国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、一年間を通じて勤務した給与所得者の平均給与は443万円(男性:532万円・女性:293万円)です。
サラリーマンが受け取る給与は、年齢・業種・勤続年数などの影響を受けますね。勤務先の規模もその一つでしょう。
今回は「企業規模(資本金階級)」と「事業所規模(従業員数)」別に、サラリーマンの平均給与を比較していきます。
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「大企業」と「中小企業」そもそも何が違うの?
企業の大きさは、一般的に「大企業」「中小企業」といった呼び方でざっくり区別されますね。ちなみに、中小企業基本法が定義する「中小企業者」(さらには「小規模企業者」)の定義は業種によって異なります。
製造業・建設業・運輸業の場合は、「資本金(※1)3億円以下、もしくは従業員数(※2)300人以下」、サービス業であれば「資本金1億円以下、もしくは従業員数100人以下」といった具合です。
そこで、企業規模を判断する基準である「資本金」「従業員数」に着目して、給与の差を見ていきます。
※1 資本金の額又は出資の総額
※2 常時使用する従業員の数
企業規模(資本金の額)で、平均年収はどう変わる?
では、同資料の第12表より、1人当たりの平均給与を企業規模(資本金階級)別にみていきます。
資本金階級別の平均給与(2020年)
(カッコ内は平均年齢及び勤続年数です)
■■個人の事業所■■
計:249万9000円(51.0歳 14.2年)
- 男:305万9000円(47.8歳 13.0年)
- 女:223万1000円(52.6歳 14.7年)
■■株式会社(資本金階級別)■■
■2000万円未満■
371万6000円(48.1歳 10.7年)
- 男:447万5000円(48.3歳 11.8年)
- 女:248万9000円(47.8歳 8.9年)
■2000万円以上~5000万円未満■
404万4000円(46.7歳 11.5年)
- 男:479万1000円(47.1歳 12.8年)
- 女:260万6000円(45.8歳 9.0年)
■5000万円以上1億円未満■
412万8000円(45.1歳 11.3年)
- 男:491万7000円(45.4歳 12.9年)
- 女:267万2000円(44.6歳 8.4年)
■1億円以上10億円未満■
454万2000円(44.3歳 11.8年)
- 男:558万9000円(44.5歳 13.9年)
- 女:283万6000円(43.8歳 8.4年)
■10億円以上■
607万6000円(43.7歳 15.1年)
- 男:721万2000円(44.0歳 17.1年)
- 女:358万円(42.9歳 10.8年)
■株式会社計■
計:454万3000円(45.7歳 12.2年)
- 男:548万円(46.0歳 13.8年)
- 女:283万1000円(45.3歳 9.2年)
■その他の法人■
計:408万8000円(48.7歳 12.5年)
- 男:502万円(49.5歳 14.3年)
- 女:324万1000円(48.0歳 10.8年)
■■■合計■■■
433万1000円(46.8歳 12.4年)
- 男:532万2000円(46.8歳 13.9年)
- 女:292万6000円(46.7歳 10.1年)
1人当たりの平均給与を、資本金「2000万円未満」と「10億円以上」の階級で比べてみましょう。
資本金2000万円未満の株式会社では平均372万円(男性448万円、女性249万円)ですが、資本金10億円以上の株式会社では平均608万円(男性721万円、女性358万円)。それぞれ1.5倍前後の差があります。
次では、これを事業所規模(従業員数)別でも見ていきます。