2021年5月12日に行われた、株式会社クラレ2021年12月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社クラレ 取締役・常務執行役員 経営企画室担当、CSR本部担当、管理部門担当 兼 経営企画室長 多賀敬治 氏
2021年度1Q実績
多賀敬治氏:みなさん、こんにちは。クラレの多賀でございます。本日は、お忙しいところ当社のコンファレンスコールにご参加いただきまして、ありがとうございます。
それでは、2021年度第1四半期の決算説明を始めさせていただきます。資料の2ページ目をご覧ください。2021年度第1四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済停滞からの回復が見られ、販売が拡大しました。
第1四半期の業績は、スライドにお示ししているとおり、売上高は前年同期と比べて5.5パーセント増の1,444億円、営業利益は40.2パーセント増の168億円、経常利益は43.9パーセント増の163億円、純利益は21.2パーセント減の53億円となりました。
純利益が減少したのは、米国火災事故に関する訴訟関連損失31億円や、本年2月に米国を襲った寒波の影響による災害損失の30億円などを、特別損失として計上したことによるものです。
ビニルアセテートセグメントの概要
3ページ目をご覧ください。ここからは、セグメント別に事業の状況を説明いたします。最初は、ビニルアセテートセグメントです。当セグメントは、前年対比で増収増益となりました。各事業の販売の状況は、本ページの右上に記載したコメントをご覧いただきたいと思います。
営業利益は、前年比50億円増加しました。その要因は、次のとおりです。数量差は、全事業において増販となったことにより、67億円の増益要因となりました。売値・構成が減益となっているのは、銘柄構成によるものです。原燃料・為替は、主に米国寒波による原燃料価格高騰の影響を受け、12億円の減益要因となりました。その他は、物流費が増加したことなどにより、2億円の減益要因となりました。以上のことから、第1四半期は前年同期比増収増益となりました。
イソプレンセグメントの概要
次に、4ページ目をご覧ください。イソプレンセグメントですが、第1四半期は前年対比で増収微減益となりました。各事業の販売の状況は、本ページに記載したコメントをご覧ください。
営業利益は、1億円の減益となりました。数量差は、販売量の増加により7億円の増益要因となりました。売値・構成は、銘柄構成により2億円の減益要因となりました。原燃料・為替は、原燃料価格の上昇により3億円の減益要因となりました。その他は、主に物流費が増加したことで3億円の減益要因となりました。
機能材料セグメントの概要
5ページ目をお願いします。機能材料セグメントの第1四半期は、前年同期比で減収減益となりました。各事業の販売の状況は、右上に記載したコメントのとおりです。
営業利益は、2億円の減益となりました。数量差は、メディカルの販売増などにより1億円の増益要因となりました。原燃料・為替は、原燃料価格の上昇が影響し、3億円の減益要因となりました。その他は、のれんの償却費が減少したものの、物流費が上昇し、全体としては影響がありませんでした。
繊維セグメントの概要
6ページ目をご覧ください。繊維セグメントですが、第1四半期は前年同期比で減収減益となりました。各事業の販売の状況は、記載のコメントをご覧ください。
営業利益は、5億円の減益となりました。数量差は、「クラリーノ」の販売が増加したものの、他事業で減少し、1億円の減益要因となりました。売値・構成は、銘柄構成の変化により2億円の減益要因となりました。原燃料・為替は、各事業において原燃料価格上昇の影響を受け、1億円の減益要因となりました。その他は、物流費等が上昇し、1億円の減益要因となりました。
セグメント別 売上高・営業利益
7ページ目をご覧ください。このスライドは、各セグメントの売上高および営業利益の第1四半期実績を、前年同期との比較で示しています。参考までにご覧ください。
2021年度1Q営業利益増減分析
次に、8ページ目をお願いします。このスライドでは、営業利益の増減要因の全社のまとめを示しています。参考までにご覧ください。
貸借対照表①(資産の部)
次に、9ページ目をお願いします。このスライドでは、貸借対照表の資産の部を昨年末と比較して示しています。流動資産は、売上高の増加によって売上債権が約50億円増加しましたが、コマーシャルペーパーの償還などに伴い、現金および預金が約300億円減少したため、トータルでは230億円減少しました。
固定資産は、201億円の増加となりました。これは、円安により海外子会社の固定資産やのれん等の評価額が上がったことによるものです。
貸借対照表②(負債と純資産の部)
10ページ目をご覧ください。このスライドでは、貸借対照表の負債・純資産の部をお示ししております。流動負債は、272億円の減少となりました。コマーシャルペーパーの償還や、米国子会社における火災事故の訴訟が進展し和解金を支払ったことなどが、主な要因となります。
純資産は、為替換算調整勘定の増加などにより、トータルでは228億円の増加となりました。その結果、自己資本比率は、2020年度末から2.2パーセント上昇し、49.6パーセントとなりました。
2021年度業績予想(期初予想との比較)
11ページ目をご覧ください。このスライドでは、今回修正した2021年度の業績予想を、期初予想との対比で示しております。第1四半期においては、ディスプレイや電気・電子デバイスなどの需要が引き続き好調なことに加え、自動車向けの需要が回復してきたことで、多くの事業で販売量が増えました。この傾向は、第2四半期においても続くことが予想され、上期業績予想を修正しております。
冒頭に述べましたとおり、第1四半期において、米国訴訟関連損失31億円と、米国寒波による災害損失30億円を、それぞれ特別損失に計上しておりますが、当期純利益の予想は変更しておりません。なお、通期の業績予想に関しては、現時点では修正しておりません。
【参考】 2021年度業績予想(前年実績との比較)
12ページ目をご覧ください。このスライドでは、今回修正した2021年業績予想と2020年実績を比較しています。参考までにご覧ください。
【参考】セグメント別売上高・営業利益予想の期初予想比較(上期)
次に、13ページ目をお願いします。こちらも参考として、修正後の21年度上期の業績予想におけるセグメント別の売上高と営業利益を、期初予想と比較しております。
【参考】セグメント別 売上高・営業利益予想の前年比較(上期)
次に、14ページ目をご覧ください。参考として、修正後の2021年度上期の業績予想におけるセグメント別の売上高と営業利益を、前年度と比較しております。以上で説明を終わります。ありがとうございました。