子どもの教育費と一口に言っても、選ぶ進路によって資金額は大きく異なります。特に大学となると、国公立か私立かでかなり差があり、さらに自宅通学なのか、下宿など1人暮らしをするのかによっても金額は大きく違ってきます。

独立行政法人 日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)」には、実際に4年制大学に在籍している学生1人あたりの1年間の収入・支出の調査結果が示されています(令和2年11月実施)。以下、国立と私立、自宅と一人暮らしでどのくらい差があるかを見ていきましょう。

1年間でかかる学費、私立は国立の倍以上

授業料はどのくらい違うのか

まず、授業料の平均(居住形態別)は、以下のような結果になっています。

<自宅>

  • 国立:49万0000円
  • 私立:103万3200円

<下宿、アパート、その他>

  • 国立:48万7700円
  • 私立:107万3500円

このように、国立大学では49万円前後、私立大学は100万円を超えています。

現在、国立大学の授業料は国が定める53万5800円を標準額として、各国立大学がそれぞれ金額を設定しています。標準額と調査の平均額に若干違いはありますが、いずれにしても国立と私立では授業料だけでおよそ2倍の差があることが分かります。

国立と私立では「その他の学校納付金」に差がある

国立と私立で大きな差があるのは、施設維持費や実験研修費、後援会などの「その他の学校納付金」です。国立の施設整備は国の施設整備費補助金を基本的な財源としているので、学生の負担はほぼありません。

それに対して私立の「その他の学校納付金」は、1年間で15万円~16万円。4年分で60万円ほど費用がかかることになります。