老後は本当に「2000万円」必要なのか?

では、冒頭で触れた「老後2000万円問題」について、金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料)をもとに紐解いていきましょう。

同資料内では、モデルケースとなるシニア夫婦世帯のひと月の収支について、以下のように試算されています。

図中のオレンジの枠内の計算式が「2000万円」の根拠となります。しかし、その実支出の内訳をみると、住居費が約1万4000円で計算されており、将来的にも賃貸住まいの計画をしている場合は特に気をつける必要があります。また、介護費用がまったく含まれていないのも盲点であるといえるでしょう。

このようなことをふまえると、「2000万円」は「老後最低限の生活費」と言えるのかもしれません。

また、公益財団法人生命保険文化センターの意識調査によると、「ゆとりある」老後生活を送りたい場合、月々の生活費が36万1000円必要である、という結果も出ています。

これを上記の計算式に当てはめると、なんと老後に約5400万円が不足することになってしまいます。

老後にいくら必要になるかは、人それぞれであることは間違いありません。

しかし、ここまでの内容をふまえると老後費用に関しては最低でも2000万円、思い描くセカンドライフによってはさらに上乗せして準備していく必要があると言えるかもしれませんね。