーザーの利用量は全体傾向として、季節変動はあるものの一段上がってきています。つまり多くのユーザーに支持されている状況です。

一方、配信されているプログラマティック広告の単価は、業界全体で下がっており、昨年度に比べると一段下がった推移となっています。ただし、こちらの単価は、市況感とともに今後上がっていくものと考えています。まずは我々ができることとして、ユーザーのみなさまに役立つ情報、サービスをより強化し、グレーの部分を大きくしていきます。このようなことで単価が戻り、さらに収益が上積みされていくため、慌てることはないと考えています。

②コンテンツマーケ市場への取り組みと市場規模

もう1つ、新たな取り組みがあります。我々オールアバウトが得意としているデジタルマーケティングにはいろいろな事業分野がありますが、コンテンツマーケティングという大きな分野があります。

この中にもいくつか商品形態、プロダクトがありますが、スライドはコンテンツマーケティングの市場そのものが、今後大きく伸びると想定している図です。

スライドの左側には外部環境要因を記載していますが、その1つ目として、ユーザーがインターネットにアクセスする時に、ブラウザの特定のIDを残していくCookieデータがあります。

Cookieデータは、自社のサイトで残したデータは活用できるのですが、他のサイトを訪れた時に得られるデータについては、広告配信のために利用することが規制され始めています。これによって、これまでアドテクノロジーの進化によって広告の配信が非常に増えていましたが、一部でブレーキがかかっていく可能性があります。

2つ目に、最近は「アドフラウド」という言葉がとても注目されています。インターネット広告において、表示に対する信頼性や、「しっかりとクリックされたのか」「それを本当に人が見たのか」、または「おかしな広告素材が自社のブランドを棄損するようなかたちで同じところに出ていたりしないか」など、広告主、ユーザーからの信頼性、安全性が非常に着目されています。これらを総称してアドフラウド対策と言っていますが、ある種、人間を引っ掛けるギミックのような広告が減っていく流れになってきています。

3つ目に、雑誌広告を中心にコンテンツマーケティングが行われてきましたが、そのような紙媒体からデジタル媒体へのシフトが急速に進んでいます。出版社の方々からは、今や自社の雑誌のデジタルサイトのほうが紙の広告よりも大きくなっているという状況を聞きます。このような流れから、デジタルのコンテンツマーケティングという市場は大きくなっていくだろうと考えています。

自社調べですが、現状の市場だけを見ても6,000億円程度あると思っています。我々はこの市場に対してまず1つは自社メディア、また、この後にご説明するプラットフォームビジネスの新しい取り組みによってリプレイスを図り、大きく成長していきたいと思います。それにより、市場全体のグロスを大きくすることにも関与していきます。

②コンテンツマーケティングプラットフォーム「PrimeAd」

そのための戦略的な投資として、新しく「PrimeAd」という事業構想を進めています。「PrimeAd」は、コンテンツマーケティングの事業分野における、広告ビジネスのDXプラットフォームだとお考えください。

「PrimeAd」構想には何段階かのフェーズがあり、この上期に1stフェーズのビジネスマッチングプラットフォーム「PrimeAd BMP」をリリースしました。期初にもお伝えしましたが、この 「PrimeAd BMP」を今年度中にプロダクトマーケットフィットさせ、お客様がしっかりと使いこなせるような仕様を固めて、マーケットにリリースしていくことを現在進めています。

②PrimeAdのロードマップ

「PrimeAd」のロードマップでは、現在は左から2番目の2021年度です。1stフェーズであるBMP(Business Matching Platform)についてご説明します。デジタルのコンテンツマーケティング分野にはタイアップ広告という種類の広告があります。これまでは主に人による営業、人による運用で人手を介して受発注や掲載が行われ、広告コンテンツの作成が行われるという、非常に労働集約的なワークが多い広告領域でした。

この領域について、広告の売り買い、受発注についてすべてクラウド上でダッシュボードを通じて行い、その後のワークフローに入る1stフェーズを行うのがBMPになります。今期はここにフォーカスしており、順調にこの部分が立ち上がってきていると思います。

先々は、出稿した広告の効果をより高めていくために、ほかの媒体から優良なお客様をその広告コンテンツに誘導するような、アドネットワークのブースト配信の提供を目指しています。

そして、各企業は自分の事業領域で一番知見を持っているため、オウンドメディアと呼ばれる企業の得意分野をメディア化する動きがどんどん進んでいます。そのような事業機会に対して私たちがコンテンツの制作支援を行うことを考えています。

6,000億円くらいの市場に対して、まずは一番上のBMPのところで100億円程度の取り扱いを得ることを近い目標にしながら動いています。

②PrimeAdの事業進捗

「PrimeAd BMP」の当該期の事業進捗です。指標はいくつもあるのですが、大きく2つだけご紹介します。1つはスライドの右側ですが、「PrimeAd BMP」に参画いただくメディア群へのリクルーティングを積極的に行っています。

1年前の同じ時期に比べて、参画メディアが66パーセント増えました。生活分野や女性向けなど、いくつか重点を置いている分野をほぼカバーするところまできました。また、大手出版社の雑誌のデジタルメディアでも参画いただくことができ、大きく進捗しました。

スライドの左側は、広告の流通に関する指標です。こちらも主要な大手総合広告代理店を中心に、「PrimeAd BMP」をタイアップ広告業務の標準ツールにしていただく活動をずっと進めてきました。この8月には、「PrimeAd BMP」を大手総合広告代理店が正式に公式プランニングツールとして全社導入いただくことが決定し、9月から実装に入っています。

このようなことにより、現場で広告発注をしている方々にとって、これまで人手や手間をすごくかけていた部分の生産性が一気に上がることになります。また、このツールによって、参画している多くのメディアに対して、広告案件の提案チャンスが提供されることになり、市場の在り方がこれまでと変わり始めています。

②コンテンツコマース領域の進捗

このセグメントにおいて、もう1つ、コンテンツコマースにも取り組んでいます。これは、例えば、みなさまがこれからの季節に加湿器を買おうとした時に、「今、加湿器はこんな選び方が潮流で、おすすめが10個あります」といった情報を専門的なコンテンツとともにご提供します。そして、その先のいろいろなサイトで買えるという、アクションまで一気通貫にしたサービスです。

こちらも、「Best One」というサービスを通じてどんどん伸びており、売上高は前年比で33パーセント増となりました。まだまだ伸びる余地がありますので、このサービスももっと大きくし、オールアバウトのメディア群が提供する情報価値に加えて、アクションまでサポートしていく機能をより強化して、全体の価値を高めていきます。

2022年3月期第2四半期の決算ハイライト(2)

コンシューマサービスセグメントについてご説明します。コンシューマサービスにおいて主力の「サンプル百貨店」では、昨年度の上期、特に第1四半期で、コロナ禍による衛生用品や水などの巣ごもり特需がありました。今第2四半期は若干それによる反動がありましたが、堅調に伸びています。

また、先ほどお伝えしたとおり、昨年の第2四半期から共同運営のかたちでNTTドコモのdショッピング事業を開始しており、この加算により大きく増収増益となっています。

売上高の前に、指標として取扱高をご報告します。取扱高は、我々のプラットフォーム上で売り買いされた商売の大きさです。他のサイトでは「流通総額」と表現しているケースもありますし、「GMV」と言われることもあります。

取扱高は、前年比60.6パーセント増の164億9,800万円まで一気にジャンプアップしました。まずはこの部分が今後の事業の成長の大きな指標になりますので、着目して伸ばしていくつもりです。

以上の結果より、売上高は旧基準ベースで前年比8.4パーセント増の68億2,000万円、営業利益は前年比18.9パーセント増の6億3,600万円まで到達し、順調に成長できた半期だったと考えています。

②コンシューマサービスの売上・営業損益推移(四半期)

四半期ごとの数字の山谷は、今後もいろいろな影響が考えられます。当然、季節や市況感、天候等もありますが、1つは販売促進施策が考えられます。年度計画でいつ実施するか決まっているわけではないため、実施した時はぐっと伸びることもあります。したがって、四半期ごとというよりは少なくとも半期、もしくは通年でどれくらいの実力値が上がったのかをご覧いただければと思います。

②コンシューマサービスの営業費用の明細推移(四半期)

営業費用の明細については、ご覧のとおり、新収益認識に関する会計等基準の適用により変動費が圧縮されていますが、我々のコントロールが効く部分である固定費はあまり伸ばしていない状態で、取扱高を増やせています。

また、マーケティング施策は、より数値をコントロールしながら最適化し生産性を上げることを常に実行し続けた結果、営業利益が上昇しました。

②トライアルマーケティング&コマース事業の状況

いくつかのサービスをまとめてご報告します。全体のユーザーがどれくらい伸びているのか、また、取扱高の推移はどのようになっているかを四半期ごとの推移で記載しています。

一目瞭然ですが、昨年の第2四半期から、NTTドコモのdショッピング事業を共同運営することになり、取扱高が一気に増えました。

スライド右端の2つが今年度の数字ですが、dショッピング事業が今期初からフル計上されていきますので、上半期比較ではそれが上乗せされることになります。

サービスを利用するユーザー数については、昨年第1四半期、第2四半期における特需がありますが、全体としては順調に伸びている印象です。今年度の第1四半期は、販促施策が功を奏して取扱高が大きく伸びました。

②トライアルマーケティング&コマース事業の業績推移

「サンプル百貨店」開始以来の年度の推移です。約10年になりますが、順調に売上を伸ばしてきています。

外部環境を考えるとまだまだ伸びる要素がありますし、dショッピング事業をはじめ、今後もいろいろな打ち手をさらに上乗せする予定です。

コマースは規模があっての商売という面もありますので、日本のコマースプレイヤーの一角を担えるように大きくしていきたいところですし、できると確信しています。

②トライアルマーケティング&コマース事業の成長戦略

このセグメントの主力である「サンプル百貨店」に「dショッピング」が加わり、さらに、2つのプラットフォームの販売効果を支援するマーケティングソリューション系のプロダクトも追加されました。本年度は三位一体での運用が我々の強みになり始めた期となっています。

他社にない3つの特徴を活かして、大きく伸びる市場を獲得していきます。今のところ、外部に発表されているEC市場のさまざまな数字を上回る伸びで成長していますので、それらの数字に負けないように、より高く成長していきます。

③将来の成長イメージ(取扱高)

業績見通しです。スライドは、期初の決算説明会で発表したグラフにコメントを更新したものです。

中長期の成長イメージとして、2025年度にオールアバウトグループの取扱高を1,000億円、売上高で300億円、営業利益は30億円レベルにしようと、期初に発表しました。このような目標をまずはいったん置いて、現在はそこに向かって着実に登っています。

外部環境は、実に追い風だと考えています。SDGsもしかり、また、昨今はDXという言葉が盛んに使われていますが、みなさまの生活や企業のマーケティング活動、企業活動や事業そのもののDX化が進んでいます。我々の全事業がそこに貢献できると思っていますので、環境面としては追い風です。

スライド下部のコンシューマサービスでは、主力のトライアルマーケティング&コマース、また総合通販サイト「dショッピング」があります。

今後は、小売業を通して販売している飲料・食品・生活用品メーカーや、通販専業で販売しているメーカーの大きな市場がDX化されていきます。その中で、販売力やさまざまなマーケティング施策の生産性向上、効果アップを総合的に取り入れて、事業として提供していきます。

マーケティングソリューションでは、これまではインターネットにおいて「All About」などを代表に、単一のメディアで商売してきました。

しかし、テクノロジーの大きな変化によって、ユーザーからも、広告・デジタルマーケティングを活用する企業のみなさまにとっても、インターネットがあたかも1つのメディア、1つの場になっています。そのため、単一メディアで戦う限界を超えて、「大きな果実を取りにいく」ためにプラットフォームポジションを取るということです。

コンテンツマーケティングという領域で、我々がメディアを運営することで培ってきた事業のノウハウを活かしていきます。また、そのようなものを可視化するためのツールを通じて、今までは競合だったかもしれない他のメディアをビジネスプラットフォームとして下支えしていきます。

そのため、業界全体で関与させていただき、その「果実の分け前をいただく」というかたちで、メディア+プラットフォームポジションとして大きく成長していきます。

マーケティングソリューションビジネスにおいても、我々の提供するさまざまなプラットフォームや仕組みによって、既存の単一メディアの発展に加えてデジタルマーケティングの流通が新たに起こります。まさにスライドのグラフにあるように、流通総額がどんどん大きくなり、結果として2025年にはコンシューマサービスとマーケティングソリューションの両方の取扱高が非常に大きくなる構造になります。

このようなものを目指していけると考えていますし、当該期も順調に目標に向かって進んでいます。最終的には、ビジョンの達成に向けて、新規事業をまたひとつ積み重ねていきたいと考えています。

具体的には、個人の活躍の場所を提供し、「個人が豊かに、社会を元気に。」というビジョンを達成していけるような事業の強化です。手がける事業領域の1つとして、個人が生き生きと自立して豊かな人生を送るために必要となる“お金”周りがまずあります。

他には、健康に困らないためのウェルネス領域、「どのようなところで働くか」「どのようなスキルを身に着けていくか」「どのように学び、教え合うか」などという自己実現であるキャリア形成、といった領域もあります。また、自分が帰る場所としての家族作りや、パートナー、コミュニティに関連するホームポジション作りに関連するビジネス領域が挙げられます。

私たちは、マネー、ウェルネス、キャリア、人間関係といった、このような4つの領域を総称して、「ライフアセットマネジメント」と呼んでいます。これからの社会で、日本および世界が成長するとともにSDGsを進めていくには、このように個人が自立して、生き生きとした人生を自分らしく生きるような力を身につけていくことが必須となります。私たちはこのような部分で、テック系ベンチャーへの投資や自社のサービス開発を含めて価値を提供し、成長していきます。

以上の3本の柱を掲げて、2025年に掲げた目標を達成すべく、この下半期に加えて、来期、再来期も進んでいく次第です。

③2022年3月期 業績予想

2022年3月期の業績予想です。こちらは8月にいったん上方修正しています。通期予想は変えていませんが、期初に掲げたとおり、前年に対してしっかりと増収増益を図りながら、次の成長への投資を行っていく方針を変えておらず、前回出している数字から変更はありません。

当然ですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、これからもいろいろな変化が起こります。良いほうもあれば悪いほうもありますが、今行っていることに間違いはないと考えていますし、一喜一憂せずに進んでいきます。いったんはこの数字で進めて、さらに上乗せできるというような変更があれば、わかった時点ですぐにみなさまにお知らせします。

スライドの表について1つだけ補足しますが、一番左側にある取扱高を参考値として出しています。2025年に1,000億円の取扱高という目標を掲げている中で、今年度は400億円くらいの数字をいったん置いています。こちらは参考ですが、あわせて共有させていただきます。

引き続き、次への投資も怠らず、足元もしっかりと固めながら進んでいきます。ご支援を賜われるとありがたく、グループ社員一同ともどもよろしくお願いします。

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