老後資金って、いくら必要?

それでは、今のシニア世代がどれくらいの年金を受け取っているのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。

例えば、現役時代に「男性会社員×専業主婦」だった年金暮らしのご夫婦の場合、先ほどの厚生労働省のデータを参考にすると、年金月額を以下のように計算できます。

16万4770円[男性の厚生年金保険(第1号)平均年金月額]+5万3699円[女性の国民年金平均年金月額]

月21万8469円

この年金額を、十分と感じるか、少ないと感じるかは、人それぞれでしょう。

ただ、老後生活には「介護費用」や「医療費」、「住居の修繕費」など、思わぬ大きな出費が発生するリスクも潜んでいることを覚えておく必要はありそうです。

生命保険文化センターの意識調査によると、老後にゆとりある生活を送りたい場合、毎月の生活費は36万1000円かかるという結果も出ています。

先ほどのご夫婦の例では、年金月額は約22万円でしたので、ゆとりある生活を送ろうとすれば毎月およそ14万円が不足します。仮にこの赤字状態が30年続けば、赤字額は合計5040万円にも膨らむ計算です。

誰しもが、これだけの老後資金を準備する必要があるとは言いませんが、「ゆとりある老後」を過ごすためには、老後を見据えたしっかりとした資金準備がカギになってくるのではないでしょうか。