「資産格差」=「老後格差」の要因は?

60代の金融資産非保有世帯を含めた全体と金融資産保有世帯との「資産格差=老後格差」の要因は何なのでしょうか。

保有している金融商品を種類別にみてみましょう。

種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

金融資産保有額:1745万円

  • 預貯金:959万円
  • 金銭信託:5万円
  • 生命保険:286万円
  • 損害保険:39万円
  • 個人年金保険:134万円
  • 債券:45万円
  • 株式:144万円
  • 投資信託:96万円
  • 財形貯蓄:27万円
  • その他金融商品:11万円

種類別金融商品保有額(金融資産保有世帯)

金融資産保有額:2154万円

  • 預貯金:1184万円
  • 金銭信託:6万円
  • 生命保険:353万円
  • 損害保険:49万円
  • 個人年金保険:165万円
  • 債券:56万円
  • 株式:178万円
  • 投資信託:118万円
  • 財形貯蓄:33万円
  • その他金融商品:13万円

金融資産の中で「預貯金」が占める割合は、959万円÷1745万円×100%=55%、1184万円÷2154万円×100%=55%と変わりません。それなのに金融資産保有額の差が1.2倍以上の差があります。

この差の主な要因は、預貯金以外の金融商品、つまり資産運用の割合と、運用期間の差と考えてよいでしょう。

例えば保有している商品が同じで、期間が違う場合を例に、金融庁の資産運用シミュレーションにて試算します。

毎月2万円積立・年率6%の条件下において、

  • 期間15年の場合:581万6000円(元本360万円対比161%)
  • 期間30年の場合:2009万円(元本720万円対比279%)

と期間が長ければ長いほど、元本がより大きく育ちます。

また、毎月2万円積立・年率1%とした場合、

  • 期間15年の場合:388万2000円(元本360万円対比108%)
  • 期間30年の場合:839万3000万円(元本720万円対比116%)

にしかなりません。

資産を増やすポイントは、「毎月積立金額・年率(複利)・期間」となります。中でも年率(複利)と期間がとても重要であるということを、お分かりいただけたかと思います。