貯蓄ゼロ世帯も、老後格差はいくらか
一方、今まで金融資産を保有したことがない世帯を含めるとどうなるのかを見ていきましょう。
金融資産保有額の平均・中央値と分布(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均値:1786万円 中央値:1000万円
- 金融資産非保有:18.6%
- 100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.6%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:6.5%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%
- 1500~2000万円未満:8.0%
- 2000~3000万円未満:10.4%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:2.6%
この表を見ると、「貯蓄ゼロ」を示す金融資産非保有世帯が全体の2割に上ることがわかります。中央値で比較すると、先程の金融資産保有世帯よりも約400万円下回ることがわかります。
一方、2000万円以上の資産を保有している世帯は3割弱となっており、資産を持つ世帯、持たない世帯との格差が拡がっている現状が浮き彫りになっています。
貯蓄2000万円でも安心できない理由
前章までは、貯蓄の状況を見てきました。70代のうち、約2割が貯蓄ゼロ、一方で2000万円以上の預金を持つ人も3割いることがわかりました。70代の間にも格差が進行していることがわかります。
ただ金融資産を保有している方でも、お金の心配がまったく無くなったわけではありません。
例えば、現在の日本でも深刻な介護問題。将来、親の介護も心配ですが、自分自身に介護の問題がふりかかってくる可能性もありますね。
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年度)によると、在宅介護の場合、平均で一人500万円はかかると言われています。
これが夫婦であれば、2人分の1000万円。サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームであれば、さらに大きな費用が必要となります。
介護については経済的にも精神的にも大きな負担となります。老後になって、あわてて備えようとしても、メイン収入が年金だけですと、貯蓄に回すお金も限られてきます。できるだけ早いうちから備えておきたいところです。