国民年金より手厚いとされる「厚生年金」。

「厚生年金」は、加入していた期間と現役時代の収入が受給額に反映されるので、実際年金をもらう時期になって「思っていたよりも少ない!老後どうしよう」というのは避けたいですね。

特に女性は、ライフステージの変化によって独身時代は会社員だった女性も、産後はパートや、フリーランスを選ばれる方が男性より多いのではないでしょうか。

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均結果の要約」によると、男性の正規の職員・従業員は2345万人に対し女性は1194万人、男性の非正規の職員・従業員は665万人に対し女性は1425万人。女性は非正規職員の方が多いのが現状です。

雇用形態が変化しやすい女性にこそ、知っておいてほしいのが老後の厚生年金額。実は女性の厚生年金の平均月額は約10万円です。

老後の主な収入源となる年金が10万未満というのは、非常に心もとないと感じる方は多いのではないでしょうか。

そこで、本日は一児の母として証券会社20年勤務後、現在はFPの資格を持ちながらファイナンシャルアドバイスをしている私から、現代のシニア世代は、実際に厚生年金をいくら貰っているのかをお話をさせていただきます。

厚生年金、みんないくら受給している?

国民年金は、職業を問わずに保険料を納めていた人が受給できます。一方で、厚生年金を貰えるのは会社員や公務員。会社の規模によっては、一定条件を満たしたパートの方も加入できます。

厚生年金は勤続年数や収入により、そもそも受給できるか、そして受給額も異なるのが特徴的。

厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」より、男女別で厚生年金をいくら受給しているのかを確認しましょう。

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数

~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人

厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人

※上記には、老齢基礎年金部分(国民年金)も含まれています。

平均額は約14万円と出ていますが、注目してもらいたいのはその男女差です。女性の平均は約10万円。男性の平均と比べると、約6万円もの差があります。

女性の受給額で最も多いのは「5万円~10万円未満」、次に「10万円~15万円未満」。女性で厚生年金が月10万円未満の人は、265万6421人。約50%と半分をも占めるのです。