日本郵政、グループ全体の経常収益は前期比で減収も経常利益は増加 今期の配当性向は59.5%を見込む

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2021年5月14日に行われた、日本郵政株式会社2021年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日本郵政株式会社 執行役IR室長 鶴田信夫 氏

2021年3月期決算説明会

鶴田信夫氏:みなさま、本日はご多忙の中、日本郵政グループ2021年3月期の決算の電話会議にご参加いただきましてありがとうございます。開始が遅くなり、大変失礼いたしました。日本郵政株式会社のIR室長の鶴田でございます。よろしくお願いいたします。

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本日は決算の概要と、それに伴う補足説明をさせていただきます。そのほかに本日発表した中期経営計画もありますので、そちらは後ほど大角から簡単に説明します。それでは、決算の資料をご覧ください。

日本郵政グループ 決算の概要

こちらは総括です。左側の太枠内が連結の数字です。各社について見ていきます。日本郵便は郵便・物流事業や金融窓口における減収減益があり、国際物流事業の増収が若干ありました。そのため、収益は若干プラスですが、経常利益・当期純利益ともマイナスです。

ゆうちょ銀行については、低金利環境の継続など厳しい環境のもと、有価証券利息の減少により資金利益が前期比で減少したほか、外貨調達コストの低下もあり業務純益が増加したということで、経常利益は150億円増加しました。当期純利益は前期比66億円増加の2,801億円となっています。

かんぽ生命については、保有契約の減少が続く状況に伴い、事業費や入院保険費等の支払いが減少したことにより、基礎利益が増加しています。また、経常利益はキャピタル損の改善もあり前期比で591億円増加、当期純利益は前期比154億円増加の1,661億円となっています。

グループ全体では、前期比で経常収益は2,297億円減収の11兆7,204億円、経常利益は497億円増加の9,141億円、当期純利益は654億円減少の4,182億円となっています。

この業績予想に対する進捗率が下にありますが、グループ連結では、昨年7月28日に修正した数値と対比してもほとんど数字が変わらず、当期純利益で100.8パーセントの進捗です。

郵便・物流事業 決算の概要

日本郵便の主要セグメントに関してご説明します。郵便・物流事業についてです。スライド右側の棒グラフは取扱数量の推移ですが、本年度もこれまでの傾向と同様に、郵便は6.8パーセントの減少、「ゆうメール」も7.5パーセント減少しました。「ゆうパック」は11.9パーセントの増加で、これに含まれる「ゆうパケット」は上に書いてあるように、16.1パーセント増加しています。

損益の増減は、左側の滝グラフでご覧ください。営業収益は「ゆうパック」の増加はあったものの国際郵便・普通郵便・年賀葉書の減収が大きく、568億円の減少です。また、営業費用については人件費用および集配運送委託費の減少がありましたが、営業利益については前期比237億円減少の1,237億円となっています。

金融窓口事業 決算の概要

金融窓口事業について、右側の収益構造の推移のグラフを見ると、保険手数料が417億円と大きくマイナスで、営業収益は553億円の減収となっています。

左側の損益の滝グラフを見ると、手数料のマイナスに加え、物販事業および提携金融事業のマイナスがあります。不動産事業は一時的な販売収益の計上によりプラスですが、全体ではその他収益も含めてマイナスです。これに対して、人件費の減少が319億円、経費の減少が164億円あり、営業利益については前期比で68億円減少の377億円となっています。

国際物流事業 決算の概要

国際物流事業について、右側の表は豪ドルベースの数字で、営業収益は前期比で12億7,900万豪ドル増加の98億4,300万豪ドルです。営業費用も同様に増加しており、EBITでは4,600億豪ドルの黒字となっています。

事業別のEBITの推移は左側のグラフをご覧ください。ロジスティクス事業については、アジアにおける新型コロナウイルス感染予防対策物資の大口取扱い等もあり、収益・費用ともに増加しています。

また、右側の表の下部に当期純損益とありますが、エクスプレス事業の売却に伴う減損損失を特別損失として計上したため、当期の純損益は大幅な赤字となっています。

日本郵便 決算の概要(まとめ)

日本郵便の決算まとめです。当期純利益については、前期比337億円減少の534億円となっています。

日本郵便は以上で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命については先ほどの電話会議で触れていましたので、ここでの説明は省略します。

2022年3月期通期業績予想

2022年3月期の通期業績予想です。グループ連結では、親会社株主に帰属する当期純利益で3,400億円と、前期比で782億円の減少を見込んでいます。こちらの計算方法は下の注2にあるとおり、ゆうちょ銀行については現状と同じ89パーセントですが、かんぽ生命は自己株式の取得の決議に伴い、49.9パーセントの比率を前提に算出しています。

各社の数字についてです。日本郵便は郵便物数の減少が続いていることに加え、送金決済件数の減少によりゆうちょ銀行からの手数料収入も減少しているため、当期純利益は前期比で334億円減少の200億円という見込みです。

ゆうちょ銀行については、資金収支等のうち、戦略投資領域や外債投信の収益は拡大しますが、外国債券の償還益の減少や日本国債からの収益の減少等により、当期純利益は201億円減少の2,600億円を見込んでいます。

かんぽ生命については、保有契約の減少に伴う保険関係損益の減少や、営業活動の再開に伴う各種経費の増加等により、481億円減少の1,180億円を見込んでいます。

日本郵便については、左下にセグメント別の営業利益の見込みについても記載していますので、こちらもご覧いただければと思います。

右下の表は、株主還元・配当の状況です。2021年3月期の配当については、見込んでいたとおり50円の配当で、配当性向が48.3パーセントです。2022年3月期の配当予想についても、中間配当を行わず期末配当のみですが、同じく年間50円、配当性向は59.5パーセントを見込んでいます。

以降のスライドにおける、会社の関係図やこれまでの損益の経緯等については、説明を割愛します。

5.引受郵便物等物数

補足資料についてご説明します。直近3ヶ月間の数字等をならべて記載しており、最後のページに物数、その下に荷物の単価を記載しています。

「ゆうパック」の単価については「ゆうパケット」を除く単価で、年間では651円、前期比20円の減少です。「ゆうパケット」については188円で、前期比4円の増加です。「ゆうメール」は前期と同じ単価です。

決算関係の説明は以上です。続いて、中計について簡単にご説明します。

大角氏:続いて、経営企画部の大角より、今回発表させていただいた新たな中期経営計画「JP ビジョン2025」について説明いたします。

冒頭にお伝えしたとおり、社長の増田が後日みなさまに直接ご説明する機会があります。施策の中身等については、その際に説明させていただきます。

私からは数字の関係、また、中計で初めて出てきたところを簡単にガイダンス的に説明します。

まず、今回の中期経営計画における基本的な考え方は昨年11月に示しましたとおり、5年計画については3年後を目途に見直す予定です。

主要目標

数字の主要目標をこちらにまとめています。みなさま方はアナリストですので、もう少し詳しい数字についてご説明します。先ほど説明した決算数値の比較等も含めて一覧化した資料がありますので、そちらをご覧ください。

主要目標等の詳細①

一番下の米印の注にて、各財務目標等の前提となる金利・為替・株価については、2020年12月末の状況を踏まえて設定していることを、まずはご確認ください。ヘッドラインに書いてあるとおり、最終年度である2025年度と、見直しを行う予定の2023年度の主要目標および各社主要目標の詳細について説明します。

日本郵政グループは経常利益については実績が9,141億円だったところが、先ほど説明があったとおり2021年度に一旦落ち込むのですが、2023年度は7,600億円、2025年度は8,800億円と回復していくと見ています。

連結当期純利益に注1とありますが、こちらは非支配株主持分、つまりゆうちょ・かんぽも含めた100パーセント連結の数字とご理解ください。

日本郵政グループの連結当期純利益について、2020年度実績は5,087億円で、2023年度は4,300億円、2025年度は5,100億円を見込んでいます。純利益ベースでも、株式等の売却等がなければ一旦落ち込んでから回復すると見ています。

後ほどご説明しますが、ゆうちょ株式についても保有比率を50パーセントまで処分する前提で、今回の中計を作っています。そのことを踏まえて、親会社株主に帰属する連結当期純利益について、2025年度の予想を2,800億円としています。

その1つ下の段は、ゆうちょ銀行の株式処分がなかった場合の数字を、参考までに書いています。それが4,200億円ですので、このペースで見てもほぼ横ばいと見ています。

それからROEの目標です。みなさま方からもご要望がありましたので、今回はROE目標をグループ連結で設定しました。2025年度は4パーセントを目指すことになります。配当方針については後ほど説明します。

日本郵便についても、ご覧のとおりです。郵便・物流事業の営業利益で1,237億円のところが、2025年度は330億円の予想です。窓口事業は377億円のところが50億円、EBITベースの国際物流事業は35億円から120億円と見ており、それぞれ上下する見込みです。

また「ゆうパック」の取扱個数と荷物等収益も書いてありますとおり、「ゆうパック」個数については昨年度は10.9億個だったところを、13.6億個まで伸ばす計画にしています。

主要目標等の詳細②

ゆうちょ・かんぽについては先ほど説明がありましたため、省略します。

不動産事業に関しては、初めてこのように開示することになります。営業収益400億円のところが、2023年度は750億円程度、2025年度は900億円程度と見ています。営業利益は105億円のところを、2025年度に150億円程度とする見込みです。期末資産額については、1兆円程度まで膨らませていく目標です。

下部の注について説明します。注1について、不動産事業は、日本郵便の所有物であるJPタワーの運用、および100パーセント子会社の日本郵政不動産との数字を合算したものです。そのため、日本郵便の不動産事業単体というわけではないことにご留意ください。なお、これまでに開示してきたものについては、単体の数字がほとんどです。

数字の関係は以上です。次のページに投資計画も掲載していますので、見ていただければと思います。

成⾧に向けた投資

全体投資計画は、68ページにあるとおりですが、各トピックスについてご説明します。「戦略的なIT投資額」は計4,300億円程度で、こちらについては4月28日にすでに開示した数字です。そして「不動産投資額」は、グループ保有不動産に3,000億円程度、グループ外不動産に2,000億円程度、あわせて5,000億円程度です。こちらについては、後ほどもう1回触れたいと思います。

「新規ビジネス等への投資額」は、M&A含む新規ビジネス等が5,000億円から1兆億円程度、ベンチャー企業等への投資は500億円程度です。下の*の印にあるとおり、ベンチャー企業等への投資は日本郵政キャピタルからの投資を想定しています。それとは別に、M&A含む新規ビジネス等での投資については、先ほど見ていただいた投資計画の数字には含まれていません。こちらもご留意ください。

効率化施策・生産性向上に向けた取組

効率化施策・生産性向上に向けた取組ということで、ヘッドラインにあるとおり、グループ主要4社、日本郵政・日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命において、合計で約3万5,000人相当分の労働力の減少を見込んでいます。採用者数の抑制等にて、自然減等で適切な要員配置にしていくと考えています。

会社ごとの内訳は下に書いてあるとおりで、ゆうちょ・かんぽについては先ほど説明があったかと思います。

補足ですが、来年4月を目途に日本郵便の渉外社員、私どもはコンサルタントと呼んでいますが、このコンサルタント等の関係業務を行っている者1万3,000人が、かんぽ生命へ兼務出向することになっています。施策として記載があるので、後ほどご覧いただければと思います。

その出向の影響については労働力の減少に含まないとして、日本郵便で3万人相当の人員削減を行うということです。日本郵便は3万人減って1万3,000人が兼務出向するので、計4万3,000人分の人件費が減るとご理解ください。

ここまでは各ポイントについての説明でした。以降の企画等については、社長の増田から説明させていただきます。

収益の柱の一つとなるよう不動産事業を成⾧

私から触れたいことが2点ございまして、まずは不動産事業についてです。地図上の赤い文字部分の「中野北口計画」「名古屋栄計画」はすでに公表済みですが、それ以外の青字の部分については今回初出です。記載のとおり、開発候補の不動産ですので、具体的な開発計画がすでに固まったものではありません。候補として選定済みというステータスです。

これらの郵便局や社宅の跡地の再開発を、中期経営期間中に順次着手していく計画です。

「中野北口計画」「名古屋栄計画」について、注に書いてあるとおり、私どもが直接着手するのではなくて、それぞれ三菱地所さま、野村不動産さまが代表となっている企画に日本郵政不動産が参画しているものです。繰り返しになりますが、そちらについてはすでに公表済みです。

不動産事業の計数目標

先ほど、不動産事業の数字について、具体的にはこのような伸びを見込んでいます。その中で、グループ内の不動産だけではなくて、先ほどの「名古屋栄計画」「中野北口計画」といった公表済みの案件も含めて、グループ外不動産への投資も伸ばしていこうと考えています。こちらが1つ目のトピックスでした。

金融2社株式の早期処分による経営の自由度向上

もう1つは、資本戦略についてです。こちらは先ほどかんぽ生命からも説明があったとおり、もともと昨年11月の中期経営計画の基本的な考え方において、中期経営期間中の50パーセントまでの株式処分を見込むという開示をした件で、本日公表のとおり、49.9パーセントまで保有比率を下げることを決議した状況です。

ゆうちょ銀行についても、50パーセント以下を目指すとして、こちらを「JP ビジョン2025」期間中のできる限り早期に、という表現で記載しています。その後については下に書いてあるとおり適宜検討を行っていきますので、ここで終わるものではないこともご承知おきください。

日本郵政の株主還元と資本効率の向上

株主還元・配当の方針に関して、「JP ビジョン2025」期間中の5年間については1株当たり50円の年間配当を安定的に実施、という表現で記載しています。前中計で50円以上となっていたため、後退したように見えるかもしれませんが、50円の配当は確保するということをご理解ください。

自己株式の取得については、「JP ビジョン2025」期間中に自己株式の取得を機動的に実施することで、資本効率の向上を図るということです。

事業会社としてふさわしい資本構成を考え、新規の投資については負債を活用するということも記載しています。長くなりましたが、私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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