老後はお金をどう守る?

では、すでに70代を迎えているみなさんは、どのようにして老後のお金を守っていけばよいでしょうか。いっしょに考えてみましょう。

「貯蓄」の方法としてみなさんがまず思い浮かべるのが、銀行などの預貯金かもしれませんね。「銀行預金は安心!」というイメージから、すべての貯蓄を預貯金で持っている、という方もいらっしゃるでしょう。

確かに、預け先の金融機関が破綻した場合も、普通預金、定期預金などは合わせて元本1000万円までと利息分が保護されます。このリスクの低さ、そして「必要なときに引き出しやすい」という点から、普通預金や定期預金を強く信頼なさる方も多いはずです。

しかし、将来インフレが起きたとき、資産を預貯金でしか持っていなかった場合はその価値の目減りを防ぐことができません。加えて、低金利時代のいま、残念ながら利息もほとんど期待できませんので、預貯金でお金を増やすことは難しいといえます。

仮に今70歳の方が「人生100年時代」をまっとうできた場合、ここから先の人生は30年あります。

その間、預貯金の切り崩しだけを頼りに暮らす場合、貯蓄の寿命は縮まる一方です。そこでぜひ取り入れていただきたいのが、貯蓄の一部を「増やす資産」として持つ、つまり、資産運用という発想です。

最近では、つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった、少額からスタートできる税制優遇制度もありますので、活用を検討されてもよいでしょう。

金融商品の選び方や利益を出すタイミングは、お金のプロのアドバイスなどを参考にコツをつかんでいただくのがお勧めです。

資産運用は、運用期間を長くとればとるほど、リスクが軽減しリターンが安定してきます。複利の効果で資産を雪だるま式に育てることにもつながるのです。

つまり、できるだけ早めのスタートが、資産運用のカギを握るといってもよいでしょう。

また、老後のお金、そして暮らしを守るためには、必要最低限の保障を保険などで確保しておく視点も大切です。

ケガや病気といった「まさか」の事態は突然やってきます。入院が長引いたり、働けない期間が出たりした場合は、想定外の出費が発生する可能性があります。

そんなときのリスクヘッジとして上手に保険商品を活用すれば、老後資金の切り崩しを最小限に抑えることができるかもしれません。