「人生100年時代」といわれる現代。

年金支給がはじまる65歳からみると、老後は35年間と人生のおよそ3分の1を占めます。

2021年4月より施行となった高年齢者雇用安定法の改正では、70歳までの就業機会の確保が努力義務に。

人生100年時代においては、これまでのイメージとは変わり、70代はまだ老後がスタートしたばかりといえそうです。

とはいえ、厚生労働省による健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳。健康面を考えると、将来何歳まで働けるのか、病気や介護などでお金がかかるのではないかといった不安もありますよね。

定年後に無職の場合は、年金と貯蓄から生活をしなければなりません。実際に今の70代のリアルな年金と貯蓄はいくらなのかを確認しましょう。

まずは70代の年金の平均額をチェック

厚生労働省の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、今の70代が毎月もらえる年金の平均受給額を確認しましょう。

国民年金の平均年金月額

70~74歳:5万6697円
75~79歳:5万5922円

厚生年金の平均年金月額

70~74歳:14万6421円
75~79歳:15万1963円

国民年金であれば約5万円台、厚生年金であれば15万円前後を毎月受給している人が多いようです。ちなみに、厚生年金には国民年金部分も含まれているので注意してください。

たとえば夫が会社員で妻が専業主婦で国民年金の場合、70代前半の夫婦なら年金額は月約20万3000円です。

生命保険文化センターの調査では、夫婦の老後の日常生活で最低限必要な月額が平均22.1万円。必要最低限の生活でも、年金だけでは赤字だと分かります。