総務省統計局によると、日本の総人口(2020年9月15日現在推計)は、前年に比べ29万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3617万人と、前年に比べ30万人増加し、過去最多となっています。
また、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2791万人、これは総人口の22.2%にあたります。
いまや国民の約4.5人に1人が70歳以上というなか、現役世代としては「いまの70代以上」のお金事情も気になるところですね。
私は以前、生命保険会社に勤務し数多くの老後のお金のご相談を受けてきました。今回はその経験もふまえ、超高齢社会の中の「70代の貯蓄事情」について、お話ししていきたいと思います。
70代の貯蓄平均はいくら?
さっそく、金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」をもとに、70代以上の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)をみていきましょう。
70歳以上・二人以上世帯の金融資産保有額
- 平均:1786万円
- 中央値:1000万円
平均値は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたとき全体の真ん中にくる値で、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
よって、ここでは平均の1786万円より、中央値の1000万円の方が、身近に感じやすく、より実態に近いと言えるかもしれません。
では、70歳以上世帯のうち、どのくらいの世帯がいくら貯蓄できているでしょうか。