厚生年金を「月額25万円以上」受け取る人の割合は?
先ほどの受給額の分布から、厚生年金を毎月25万円以上受給できている人は、男性で全体の約2.87%、女性は全体の約0.085%とであることが分かります。
さらに30万円以上をうけとる人の割合は、男性で全体の約0.17%、女性は全体の約0.007%にまで減ります。男女ともに、限られたひと握りの層であるといえるでしょう。
ただし、夫婦ともに厚生年金を受け取るケースであれば、世帯の年金収入が「月25万円以上」を超えることは珍しくないかもしれませんね。
老後の生活に必要となる金額には、家族構成、健康状態、住まいの形態といったさまざまな背景によって個人差が生じます。よって、「老後はいくら必要だ」とひとことで言い切ることはできません。
とはいえ、公的年金だけで老後の生活費をすべてまかなうことができる世帯は、限られたほんの一握りであると考えてよさそうです。
「老後のお金」を考える
老後に受け取る厚生年金の金額は、現役時代の収入や働き方が反映されます。
働き方の選択肢がひろがるいま、転職、独立や起業による収入減は、だれにでも起こり得ることです。
また、たとえ60歳までずっと厚生年金に加入していた場合でも、年齢とともに確実に収入が上がっていくとは限らないでしょう。(加えて、企業の退職金事情も年々厳しいものとなっています。)
公的年金だけを頼りにする老後はかなり心許ない、と感じる方が多数派かもしれませんね。
2000万円、ないしはそれ以上必要であるとされる老後資金は、多くの世帯にとって、一朝一夕で準備できるものではないでしょう。そこで大切にしたいのが、若いころからの資産形成に対する意識です。
コツコツと時間をかけてお金を積み立てていくことは、老後の不安を解消する一つの手立てであることは確かであるといえそうです。
お持ちの資金を、預貯金・保険、そして資産運用にバランスよく振り分けていくことは、効率よくお金を育てていくためのファーストステップと言えそうです。