みなさんは老後に受け取る年金額を把握していますか?令和3年(2021年)度のモデル年金は月額22万724円。これは、40年間「夫がサラリーマン・妻が専業主婦」だった世帯がうけとる標準的な年金額とされています。

老後の年金受給額は、現役時代の働き方に大きく左右されます。サラリーマンが加入する厚生年金は収入に応じた年金保険料を支払っていますので、個人差が大きく出る部分です。

では、このモデル年金と肩を並べるほどの年金を1人で受け取る女性はどのくらいいるのでしょうか。今回は厚生労働省の資料をもとに、厚生年金の受給額事情に触れたあと、1人で20万円以上受け取る女性はどのくらいいるのかを見ていきます。

年金のしくみを復習

日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれており、次の図のようなイメージとなります。

1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。2階部分の「厚生年金」は会社員や公務員などが、国民年金に上乗せして加入します。

ここからは、厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」から、年金受給額を詳しく見ていきます。

まずは参考に、国民年金の平均月額から。

国民年金・平均月額

全体…5万5946円(男性…5万8866円、女性…5万3699円)

国民年金の保険料は一律(※)で、納付した期間に応じて給付額が決定します。よって、性別や現役時代の収入額などによる金額の差はさほど大きくありません。

(※)国民年金の保険料は「1万7000円×保険料改定率」で計算されており、2021年度は1万6610円です。

厚生年金の受給額事情は、次で深掘りします。