2021年5月11日に行われた、日産自動車株式会社2021年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:日産自動車株式会社 取締役 代表執行役社長兼最高経営責任者 内田誠 氏
日産自動車株式会社 取締役 最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサー アシュワニ・グプタ 氏
2021年3月期決算説明会
内田誠氏(以下、内田):本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。初めに、新型コロナウイルス感染症に対し、第一線で引き続きご尽力いただいている医療従事者のみなさまに、この場をお借りして感謝を申し上げます。
日産は引き続き、お客さまや従業員とその家族、ならびに販売会社、サプライヤーなど、すべてのステークホルダーのみなさまの安全を最優先にして、感染予防策をしっかり取った上で事業運営を行ってまいります。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症に加え、世界的な環境意識の高まり、政治、経済の動きなど、事業環境が大きく変化した1年となりました。そのような中、日産は、昨年5月に発表した事業構造改革、「NISSAN NEXT」を着実に実行してきました。
第3四半期決算の際にもお話ししたとおり、取り組みの成果は着実に結果として表れています。これはすべて、厳しい環境においても日々ベストを尽くしてくれた従業員と、共に困難に立ち向かっていただいているビジネスパートナーのみなさまのご協力のおかげです。本当にありがとうございます。
それでは、まずCEOのアシュワニ・グプタから、2020年度通期の結果をご説明し、そのあと私から2021年度の見通しについてご説明します。
アシュワニ・グプタ氏:みなさま、こんにちは。2020年度は日産の回復力と粘り強さが試された、会社が進化する1年でした。先行きが不透明な中、当社は着実に進歩を遂げてきました。これもひとえに、事業改革を目指す従業員のたゆまぬ努力と、ご協力いただいているパートナーのみなさまのご尽力のおかげです。
2020年度 販売実績
2020年度通期の実績、および「NISSAN NEXT」の進捗状況についてご説明します。スライド左のグラフに記載のように、2020年度の当社のグローバル小売台数は、405万2,000台となり、通期予測を0.9パーセント上回りました。また、2020年度は、四半期ごとに新たな生活様式に対応するとともに、増加するお客さまのニーズにお応えしてきました。
さらに、第4四半期には、全体需要の伸びを上回る拡販を実現し、業績回復に向けた取り組みの重要性を示しています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体の供給不足を含むサプライチェーンの制約などの数々の逆風にもかかわらず、第4四半期は市場が2パーセント伸びる中、当社の販売台数は18パーセント増加しました。
販売増をけん引したのは、現行車に加え、アメリカの新型「ローグ」、国内の新型「ノート」、インドの新型「マグナイト」をはじめとする新型車です。現行車については、欧州の「ジューク」や中国の「シルフィ」などがセグメントシェアを伸ばしています。
NISSAN NEXTの総括
昨年、当社は4ヶ年の事業構造改革計画、「NISSAN NEXT」の取り組みを開始しました。「NISSAN NEXT」を支える3本柱は次のとおりです。第1に最適化ということで、会社の販売力を踏まえ、当初の720万台の規模から、年間540万台の門構えに合わせた固定費の削減です。
第2に、選択と集中です。コア市場、コア商品、およびコア技術に集中し、台数から価値へとシフトする取り組みによる販売の質の改善を行います。
第3に、将来への投資です。新型車、および新技術の仕込みを行い、「NISSAN NEXT」、そしてそれ以降の成長を推進することです。2020年度は年間を通じ、着実に前進しており、直近の業績回復と、将来に向けた土台作りのバランスを取りながら活動を進めています。
最適化
それぞれの柱についてご説明します。まずは、最適化に向けた取り組みですが、2020年度は、日産は事業のあらゆる面において固定費を削減するべく、重点活動を実施し、固定費を大幅に改善しました。
生産能力の最適化として、2つの工場を閉鎖することを決定し、生産体制を3直から2直に勤務パターンを変更、コストを7パーセント削減しました。お客さまの価値を優先し、2023年度末までに商品ラインナップを69車種から55車種にスリム化することを決定しました。
2020年度は計画どおり進捗し、商品関連コストを5パーセント改善しました。販売マーケティングも大きな進歩を遂げており、コストを27パーセント抑えました。予算を戦略的に配分し、より効果的なマーケティング、スポンサー活動、およびモーターショーの組み合わせに重点を置いています。
デジタル販売プロセスの強化も進めており、デジタルをきっかけとした販売台数は全体の12パーセントに達しました。一般管理費の最適化に向け、抜本的な対策を実施し、地域体制を7つから米州、日本/ASEAN、AMIEO、中国の4つの地域体制に変更しました。
それに加えて、資産や設備の最適化を通して、2020年度は一般管理費を11パーセント削減しました。以上の取り組みにより、3,500億円を超える固定費削減を果たし、2018年度から3,000億円を削減するという目標を達成しています。
本活動により、損益分岐点となる販売数量の12パーセント引き下げができました。2018年度の損益分岐点は約500万台でしたが、現在は、約440万台で利益を確保することが可能です。これにより、価値を向上させ、利益ある成長を実現する戦略をさらに推し進めることができます。
選択と集中:販売の質①
日産の強みを活かす選択と集中についてご説明します。2020年度は、販売の質を各市場で大幅に改善しました。これらの取り組みは、長期的な利益ある成長を左右する重要な要素です。販売の質の改善を表す大きな2つの指標をご覧ください。
1つ目は、台当たりのレベニューレートです。2020年度の当社の台当たりのレベニューレートは四半期ごとに着実に伸びており、商品の持つ価値に見合った値付け、バリュープライシングと、お客さまに見合った魅力的な新型車、技術をご提案する取り組みが功を奏しています。
2つ目は、販売の改革に合わせて従来の押し込み型のプッシュから、プルの戦略に転換したことです。これにより在庫の最適化が進み、販売の質向上につながっただけではなく、何よりも営業活動によるフリー・キャッシュ・フローの向上に寄与しています。
3つ目は、コア市場の選択と集中です。それぞれのコア市場で、販売の質を最優先に、価値を中心とするご提案をお客さまに行っています。
選択と集中:販売の質②
アメリカでは、事業構造改革の指標はすべて正しい方向に向かっています。台当たりの販売価格を3.8パーセント改善すると同時に、インセンティブを4.6パーセント削減しました。さらに、米国自動車販売会社協会の調査によると、日産に対するディーラーの満足度も向上しています。
新型「ローグ」は大変ご好評をいただいており、7.4パーセントのセグメントシェアを達成し、その結果、第4四半期のアメリカの市場占有率は5.8パーセント伸びました。同様に、国内でも好調な「キックス e-POWER」「ルークス」に加え、新型「ノート e-POWER」の投入でセグメントシェアを伸ばし、国内の市場占有率は11.4パーセントに達し、台当たりの販売価格も改善しました。
技術の日産としてのブランド力は、おかげさまでホームマーケットである国内で評価され、これまで50万台を超えるe-POWER搭載車両を販売してきました。2020年度末現在、先進運転支援技術を搭載した車両は当社の販売の5割を占め、「車に任せたドライビング」または「自分で運転する」という選択をお客さまに提案しています。
選択と集中:販売の質③
中国では、現行車にかけるインセンティブを抑制すると同時に、市場占有率を伸ばした結果、過去最高のシェアを維持しています。このような取り組みにより、市場全体の実売価格は下落傾向にある中、当社は台当たり収益への影響を最小限に抑えています。
今後は、新型「エクストレイル」と「シルフィe-POWER」をはじめとするしっかりとしたラインナップで、台当たりの販売価格の改善を目指し、コア技術を活かしながら、テクノロジーに精通した中国のお客さまのご期待にお応えしていきます。
欧州では、この1年間のぶれない取り組みが功を奏しています。生産能力を最適化し、EVバンやE-TECH等のプロジェクトのアライアンスのリソースを活用することで、34パーセントに上る固定費の大幅削減を実現しました。以上の取り組みは、台当たりの販売価格の改善にもつながっています。
さらに、日産独自のe-POWERを「キャシュカイ」「エクストレイル」などのクロスオーバーに搭載し、電動化をさらに促進していきます。新車構成も業績に寄与し、「ジューク」は販売台数を伸ばすと同時に、台当たりの販売価格も改善しています。コア商品である新型「キャシュカイ」のガソリン車、およびe-POWERの発売を控え、この期に台当たりの販売価格をさらに欧州で伸ばしていきます。
将来への投資
お客さまこそが日産の商品と技術戦略の中心です。お客さまのニーズとご期待にお応えするA to Zのご提案では、向こう18ヶ月間で12車種に上る新型車を投入することをお約束しています。このお約束どおり、商品投入計画を進めており、これまで11車種の新型車を発売ないし発表してきました。これら新型車で、「NISSAN NEXT」の期間中、そしてそれ以降の成長を実現していきます。
日産は複数の革新技術への投資を進めていますが、代表例を3つご紹介します。1つ目は、e-4ORCEです。電動で4輪を制御するe-4ORCEは、さまざまな路面状況でも安心してドライブを楽しめる、100パーセント電動モーターの思いのままの走りをご提供します。
2つ目は、ナビリング機能付プロパイロットです。人を中心とした当社の最新運転支援装備で、制限速度や急なカーブを含む路面状況に応じて、設定速度の切り替えや減速等のドライバー支援を行います。
3つ目は、プロパイロットリモートパーキングです。車外からのインテリジェントキー操作で駐車場の車を出し入れすることができる技術で、マークのない駐車場でも出し入れが可能です。
2020年度:主要財務指標の推移
2020年度における財務実績の四半期ごとの内訳です。厳しい市況の中、当社は「NISSAN NEXT」のもと、販売の質向上とコスト基盤の強化に向けた取り組みを続けています。
2021年度第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、年度通期の営業損失は、中国事業持分法ベースで1,507億円、中国事業比例連結ベースで286億円となりました。一方、2021年度第2四半期以降の9ヶ月間の営業利益は、中国事業持分法ベースで33億円、中国事業比例連結ベースで1,074億円となりました。
同様に、第2四半期から第4四半期までの自動車事業のフリー・キャッシュ・フローは、持分法ベースで4,247億円、比例連結ベースで5,382億円のそれぞれプラスとなりました。
財務実績①
2020年度通期の連結売上高は7.9兆円、連結営業損失は1,507億円、当期純損失は4,487億円となりました。売上高と営業利益は、特に第1四半期の新型コロナウイルス感染症の影響による販売台数の減少により、前年から悪化しました。
2020年度第4四半期の営業損失は190億円となり、前年から758億円改善しました。第4四半期の当期純損失は810億円となりました。
財務実績②
前年度に対する第4四半期の営業利益の増減分析です。為替変動は、主に米ドル安の影響を受け、152億円の減益要因となり、台数・構成・部品販売、およびその他項目は販売台数増による270億円の増益要因となりました。
特に改善が著しいのは、プライシングと販売費用で、734億円の増益要因となりました。アメリカにおける販売の質改善を中心とする取り組みが増益の半分以上を占めています。モノづくり、固定費、およびその他項目は94億円の減益要因となりました。
規制対応コスト、商品性向上コスト、原材料価格、生産コスト、およびその他費用の上昇によるマイナスを、購買コストの削減が一部打ち消しました。
財務実績③
2月に、営業損失の通期予測を2,050億円に上方修正しました。この予測に対し、実績は543億円改善し、営業損失は1,507億円となりました。販売パフォーマンスによる300億円の増益は、主に商品の価値に見合った値付けであるバリュープライシングの効果に加え、販売金融事業は200億円、その他項目は43億円と、それぞれ増益要因となりました。
流動性の状況
当社は引き続き、高い流動性を確保しており、2021年3月末現在の現金および現金同等物は約1.9兆円、自動車事業のネットキャッシュは6,360億円となりました。また、約2.2兆円の未使用のコミットメントラインも維持しています。
総括すると、2020年度は、第1に、逆風の中で最適化と販売の質向上を中心とする事業構造改革の加速化を通じ、赤字を圧縮すると同時に、新型車、新技術への継続的な投資を進めてきました。
第2に、第2四半期、第3四半期、第4四半期は、中国事業持分法ベースでも、営業利益とプラスのフリー・キャッシュ・フローを達成し、事業の効率化、および効果が向上していることを物語っています。
第3に、今後は改善した損益分岐点販売数量440万台をテコに、「NISSAN NEXT」のもと、540万台に向けて利益ある成長を目指します。日産の強み、これまでの成果、そして教訓を活かし、残る課題に慎重に対処しつつ、2021年度も取り組んでいきます。
次に、内田から2021年度通期見通しについてご説明します。
2021年度 販売台数見通し
内田:2021年度の自動車市場は、半導体供給不足の影響を受け、不透明な状況が続くと見ており、当社も例外ではなく、第1四半期を中心に影響を受けると見込んでいます。現時点において、年間の販売台数を正確に見通すことは厳しい状況であるものの、当社のグローバル販売台数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだ2020年度から8.6パーセント増加し、440万台と予想しています。
2021年度 業績見通し①
グローバル販売台数440万台の想定に基づく業績見通しでは、売上高は9兆1,000億円、営業利益はプラスマイナス「0」、当期純損失は600億円と見込んでいます。
厳しい状況が続きますが、研究開発費や設備投資といった将来に向けての投資は、引き続き積極的に行っていきます。
2021年度 業績見通し②
営業利益の対前年度実績からの増減要因はスライドのとおりです。為替と規制対応、および商品性向上のコストといった外部要因が、営業利益を約1,000億円押し下げる要因になると見込んでいます。
販売やモノづくりのパフォーマンス改善は約5,500億円と、大きな増益要因になる見通しです。一方で、新車投入にかかるコストは増加し、約1,500億円の減益要因になると予想していますが、これは「NISSAN NEXT」達成と、その先の成長に向けて必要な投資であると考えています。
今年度は、半導体供給不足や原材料価格の高騰といった大きなビジネスリスクに直面しています。しかしそれがなければ、「NISSAN NEXT」で掲げた目標どおり、今年度の中国合弁会社比例連結ベースの営業利益率は2パーセントを上回ることができる見通しです。
これらのビジネスリスクの影響を最小限に抑えるべく取り組んでいますが、現時点では、リスクを織り込んだ営業利益の見通しをプラスマイナス「0」としています。半導体供給不足の影響や、収益の影響を抑える方策については、引き続き精査し、必要に応じて、第1四半期決算発表の時にアップデートしていきたいと考えています。
NISSAN NEXTの進捗
今年度も引き続き、「NISSAN NEXT」の計画を着実に実行していきます。財務ケースの徹底と、販売の質の向上に継続的に取り組み、厳しい環境においても、事業のコアである商品の力でしっかりと利益を上げることができる会社に確実に変えていきます。
商品満足度
取り組みの成果はすでにかたちになって表れ始めています。J.Dパワーの顧客満足度によると、セールス満足度調査では、アメリカ、中国でスコアを伸ばしています。また昨年度、米国で発売した新型「ローグ」は、購入者への満足度調査で過去最高の評価を得ています。
欧州でSUV市場を開拓した「キャシュカイ」の新型車は、過去最多の予約注文をいただいています。さらに、先日、上海モーターショーで発表した新型「エクストレイル」は「Best upcoming new car award」を受賞するなど、各市場で高い評価を頂戴しています。
そして、ホームマーケットの日本に投入した新型「ノート e-POWER」は、コンパクトカーのレベルを超えた走りと質感を持った車であると高い評価をいただいております。
新車攻勢
今年度は、これらのモデルに加え、新型クロスオーバーEVの「アリア」や、日産のDNAを象徴するスポーツカーである「フェアレディZ」の新型車、インフィニティの新時代を切り開く「インフィニティ QX60」など、日産らしさを感じさせる商品を次々と市場に投入します。
電動化の推進
「アリア」は当社の強みであるSUVとEVを融合したモデルで、今までにないシームレスなユーザー体験と、EVを超えた価値を提供し、新たな時代を切り開きます。すでに約20万人のハンドレイザーがおり、日産を代表するモデルになることを期待しています。
現在、三菱自動車との共同プロジェクトとして、NMKVで企画開発している軽のEVは、今後、他社に先駆けて国内市場に投入します。e-POWERも積極的に搭載車種を拡大し、日本での成功を中国や欧州に広げていきます。
中国では、今年度の「シルフィ」を皮切りに、2025年度までに6車種へ搭載する予定です。欧州の「キャシュカイ」には、日産が世界で初めて量産を実現した可変圧縮比エンジンVCターボを発電専用エンジンとして使用するほか、来年度には、新型「エクストレイル」にもe-POWERを搭載する予定です。
日本でも今後、搭載車種をさらに拡大させていきます。魅力的な商品を継続的に投入し、収益性とブランド力を向上させることで、「NISSAN NEXT」の最終目標である、2023年度、営業利益率5パーセントの達成につなげていきます。
今年1月、2050年までに事業活動を含む車のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現する、という新たな目標を発表しました。その目標達成に向け、2030年度早期より、主要市場に投入する新型車のすべてを電動車両にすることを目指します。
電動化をはじめとするケースへの対応のために、継続的な投資は必要不可欠です。関連する設備投資や研究開発については、今後もしっかりと予算を確保していく予定です。
日産は、EVの普及とゼロ・エミッション社会の実現に向けた取り組みを行ってきたパイオニアです。今ようやく多くのOEMがEVを市場に投入し始めましたが、10年に及ぶ豊富な経験と知識、さらにライフサイクル全体で包括的な取り組みを行っている会社は日産以外、世界中どこにもありません。
技術開発のロードマップ
この先、電動車両を広く普及させていくには、技術の進化に加え、コストも下げていかなければなりません。そのためには長期的な戦略と継続的な取り組みが必要となります。電動車両の核となるバッテリー、パワートレインの開発は、アライアンスのリーダーフォロワーの枠組みを最大限に活用し、競争力を高めていきます。
バッテリーは、長期的なロードマップを立て開発を行っていきます。アライアンスで規格を揃え、共用化率を高めることにより、スケールメリットと技術競争力の向上を図るとともに、希少金属であるコバルトを使わないバッテリーや、全固体電池など、バッテリー技術の革新にも引き続き取り組んでいきます。
パワートレインは、アライアンスの共用化に加え、EVとe-POWERに使うモーターやインバーターなど、部品の共用化をさらに進めていきます。さらに、次世代のe-POWER向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50パーセントを実現する技術を採用し、燃費の向上、CO2排出量の削減、コスト競争力を追求していきます。
生産におけるイノベーション①
生産現場では、車両組立時の効率を上げることや、環境に優しい工場の実現に向けたイノベーションを推進しています。そして今年、「ニッサン インテリジェント ファクトリー」を栃木工場に導入し、「アリア」の生産を開始します。
生産におけるイノベーション②
英国のサンダーランド工場では、今年3月、再生可能エネルギーの発電施設を大幅に拡張する計画を発表しました。これにより、工場のエネルギーの20パーセントは敷地内で作られる再生可能エネルギーでまかなえることになり、欧州で販売されるすべての「日産 リーフ」を再生可能エネルギーで製造できる計算になります。こうした次世代ファクトリーの取り組みは、今後、国内外の他の工場にも拡大していきます。
電動化による従来の枠を超えた取り組み
さらに、単にEVを販売するだけではなく、EVを通してさまざまなかたちで社会に貢献していきたいと考えています。すでにEVバッテリーは、家庭やビルのエネルギーマネジメント、災害時などの非常用電源など、さまざまなシーンで動く蓄電池として活用されています。
日本ではEVを活用し、地域の課題解決を図るブルースイッチの取り組みがすでに125件を超えています。また、フォーアールエナジーを通じてバッテリーの二次利用にも取り組んでいます。「リーフ」の使用済みバッテリーは、太陽光発電の蓄電に使われ、電力の安定化に貢献しています。
さらに、電動化技術と自動運転技術を活かし、新しいまちづくりや、モビリティサービスについても、国内外で、自治体、パートナー企業とともにさまざまな検証を進めています。日本では、神奈川県横浜市や福島県で、地域の課題解決や未来のまちづくりのための取り組みを地元の方々と一緒に進めています。車で培った技術で実社会に貢献する、日産ならではの取り組みです。
日産のパーパス
日産はこれまで、「ほかがやらぬことをやる」という創業以来の精神のもと、さまざまなことに情熱を持ってチャレンジし、イノベーションを起こしてきました。そして、革新的な商品、サービスを通じてお客さまの生活に新しい価値を提供し、移動体験と、社会の可能性を広げてきました。
それこそが日産らしさであり、我々の社会における存在意義であると考えています。「人々の生活を豊かに」、このことを常に強く意識し、これからもチャレンジを続けていきます。ありがとうございました。
質疑応答:業績見通しと北米の販売見通しについて
質問者1:2点質問があります。1点目は、今期の業績見通しによると、「NISSAN NEXT」で示された営業利益率2パーセントには届きませんが、その点ををどのように評価しているかということ、そして、2023年度の5パーセントの目標に向けてどのように取り組んでいくかを教えてください。
もう1点は、北米の販売の見通し、足元の状況をどのように見ているかということです。質を重視している面もあるかと思いますが、他社と比べると勢いが弱いようにも見えます。前期から今期に向けての販売の状況をどのように評価しているか教えてください。
内田:1点目の「NISSAN NEXT」の5パーセント達成に向けたポイントですが、この点に関しては、先ほど2020年度の結果で示したように、「NISSAN NEXT」で掲げた目標をすべて達成しています。
財務規律の徹底と、新車で価値を創出する、過度な台数を求めるのではなく、質の向上を図るという点においては、着実にできていると思います。これを踏まえれば、我々の今後の新たな新車で、さらにお客さまに価値を提供しつつ、2023年度の5パーセント目標は達成できる見通しだと思ってます。
一方で、足元の2021年度に関しては、今の半導体の大きな影響と、材料の高騰ということを鑑みて、現時点で、営業利益はエクイティベースでプラスマイナス「0」、中国を含めて1パーセントレベルというかたちが見通しです。
今後これに対するさまざまなアクションを講じて、7月の末、第1四半期の決算発表時には、そのアウトルックをさらにみなさまにお示しできるようなかたちを取っていきたいと考えています。
2点目の北米については、全体として、販売の質の向上が着実に達成できたものとご理解いただけると思います。ただ、先ほどのご質問に対して、もう少し今の状況と見通しについて、CEOのアシュワニから回答させていただきます。
グプタ:詳細に入る前に、当社がアメリカの事業構造改革をどのように行っているかという話をあらためて申し上げたいと思います。第1に、社風を変えるということで、つまり、事業のやり方、商品を変えました。「セントラ」と新型「ローグ」の投入により、大まかに言いますと、アメリカ事業の3分の1を刷新したことになります。
今後、新型「パスファインダー」「フロンティア」を投入することによって、デザインも含めて3分の2の商品を最新技術を搭載して刷新することができます。 第2に、パートナーとのビジネスを変えるということです。ディーラーとの仕事のやり方を変え、ディーラーの満足度、信用度の向上を図ってきました。
第3に、人を変えるということです。新しい指導者として就任し、米国事業の運営に携わりすでに1年になります。
商品、ビジネス、人の変更により、ようやく社風を変更でき、今それに取り組んでいます。前回もお伝えしましたが、第4四半期は徐々に小売台数が拡大しています。台数だけではなく、台数から価値にシフトすることにより、台当たりの販売価格は改善しています。
日産はグローバルに、損益分岐点の販売数量440万台に引き下げることができました。引き続き販売の規律、販売の質の徹底のほか、新型車や新技術の投入、新しい事業、パートナーの信用度、特にディーラーの満足度が上昇する中で、今後さらなる成長を目指していきます。これを第4四半期にお見せしましたが、2021年度も取り組んでいきます。
つまり、まずは我々自身と戦い、そのあと競合他社と戦うことになります。第1四半期にまたお会いする際には、競合他社に対してどのように戦っていくかということをお話しするかもしれませんが、現時点で、アメリカ事業に関しては古い日産よりもはるかによくなっています。
質疑応答:2021年度の見通しとその前提について
質問者2:2021年度の見通しについてですが、半導体や原材料高騰などのビジネスリスクが業績を押し下げるとのことで、それぞれその内訳と言いますか、何が一番影響してくるのか確認させてください。
また、2021年度の販売見通しが440万台ということで、これは今年度の終わりから販売の回復が続いている上で市場のリスクなどを見ながらの台数かと思いますが、どのような前提でこの440万台という予想を立てているのか確認させてください。
内田:2021年度の販売見通しのビジネスリスクについては、半導体の供給のリスクというものが、約50万台レベルで生産に影響すると見ています。一方で、下期において、そのうちの約半分はリカバリーするという計算の前提で動いています。
材料の市況に関しては、日々高騰している状況にあります。その点を踏まえて、我々の努力を持ってしてブレイクイーブンのレベルまでプラスマイナスに持っていくということが、現時点の回答できることです。
台数については、「NISSAN NEXT」で掲げている2020年度の実績を踏まえてのものですが、今の全体需要は非常に読みにくい状況ではあります。その中で、現状のプレゼンス、マーケットシェアや新車投入による効果、半導体リスクなどを踏まえた上で、小売台数は先ほどお示ししたとおり、440万台となりました。
拠点別の考え方について、オペレーションのアシュワニから追加でご回答させていただきます。
グプタ:まず仮説として、なぜ自信を持ってこの440万台という数字を示しているのかと言いますと、2020年度のグローバルな全体需要は7,700万台でしたが、この7,700万台のうち、小売台数として405万台を販売しました。
2021年度は、当社の想定では、グローバル全体需要は約8,500万台を想定しており、これは前年度に対して10パーセントの改善に相当します。そして、私どもの予測である440万台というのは、9パーセント近くの増加率になります。
つまり、市場ごとに当社は拡大することを想定しており、全体需要どおりに伸びるということです。もちろん、これは半導体の影響リスクを入れた結果です。半導体の影響を挽回すればするほど、台数と市場占有率は伸ばせるということです。このような仮定の計算で440万台としました。
質疑応答:電動化戦略と日本市場について
質問者3:2点質問します。1点目が、電動化戦略に対する考え方です。全社、各社で、電動化へ大きく舵を切っていると思いますが、あらためて日産としての電動化戦略の考えをお聞かせください。
また、その際に重要になるバッテリーの調達と、開発の考え方についてもあわせて教えてください。2点目が、「NISSAN NEXT」のこれまでの日本市場への効果や、これからさらに強化していく点を教えてください。
内田:日産における電動化戦略をどのように見ているのかというご質問だと思いますが、戦略の柱としては、大きく4つあると思っています。まず1つ目として、各国が速い動きで脱酸素化に向けて動いている中で、市場の状況に合わせて、商品を投入していく、戦略を作っていくことが極めて重要だと思っています。
ご承知のように、電動化に対する各国のスピードには違いがあります。取り組みのスピードが地域ごとで異なるため、市場のニーズに合わせた戦略で柱である電動自動車、いわゆるEVや、e-POWER車両を投入していくことを進めていきたいと思います。
地域ごとにお客さまの総保有コスト、「Total cost of Ownership」というものを見ながら、お客さまに受け入れていただいて初めて結果につながると思いますので、その中で日産の価値を高めていきたいという気持ちが強いところです。
2つ目として、そうは言いながらもガソリン車に比べて電動化車両の競争力という点では技術革新が必要となります。例えば、アライアンス規格の統一化によるスケールメリットの創出や、一方で、開発費の適正化を行うなどの技術革新や共有化です。
3つ目に挙げるとすると、そのような中でのサプライヤーとの戦略、現地化といった点においても、中期的、包括的な戦略の論議をすでに開始しています。
コスト競争力を高めるためには、主要市場における現地化が重要になってくると思います。この点に関しても、現時点でまだ発表できるような段階にありませんが、アライアンスの枠組みなど各政府との共同によって進めていくということだと思います。
最後になりますが、我々の強みとしては、電動化の従来の枠を越えた取り組みなど、10年に及ぶ豊富な経験があります。ライフサイクル全体で包括的に取り組みを進めていくことが日産の価値につながるものだと思いますし、お客さまにその価値を意識していただければ、必ずや販売につながっていくと信じています。そのような意識の中で、引き続き、「NISSAN NEXT」で掲げた電動化戦略を進めていくということです。
先ほどのバッテリーに関して、アシュワニから補足説明させていただきます。
グプタ:ご存じのように、日産は電動化のパイオニアですが、電動化が目的ではありません。そうではなく、お客さまの選択した結果ということです。
カーメーカーとしてステークホルダーに対して、我々はイネーブラーとしての仕事をしなければなりません。つまり、お客さまが電動化を受け入れるかどうかを選択する方向に持っていきたいと思います。お客さまにどのように電動化を選択してもらえるか、簡単に選択してもらえるかということが私たちの仕事になります。
そのためには1番目に、競争力のある商品を提供することです。エクサイトメント、ドライビングエクスペリエンスをよりよくしていく、つまり内燃エンジンよりもよいものを提供しようということで、「アリア」でそれを試みています。エクサイトメント、加速についてもスポーツカーよりももっとよくなるわけです。
2番目に、「Total cost of Ownership」ですが、カスタマー観点から見た場合には、内燃エンジンよりも安くなければいけないわけです。このように、「Total cost of Ownership」をより安くすることができるかということが大事になります。
3番目に環境についてですが、規制環境に関しては、例えばユーロ7やチャイナ7などといった規制を知る必要があります。したがって、バッテリーに関しては、技術的にもコスト的にも競争力を高める必要があります。加えて、装身具、装着についても同様です。
内田が説明したように、バッテリーはコアテクノロジーです。最初の世代の「リーフ」から始まり、現行の「リーフ」、そして「アリア」というように常にこの間、バッテリー開発の取り組みを10年以上行なってきました。
今後、バッテリーの競争力を高めるためには技術ブレイクスルーが必要です。開発目標としては、キロワットアワーあたり100ドル以下、加えて我々の目標は、キロワットアワーあたり75ドルを目指しています。
地域や市場、また「Total cost of Ownership」によって、お客さまが電動自動車に変えてくれる転換点があるわけです。
次に、産業化ということですが、我々は中国、ヨーロッパ、日本、アメリカに工場を持っており、これらの工場は、バッテリー工場とつながっています。今後は新技術を使い、ベストなコストを提供することにより、目標を達成していきたいと考えています。日産は今後、電動化へ向けて非常によい立場にあると思っています。
内田:今のご質問で日本をどのように評価し見ているかということがあったと思いますが、以前、「NISSAN NEXT」を発表した際に、我々のホームマーケットである日本で日産の力を発揮していきたいということをお伝えしたと記憶しています。
昨年、商品で言えば、「キックス e-POWER」など非常にご好評いただきましたし、さまざまな新しい日産の強みを、「ニッサン インテリジェント ファクトリー」である栃木工場を含め、ますます発信しています。
さらに日本で日産の強みを発揮しながら、他の国にもその取り組みをどんどん紹介し、全体の力を上げていくことを継続的して行っていきたいと思います。そのような視点においては、「NISSAN NEXT」で掲げている目標は、昨年は日本でも十分達成できていますし、今後さらに強めていきたいという気持ちです。
質疑応答:ガソリン車の未来と水素車両について
質問者4:カーボンニュートラルを2050年までに実現するという話ですが、これらの目標というのは、そもそもガソリン車がラインナップであっても達成できるのでしょうか?
一部のメーカーは、完全にガソリン車はなくして、ディーゼル車もなくしていこうとしていますが、将来的に、2050年までに日産自動車からガソリン車がラインナップからなくなるということは想定していますか?
そして、関連する質問として、水素車両の現在の立ち位置を教えてください。水素については、何年か前から取り組まれていると思いますが、将来の見通しを教えてください。燃料電池車についてはいつ頃技術として使えるようになるのでしょうか?
内田:2030年の早い段階で、電動化車両の提供を目指す、コアマーケットで実施していくということをお伝えしましたが、最終的にはお客さまが、電気自動車のEVや、e-POWERを選んでいくと思ってます。
そのような中で、総保有コストの観点から、お客さまに対していかに価値を提供できるか、このような積み上げによって、2050年のカーボンニュートラルの目標は達成できると思っています。また、2030年の早い段階でそのような車を続々とお客さまに提供できると考えています。
そして、その時にガソリン車がまったくなくなるのかというご質問ですが、そこは、最終的にはお客さまが決めることであり、当然のことながら、環境に対して我々が貢献していく分野とお客さまのニーズ、ここのバランスを我々の価値として、お客さまが気に入っていただけるかたちを提供していくことに尽きると思います。現時点では、このようなご回答とさせていただきます。
2番目の、将来のFCVの技術ですが、当面は、「NISSAN NEXT」で掲げている大きな2つの柱であるEV、またはe-POWERの技術を進めていくということが現時点での我々の考え方です。
質疑応答:北米事業における販売奨励金について
質問者5:北米関連で伺いたいのですが、調査会社のデータなどを見ると、インセンティブの数字もかなり下がってきている印象を受けます。販売奨励金をさらに下げていきたいという認識でしょうか? 目標を設定し、そこを目指していく上での課題について、北米事業で認識しているところを教えてください。
2つ目が、さきほど内田社長が次の第1四半期では、もう少しアウトルックを示したいとお話がありましたが、想定の数字、現在示している数字がさらに改善するという意味で受け取っていいのかを教えてください。
グプタ:アメリカでは正しい方向に向かっていますので、おっしゃるとおりです。アメリカではまずは販売の質について、プッシュからプルに、量から質にシフトしています。お客さまは喜んで商品の価値に対する対価を支払ってくれているため、インセンティブは自動的に改善しているということです。
そして、非常に魅力ある商品を提案しているため、憧れの商品になっているということです。今後、販売奨励金については特に目標は設けていません。今の販売の質を今後も徹底し、ディーラー満足度も高い水準で維持できれば、インセンティブは自然に下がってくると考えているからです。
私どもの目標は、販売の質を徹底するということですので、インセンティブは目標ではなく結果として下げたいと思っています。つまり、お客さまが買ってくださるような商品を事業にするということです。
お客さまの質が、「セントラ」でも新型「ローグ」でも改善しています。今後は、「パスファインダー」「フロンティア」そして「アリア」の新型車で、事業の3分の2のラインナップを刷新することができます。あらためてお伝えしますが、商品や事業のやり方を変更することにより、アメリカでは再び利益ある成長を実現できると信じています。
内田:2つ目の見通しの方向についてですが、当然のことながら、事業を行っていく身としては、少しでもよい収益結果を出していけるように努力を進めていきたいと思っています。
一方で、足元では半導体の影響であったり、材料費高騰のスピードが非常に大きく影響していますので、この点をきちんと精査した上で、それをミチゲート(軽減)できるようなプランを作成します。また、みなさまに透明性をもって示していきたいという気持ちから、経緯として、プラスマイナス「0」と説明しました。
質疑応答:サプライチェーンと半導体の影響について
質問者6:2つ質問があります。数値化してお答えいただきたいのですが、1つ目がサプライチェーンの供給不足による生産台数への影響、そして2020年度についての影響を教えてください。
2つ目として、今後については、特に半導体の影響はどのくらいになりそうでしょうか?特にルネサスの影響は生産台数に対してどのくらいありますか?
グプタ:2020年度の実績については、半導体不足は、グローバル日産として約13万台に影響があったのですが、そのうち5割は挽回しました。2021年度については、前回も申し上げましたように、50万台ぐらいの影響を想定しています。
その主たる要因はルネサスの火災ですが、ルネサスの工場は想定以上に早く復旧していますので、下期には半導体の影響の半分は挽回できると想定しています。
もう1つとして、新型コロナウイルス以降はサプライチェーンの仕組みをはじめ、多くのことを学びました。日産だけではなくすべての自動車産業が学んだことがあると思いますが、このサプライチェーンの課題は、おそらく需給のギャップを縮小するまで残ると思います。
自動車市場の回復から不足に陥っているだけでなく、自動車以外の産業が、まったく同じ小さな構成部品を使っています。自動車と同じ部品を使用しており、その需要が高まっていることから、当社次第ですが、サプライチェーンに関しては、向こう1年間も影響を受けると思います。
課題としては、回復力を持ってキビキビと動き、迅速に生産と販売を課題に合わせて、短期そして中期でも対応するということです。中期的なサプライチェーンの戦略を見直し、将来のリスクに備えることが大事になります。
将来のリスクというのは、不測の想定できないシナリオのことです。現状のサプライチェーンのシナリオは、想定できるリスクに基づいていますので、それに合わせて不測の事態にも備えるサプライチェーンの戦略が必要です。半導体に加えて他にも想定外の事態が発生するかもしれませんが、その備えはできているということです。
内田氏よりご挨拶
内田:多くのご質問をいただきありがとうございました。厳しい環境においても「NISSAN NEXT」により、会社は確実に正しい方向に向かっています。今年度もさまざまなビジネスリスクはあるものの、引き続きぶれることなく改革を断行していけば、目標は必ず達成できると私は確信しています。
そして、情熱を持って共に改革に取り組んでくれている世界中の従業員とともに、輝く日産を必ず取り戻していきます。引き続きどうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。