「人生100年時代」の幕開け。長いセカンドライフは、楽しく安心できるものであってほしいですね。
80代以降もほがらかに趣味のゴルフや旅行を楽しまれる方がいる一方、貯蓄が枯渇しないか不安を覚える方も多いでしょう。高齢者の貧困や「老後格差」はしばしば社会問題として取り上げられますが、実際はどうなのでしょうか。
今回は、70代以上世帯の貯蓄事情を見ていきます。とりわけ、貯蓄が「ない」世帯、もしくは「極端に少ない世帯」の割合にフォーカスします。
「70代以上世帯」貯蓄は平均でいくら?
では、70代以上の世帯にどのくらい貯蓄があるか、見ていきましょう。
金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」から、70代以上の貯蓄事情を見ていきます。
70歳代以上・二人以上世帯:金融資産保有額
(金融資産保有世帯)
- 平均:2208万円
- 中央値:1394万円
続いて、金融資産を保有していない世帯を含む数字を見てみましょう。
70歳代:金融資産保有額
(金融資産を保有していない世帯含む)
- 平均:1786万円
- 中央値:1000万円
70代以上の貯蓄額は、平均1786万円、中央値1000万円という結果になりました。
平均値と中央値に関しては、順番に数値を並べて真ん中にきた数値である中央値の方が実態に近いといわれています。
そのため、中央値の1000万円が実状に近いと言えるでしょう。
70代以上「貯蓄ゼロ世帯」は約2割に
では、70歳以上世帯のうち、どのくらいの世帯がいくら貯蓄できているでしょうか。
金融資産を持たない世帯も含めた「年齢別金融資産保有額」より、70代の金融資産保有額もみていきましょう。