インテリックス、コロナ禍も大幅に利益伸長 従来の枠組みに囚われない、より豊かな社会実現を目指す

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2021年7月15日に行われた、株式会社インテリックス2021年5月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社インテリックス 代表取締役社長 俊成誠司 氏

1-1 連結業績ハイライト

俊成誠司氏(以下、俊成):昨年8月に社長に就任いたしましたインテリックスの俊成でございます。今回より決算説明をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

さっそくではございますが、2021年5月期決算についてご説明します。第1部から第4部までご説明し、第5部については参考資料として、セグメント情報や物件の販売・仕入の状況、各事業部の取り組みなどをまとめていますので、後ほどご覧ください。

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まず初めに、2021年5月期の決算概要からご説明します。スライド3ページをご覧ください。

2021年5月期の業績については、コロナ禍を主とした外部環境や生活様式の変化が当社各事業にどのように影響してきたかを、慎重に精査・判断してきました。その結果、4月8日に発表した業績予想に対し、売上高・利益ともにほぼ予想どおりの着地となりました。

売上高は、前期と比較して8.5パーセントの増加となりました。主な要因としては、リノヴェックスマンションの販売が好調で、販売件数が伸びたことによります。結果、当事業の売上高は、前期に比べ2.3パーセントの増加となりました。

その他不動産事業においては、アセット事業の六本木の物件売却、リースバック物件を対象とするSPCへの信託受益権の譲渡、さらに不動産小口化商品「アセットシェアリング三軒茶屋」が完売したこと等により、前期に比べ35.4パーセントの増加となりました。

また、利益面では、リノヴェックスマンション販売の粗利益率が向上しました。一方で、新型コロナウイルスの影響によりホテル等宿泊施設の稼働率の低迷が続いており、利益を押し下げる要因となりましたが、その他不動産事業の利益で十分カバーすることができました。結果、各利益は前期を大きく上回ることとなりました。

貸借対照表の概況については、後ほどご説明します。

1-2 四半期連結損益の概況

スライドに四半期ごとの損益および粗利益率の推移をまとめています。下の表に記載のとおり、直近のリノヴェックスマンション販売の粗利益率は、大幅な上昇となっています。

1-3 連結貸借対照表の概況

貸借対照表の概況についてご説明します。リノヴェックスマンションおよびその他不動産の物件売却により、たな卸資産は前期に比べ40.5パーセントの減少となりました。一方で、固定資産は、ホテル「モンタン博多」の取得や「LANDABOUT」のたな卸資産からの振替により、前期に比べ53.2パーセント増加しました。

当期は、コロナ禍の影響に耐えるべく、財務体質の強化に努めてきました。結果、自己資本比率は、前期末比で4.4ポイント増の31.9パーセントに上昇しました。

2-1 連結業績予想の概要

2022年5月期の業績予想についてご説明します。スライド7ページをご覧ください。前期に比べ増収減益を見込んでいます。

売上高は、リノヴェックスマンションの販売件数はほぼ前期並みを見込んでおり、その他不動産の積極的な物件販売により、増収を予想しています。一方、利益については、前期の六本木の物件売却による利益の反動減により、減益を予想しています。

今期の販管費は52億6,900万円で、前期に比べ5億円弱の増加を見込んでいます。その主な内訳について、社員46名の増員を見込み、人件費が1.4億円の増加を想定していること、新商品開発など成長分野への投資を含めて、一般管理費が2.8億円の増加を計画していることによります。

2-2 連結業績(売上高)予想の内訳

セグメント別の売上構成です。リノヴェックスマンション販売については、前期に続いて好調な販売が見込まれる一方、仕入の激化が予想されます。現在の在庫水準を踏まえ、上期に積極的な仕入を実施することで、当期はほぼ前期水準の販売件数1,400件、売上312億円を計画しています。

また、その他不動産事業においては、リースバック物件の不動産信託受益権の譲渡や、一棟もの・戸建等の売却により、90億円の売上を見込んでいます。リノベーション内装事業は法人や個人からの受注が増加しており、15億円の売上を計画しています。

2-3 配当予想

配当予想についてご説明します。2021年5月期の期末配当は、予想どおり24円で決議し、年間配当は35円となりました。その結果、連結の配当性向は26.5パーセントとなっています。2022年5月期については業績が減益予想となっているため、業績連動型の配当方針に基づき、第2四半期・期末それぞれ13円の、年間配当26円の予想です。それに伴い、配当性向は32.3パーセントとなる見込みです。

3-1 中古マンション市場が新築市場を上回る

第3部では、中古マンション市場の動向をご説明します。スライド11ページをご覧ください。当社は創業からこれまで26年にわたり、住宅購入を検討するお客さまに、経済的かつ安心・安全に購入できる中古住宅をご提供すべく、リノベーションを施した物件取引の仕組みを作ることに尽力してきました。リノベーション事業を立ち上げた当時から比べると、市場は大きく変化しており、首都圏における中古マンションの成約件数は、新築の供給戸数を5年連続で上回る状況となっています。今後もこの流れは、さらに加速していくと思われます。

3-2 中古マンション市場の動向(実数推移)

首都圏における年間成約件数です。スライドのグラフにあるとおり、オレンジのラインが2020年の月間成約件数となっています。初の緊急事態宣言が発出された4月・5月は、成約件数に大きな影響が出ましたが、6月以降はその反動から、大きく件数を戻しました。

また、濃いブルーのラインが示すとおり、2021年に入っても住宅購入意欲は衰えていません。コロナ禍により売り物件が少なくなっている一方で、比較的景気のよい業種とそうでない業種との二極化がさらに進んでおり、余暇消費の減少や金余りの状況が住宅購入へと向けられることもあって、その需要は堅調に推移するものと思われます。

テレワークによって、仕事・時間・場所の自由化がさらに進み、生活様式や価値観の変化が、住宅購入の理由に影響を与えていると考えられています。今まで以上に住宅の重要性が増したことにより、「家は資産というより過ごす場所」という観点から、価値を測るものに変化していくと思われます。

3-3 中古マンション市場の動向(成約価格)

一方で、足元の中古マンション市場について特筆すべきことは、価格の上昇です。スライド上のグラフは、首都圏の中古マンションの平米あたりの成約単価を、2005年1月起点で指数化しています。足元の価格は、アベノミクスが始まった2012年11月に比べ、実に1.5倍まで上昇しています。さらに、都心3区においては1.9倍と、ほぼ倍近い価格になっています。

3-4 中古マンション市場の動向(前年比)

こちらのグラフは、東日本レインズから公表されているデータをもとに、首都圏における中古マンションの成約登録件数と在庫登録件数を、前年と対比させています。このデータから、成約件数を表すブルーのラインが示す購入意欲に対し、グレーのラインが示す売却意思がある方の在庫登録件数が増えておらず、それにより価格が高騰していることがわかります。

中古マンション市場においては、仕入価格の上昇により、仕入競争が激化しています。当社としては、店舗の拡充や人員増強をはじめとする営業体制の強化をしていくことで、物件情報件数を増やしていきたいと考えています。また、一方で、当社独自の商品開発を推進することにより、他社物件との差別化を図りたいと考えています。

4-1 インテリックスグループの理念体系

第4部では2022年5月期の重点施策をご説明しますが、その前にスライド16ページをご覧ください。この度、インテリックスの「MISSION」「VISION」「VALUE」を策定しました。「MISSION」を「人と社会と新しい価値をつなぎ、幸せをつくる」、「VISION」を「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」、「VALUE」すなわち行動指針である「Inte11ex Mind」は第5部の44ページに記載しています。

リノベーションの概念について「マンションという空間だけに限らず、既存の枠組みの考えを超えて新しいものを生み出す」という意味に再定義しています。コロナ禍において、今一度、組織としてこれまでのインテリックスが一貫して続けてきたことや、これから目指すべきことを社員と共に議論し、明文化しました。社員一丸となり、社会にとって必要な企業としての自覚を持ち、その役割を果たしていきます。

4-2 当社グループの事業方針

当社グループの事業方針について、大きく2つの事業分野に分けてご説明します。まず、リノベーション事業分野の圧倒的な差別化を図ります。仕入強化だけではなく、当社オリジナルの省エネリノベーション「ECOCUBE」を広げていきます。また、ソリューション事業分野の拡大により、ストック収益とフロー収益の安定化を図ります。

これら事業現場を支えるコーポレート部門は、現場力とデータ分析を融合した経営を進めていきます。具体的には、月2,000件以上の査定依頼を受けた物件情報の分析により、需要の高いエリアや最適な内装仕様を見える化し、仕入営業に必要なIT支援を行います。

また、今後の商品開発やソリューション事業分野の拡大を支える財務戦略により、事業と資産の両ポートフォリオの最適化を図っていきます。

4-3 リノベーション市場の長期的展望

先ほどご説明したとおり、首都圏マンションにおいては、すでに新築の供給戸数を中古の成約戸数が上回っています。さらに2020年時点のデータによると、全国の分譲マンションのストック数は約675万戸あり、その3割強の約231万戸が築30年以上の物件となっています。20年後の2040年には、築30年以上のマンションは2.5倍の578万戸を超える規模にまで拡大します。

カーボンニュートラルの実現に向け、我が国は2030年度のCO2排出量の削減目標を、2013年度比で26パーセントから46パーセントに引き上げました。日本のCO2排出量の15パーセントを占める家庭部門においても、排出量削減の当初目標から引き上げることが必須です。

しかし、新築住宅に比べて既存住宅の省エネ化は進んでいません。今後は、築年数の経過した住宅ストックに対し、リノベーションと省エネの両方が求められるようになると確信しています。

4-4 省エネリノベーションECOCUBE(エコキューブ)①

当社では、リノベーションと省エネ化の双方を高水準で実現すべく、「省エネリノベーション」に本格的に取り組んでいきます。当社の「省エネリノベーション」の取り組みである「ECOCUBE」についてご紹介します。まずは動画をご覧ください。

ご覧いただき、ありがとうございました。

4-5 省エネリノベーションECOCUBE(エコキューブ)②

「ECOCUBE」がもたらすメリットについては、こちらのスライドにまとめています。

4-6 省エネリノベーションECOCUBE(エコキューブ)③

当社は、「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」というVISIONを掲げ、事業に取り組んでいますが、既存住宅のリノベーションにおいても省エネルギー化を推進していくことを使命と捉え、今回の「ECOCUBE」のリリースに至りました。

「ECOCUBE」については、今期は200件の販売を予定しています。また、こちらの事業はSDGsのゴールに貢献していけるものと考えています。

すべての人にリノベーションで豊かな生活を

インテリックスは、これまで中古マンションのリノベーションを事業の主軸として成長してきました。時代が大きく変化する中、一事業会社が社会に求められる役割も変化しつつあります。

当社も従来の枠組みに囚われず、リノベーションを再定義し、これまでの技術や知恵を活かし、より豊かな社会を実現できるサービスを提供していきます。

私からの説明は以上です。最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答:リノヴェックスマンションとリースバック物件の仕入環境の変化について

司会者:「リノヴェックスマンションおよびリースバック物件の仕入環境に変化はありますか?」というご質問です。

俊成:中古マンション市場のリノヴェックスマンションからご説明します。プレゼン資料にも記載のとおり、今、物件の価格がかなり高騰しています。これは全国的な傾向で、特に首都圏に関しては、仕入の価格自体がかなり上がってきています。そのような意味では、仕入の環境はかなり激化しています。ただし、弊社はその中でも仕入の物件の中身を精査して、着実に買っていこうと思っています。

リースバックの仕入環境についてですが、コロナ禍の状況でかなり二極化が進んでいます。やはり資金がどうしても必要な方、介護施設に移りたい方などもいらしゃったり、リースバックへのニーズはどんどん高まっている状況です。そのような意味で、リースバックに関してはマーケティングもどんどん強化していますし、仕入物件は着実に増やしていけるのではないかと思っています。

質疑応答:リノヴェックスマンションの首都圏での販売計画について

司会者:「今期は『リノヴェックスマンションの首都圏販売シェアを奪還』とのことですが、販売件数1,400件において、首都圏の割合はどの程度を目標としますか?」というご質問です。

俊成:今期の販売計画は1,400件となっていますが、首都圏で611件、地方都市で789件を予定しています。首都圏は前期の実績が642件ですので、少し減っています。ただし、先ほどお話ししたとおり、首都圏の仕入状況はかなり厳しくなっています。

その中で弊社は昨年、東京日本橋店を開設して、うまく軌道に乗り始めているところですし、6月にはさいたま大宮準備室を置き、こちらも店舗開設していく予定です。そのような意味では、件数自体は少し減っていますが、これだけ厳しい仕入環境の中ですので、仕入のシェア自体は増えているという認識です。

質疑応答:ホテル事業の展望について

司会者:「ホテル事業について、今後どのような展望を持っていますか?」というご質問です。

俊成:ホテル事業は今、このコロナ禍でかなり厳しい稼働になっています。新型コロナウイルスがワクチン接種の効果を含めて落ち着くのを待つという部分はありますが、弊社としては、稼働率は2022年5月期末で約50パーセントに回復し、来期(2023年5月期)の末には80パーセントに回復すると見込んでいます。

その中で今できることとして、いろいろな企画をホテル側と一緒に練っています。そのようなものを実現させ、まずは国内の旅行者に来ていただき、インバウンドの需要が戻ってくれば、それをプラスアルファで考えるという戦略を組み立てています。

質疑応答:「ECOCUBE」の今年度の業績への効果について

司会者:「『ECOCUBE』による、今年度の業績への効果はいかがでしょうか?」というご質問です。

俊成:「ECOCUBE」に関しては、実は今年度の業績は想定していません。プラスアルファとして考えています。ただし、今年度は「ECOCUBE」に大々的に取り組んでいこうと思っており、啓蒙にあたって3つのポイントがあります。

1つ目は「省エネの見える化」を進めていこうと思っています。「ECOCUBE」はすべての物件に、必ず燃費計算を実施していきます。あくまでもまだシミュレーションというかたちではありますが、「今までどうしても見えなかった、省エネリノベーションがもたらすメリットが見えてくる」ということを広げていきたいと思っています。

2つ目は「低コスト化」です。やはりモノを作る上で大事なことですが、弊社としてもどれだけコストを下げたリノベーションができるかを追求しているため、このようなところも今回、目玉にしたいと思っています。

3つ目は「体感してもらう」ことです。今、もう実際に「ECOCUBE」仕様で物件を作っています。そのため、実際に来ていただいて、特にこの夏場の暑い中の内覧で「入っても暑いなあ」というのではなく、「ECOCUBEの物件に入るとぜんぜん違う!」ということを実際に体感していただき、フィードバックをいただきながら、商品開発につなげていきたいと思っています。

質疑応答:「ECOCUBE」の性能や効果について

司会者:続いて、「『ECOCUBE』の性能や効果は?」というご質問です。

俊成:実際に販売や内装対応した物件に関してお話しします。「ECOCUBE」は先ほどお伝えしたように、物件ごとに温熱計算を行っており、その物件に合ったリノベーションを実施しています。横浜市の70平米弱のマンションの物件を例にあげると、リノベーションの前後で冷暖房費が約74パーセントダウンする結果となっています。

ポイントは気密性と断熱性です。これらを高めた上で、「24時間換気」という高性能な換気によって、エアコン1台だけでも冷暖房が機能し、かなりのコストダウンが図れます。74パーセントダウンというのは大きい数字で、あくまでもシミュレーションですが、年間約10万円の冷暖房費が削減できるところに至っています。

質疑応答:仕入および販売価格の上昇について

司会者:「仕入が厳しい中、店舗や人員強化で積極化するとのことですが、価格転嫁を前提に仕入の価格目線を上げることは可能ですか? 前期にあった六本木のような案件は来期以降ありますか? また、仕入可能な環境ですか?」というご質問です。

俊成:まさに販売価格への転嫁を見越して、今後の社会にとって必要となる「ECOCUBE」の商品開発をしています。原価低減を行いつつ、仕入価格上昇の体制を作り、それに伴い販売価格もきちんと上げられるような仕組みを構築しているところです。

「六本木のような案件」に関して、現在、そのような大型物件はない状況です。ただ、事業部で、大型とは言えませんが中型の物件はすでに仕入を始めています。そのようなものの積み重ねで売上を作っていくことに加え、大きなところではリースバックや、そのためのSPCの組成も行い、売上を作っていこうと考えています。

質疑応答:リノヴェックスマンションの粗利益率の見通しについて

司会者:「リノヴェックスマンションの今期の粗利益率の見通しについて教えてください。また、仕入は厳しいので粗利は低下を予想していますか?」というご質問です。

俊成:粗利益率に関しては、スライドにもありますが、前期の四半期はかなり粗利益率が高く、前期を平均するとだいたい14.2パーセントでした。今期に関しても14パーセントと、通常よりはかなり高い粗利益率で設定しています。現在の販売状況や粗利益率の状況を見ていくと、齟齬はないだろうと考えています。

質疑応答:コスト上昇がもたらす利益への影響について

司会者:「『ウッドショック』などの話題がありますが、全般的なコスト上昇のインパクトの利益への影響はどのように見ればよいですか?」というご質問です。

俊成:よく新聞などで言われていますが、「ウッドショック」の影響がかなり出ているところは、新築分譲マンションのほか、新築戸建てで引き渡しが若干伸びているという報告を受けています。

一方で、弊社のリノヴェックスマンションに関しては、「ウッドショック」の影響は今のところ軽微です。一時的に上昇するものという予想ですが、今は安定しているため、コストへのインパクトはほとんどない認識です。

司会者:たくさんのご質問ありがとうございました。社長からお伝えすることがあればお願いします。

俊成:今期は初めてWeb上で決算説明会を実施しましたことについて、非常に申し訳なく思っています。インテリックスでは初めて「MISSION」「VISION」「VALUE」というものを策定させていただき、社会が求める会社となれるよう、走り続けていこうと思っています。

特にこれからは「ECOCUBE」のような、環境にも経済的にも優しい商品が求められてくると思います。そのようなところに弊社は力を入れて進んでまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

記事提供:ログミーファイナンス

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