スペースマーケット、コロナ禍で少人数・地方での利用が成長 スペースシェアのリーディングカンパニーとして期待大

2021年6月5日にログミーFinance主催で行われた、第21回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナー 第2部・株式会社スペースマーケットの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社スペースマーケット 取締役兼執行役員CFO 徳光悠太 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー/証券アナリスト 叶内文子 氏

会社概要

徳光悠太氏(以下、徳光):取締役CFOの徳光と申します。本日は、スペースマーケットのIR情報についてご説明したいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

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5月10日に第1四半期の決算説明を行いました。そちらで使用した資料をもとに、弊社の決算情報についてご説明したいと思っています。

まずは、会社概要です。スペースマーケットは2014年1月に設立し、まだ社歴の若い会社です。足元の従業員は64名、経営陣はスライドに記載した7名の取締役となっています。

ビジョン・ミッション

徳光:弊社はビジョンとミッションを大切にしており、ビジョンとして「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」を掲げ、ミッションとして「スペースシェアをあたりまえに」を掲げています。

私たちは、「何かやりたい」と考え踏み出すその一歩は、どんなに小さくてもチャレンジだと考えています。スペースシェアをあたりまえの選択肢にすることで、いろいろな方々の発想を広げ、多様なチャレンジを生み出し、世の中を面白くしていきたいと考えています。

事業の全体像

徳光:次に、事業の概要についてご説明したいと思います。弊社は、スペースマーケット事業を展開しています。スペースマーケット事業は、シェアリングエコノミープラットフォームの運営と、法人向けソリューションの提供の2つから構成されています。詳細は後ほどご説明します。

創業来続く高い成長

徳光:こちらが、創業からの成長を表したグラフです。弊社は、実は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた企業の1つで、2020年については取扱高が少し下がっているのですが、創業から一貫して高い成長を続けています。

プラットフォームの紹介

徳光:それでは、先ほどお話しした弊社のプラットフォームをご紹介します。私たちは、あらゆるスペースを15分単位で貸し借りできるシェアリングエコノミープラットフォームの「スペースマーケット」と、働くシーンに特化したスペースを貸し借りできる「スペースマーケットWORK」の2つのプラットフォームサービスを運営しています。

プラットフォームの構造

徳光:こちらは、スペースを貸したい「ホスト」と、スペースを探している「ゲスト」をマッチングするプラットフォームです。

まず、ホストがスペースを掲載します。次に、掲載されたスペースをゲストが検索します。そして、よい場所が見つかると、ゲストが予約し、予約の段階で決済します。ホストが予約承認を行うことで、利用日にゲストがスペースを利用します。後日、弊社が手数料を差し引きし、売上金をホストに支払います。このようなプラットフォームの構造になっています。

プラットフォームの掲載スペース

徳光:次に、掲載スペースのご紹介です。「スペースマーケット」に掲載されているスペースは、47都道府県すべてにわたります。スペースの種類が豊富なことが特徴で、住宅や飲食店、結婚式場に加え、お城や島や船などのユニークなスペースも掲載しています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):おしゃれなスペースや特徴的なスペースがあり、このようなスペースを増やしていくのは、けっこう難しいと思います。どのように集めているのですか?

徳光:創業初期の頃は、このようなサービスは非常に新しく、知られていなかったため、電話したり伺ったりして、「ぜひ掲載してください」という営業を行っていました。

現在は、サービスの知名度も上がりましたので、インバウンドの流入と言いますか、「掲載できませんか?」とお問い合わせいただいて、「このように掲載すると上手くいきますよ」とご案内して掲載しています。

坂本:最近は普通の飲食店や住宅ではなくて、オフィスのスペースも扱っていますが、どちらかと言うと企業で余ったスペースを貸すのでしょうか? それとも、そのためにオフィスらしいスペースを作って掲載するのでしょうか?

徳光:両方あります。貸し出すことに特化したスペースを用意して掲載する会社もありますし、オフィスの少し余っている、つまり遊休になっている部分について掲載して貸し出す方もいます。

坂本:進んでいますね。最近はセキュリティが厳しいため、貸し出しが難しいのではないかと思ったのですが、そのあたりはクリアしているのでしょうか?

徳光:スペースによってさまざまですが、もともと来客があるスペースや、例えば、もともといろいろな方が入る前提で作っているスペースは貸し出しやすいと思っています。弊社も、実は6月1日にオフィスを引っ越し、一部をシェアしています。

プラットフォームの利用用途

徳光:スペースの利用用途です。掲載しているスペースで、どのようなことが行われているのかをご紹介します。

さまざまなスペースがあり、利用用途も多様です。いわゆるプライベートで集まる女子会やママ会、誕生日会などの利用や、最近では、写真撮影、動画撮影、テレビ収録、雑誌の撮影、YouTubeの収録もあります。

スライドの中央に、「趣味・遊び」と記載しましたが、ボードゲーム会や、スポーツ観戦で利用する方もいます。また、トレーニングやヨガで使う方もいます。

スライドの右側はイメージしやすい方も多いかと思うのですが、まさに「仕事」での利用です。会社の会議で使う方や、最近ではオンラインミーティングやテレワークで使う方もいます。

スペースシェアの市場環境

徳光:次に、弊社の事業環境についてのご説明です。スペースシェアの市場環境について、弊社が考えていることを3点記載しています。

まず、1点目が、「遊休スペースの活用が求められる社会に」です。空き家問題を考えるとイメージしやすいと思うのですが、今後、持続可能な社会を作っていくことが求められ、そのために、いろいろな遊休不動産の活用が求められる環境にあると考えています。

2点目が、「短期間の所有・利用が求められる時代に」です。多様性が認められる社会になると、求められるスペースもどんどんと種類が広がっていき、「必要な時に必要な分だけ借りる」というニーズがだんだんと増えてくると考えています。

3点目は、「どんな時代においても『場所』の必要性は不変」ということです。コロナ禍で、生活スタイルや仕事のスタイルが変わってきているところだと思いますが、場所そのものの必要性は不変であると考えています。

このようなところを総合して、スペースシェアは今後も広がっていくであろうと考えています。

スペースシェアの想定市場規模

徳光:スペースシェアの想定市場規模です。スライドの中央下部の数字が想定市場規模で、約2.7兆円と試算しています。

試算方法をご説明します。全国の建築物の面積は68億平方メートルという統計があり、弊社の利用スペースの平均的な広さである65平方メートル程度で換算すると、約1億スペース相当になります。その1億スペース相当のうち、一定の割合がシェア可能だと考えて、423万スペース相当と計算しています。これに、弊社のプラットフォームの1スペースあたりの流通を掛け算すると、2.7兆円という数字になります。

現在、弊社のGMVは20億円ですので、今後、数百倍単位での成長を目指していきたいと考えています。

法人向けソリューションの紹介

徳光:続いて、法人向けソリューションをご紹介します。法人向けソリューションとして、イベントプロデュースとプロモーション支援というサービスを提供しています。

イベントプロデュースでは、掲載しているスペース等を利用して、法人向けにイベントの企画やプロデュース、当日の運営支援を行っており、場所のマッチング以外のニーズにも対応しています。直近では、オンラインイベント支援のニーズが非常に高くなっています。

プロモーション支援では、掲載しているスペースに企業の新商品等を設置し、スペースの利用者に商品を使用してもらいます。結果として、スペースを広告媒体として活用しています。

スペースマーケットならではの強み

徳光:弊社の「強み」について、ご説明します。まず、1点目が、「業界トップのスペースシェアノウハウ」です。日本国内のスペースシェアのリーディングカンパニーとして、スペースシェアという文化を一から創造してきました。スペースシェアに関するノウハウについては、プロダクトの側面、そして、オペレーションの側面でトップであると考えています。

2点目は、「同じ課題を持つ仲間との連携・共創」です。弊社は、創業時から継続して、スペースを掲載するホスト、利用するゲスト、そして、地方公共団体やたくさんの企業と連携してサービスを成長させてきました。

ホストには「どうすればより楽しく利用いただけるのか?」を、ゲストには「このスペースでどんなことができるのか?」を、それぞれにいろいろと考えながら利用してもらうことで、結果として、どんどんとサービスが成長していく構造になっています。

そして、3点目は「幅広い角度からの成長可能性」です。スペースの掲載数は業界有数で、種類も多様であり、利用用途も多様です。この掛け算により、たくさんの新しい体験や新しいニーズが生まれてきています。

弊社のプラットフォームでは、例えば、レンタルスペースでのママ会やお花見が大きく成長してきたのですが、このようなものがどんどんと生まれてくることにより、事業の加速が可能だと考えています。直近では、ホテルの1室や飲食店でのテレワークのニーズが高まっています。

サステナビリティへの貢献

徳光:大事なこととして、サステナビリティへの貢献があります。弊社は、事業成長を継続して実現し、ビジョン・ミッションを実現していきたいと考えています。そして、この事業成長とビジョン・ミッションの実現がサステナビリティへの貢献と同じ方向を向いていることが企業としての特徴であり、事業をしっかりと伸ばしていけば、結果として社会貢献になると考えています。

主要KPIと財務の構造

徳光:それでは、数字面、KPIと財務の構造です。詳細は決算パートで議論したいと思っています。

主要KPIとしては、月間利用スペース数を見ています。そして、これに1スペースあたりの流通金額である月間GMVを掛け算したものがGMVで、流通の総額となっています。

財務構造としては、この流通の総額と、先ほどお話しした法人向けソリューションの売上があります。これに利益率を掛け算したものが売上総利益です。そして、そこから販売費と一般管理費を差し引きしたものが営業損益です。このような構造になっています。

ハイライト

徳光:直近の第1四半期の数字について、少しご説明します。第1四半期は緊急事態宣言が1月上旬から3月下旬まで続いており、弊社にとって厳しい事業環境ではありましたが、比較的健闘した四半期だと考えています。

このような環境ですが、KPIについては、月間利用スペース数が前年同期比で増加を継続しています。そして、後ほど詳細をご説明しますが、少人数での利用と地方エリアでの利用がコロナ禍でも継続して成長しています。

昨年は、コロナ禍により非常に影響を受けましたが、財務面でもコストコントロールを行い、第1四半期は黒字化しています。

業績の概要

徳光:決算の詳細です。全社総取扱高は7億円で、前年同期比ではマイナス3.1パーセントです。うちGMVは6億2,600万円で、前年同期比ではマイナス7.5パーセントです。売上高のところが弊社の手数料、つまり、ネットの部分で2億6,300万円です。緊急事態宣言下ではありましたが、こちらは前年同期比でプラスに転じています。

全社総取扱高と営業損益の推移

徳光:グラフのほうがイメージしやすいと思うのですが、トップラインの全社総取扱高とボトムラインの営業損益の四半期の推移です。

弊社は、毎年、第4四半期の10月から12月の取扱高が上がるという季節性があります。この影響で、第4四半期からは減少となっていますが、もっともコロナ禍による影響を受けた2020年の第2四半期から比べると、徐々に成長を継続して、コロナ禍以前の水準に近づいている状況になっています。

坂本:1回目の緊急事態宣言下では、ほとんど人の動きがなかったこともあり、厳しい状況でしたが、2020年の第4四半期以降にかなり業績が戻ってきており、決算短信等を見ると、マーケティング費用を抑えたことと法人ソリューションが好調だったということがわかります。

主力のスペース利用の顧客層は変化したのでしょうか? テレワークや小規模のスペース利用はイメージできるのですが、他にも変化があれば教えてください。

徳光:顧客層で言うと実は大きく変わっており、コロナ禍ですので、会社も、個人も、大人数で集まるイベントは大幅に減少しています。その一方で、少人数での利用や、コロナ禍ならではのテレワークやオンライン会議での利用が大きく増加しました。

この組み合わせで、現状のトップラインがコロナ禍以前と同程度まで回復してきており、顧客層の中身は大きく変化しているというのが実態です。

月次のGMV推移

徳光:続いて、足元のGMVの状況を月次で示しました。1月と2月は緊急事態宣言の影響を大きく受けており、前年同期比では負けている状態ですが、3月は前年同期比ではプラスで推移しています。

主要KPIの推移(通期)

徳光:主要KPIの推移です。GMVの6.2億円の内訳を、スペース数とスペースあたりのGMVで示しています。

月間利用スペース数は第1四半期で1万2,000となり、前年から2割程度増加しています。スライドの中央がスペースあたりの月間GMVで、先ほどお話ししたとおり、大きなイベントが減り、少人数の利用が増えた結果、大きく減少しています。この掛け算の結果、GMVはマイナス7.5パーセントになっています。

主要KPIの推移(四半期)

徳光:主要KPIの四半期の推移です。第1四半期は月間利用スペース数が1万2,000となり、QonQでは少し減少しましたが、全体としては増加トレンドを継続しています。

法人向けソリューション他の内訳

徳光:続いて、法人向けソリューションのご紹介です。こちらはコロナ禍の影響を非常に受けたサービスです。当初は、100人から200人ほどのイベントのプロデュースと運営を行っていましたが、当然、このようなものはなくなりました。

一方で、コロナ禍ならではというところで、オンラインカンファレンスや、オンラインでの社内イベントの需要が大きく高まっており、この支援を行いました。その結果、第1四半期については比較的好調な売上になっています。

今後は、いろいろな需要の変化に対応しながら、法人向けソリューションを提供していきたいと考えています。

売上総利益率と販管費比率の推移

徳光:継続的に開示している、売上総利益率と販管費比率のグラフです。緑色の折れ線が売上総利益率で、棒グラフがトップライン、そして黒色の折れ線が販管費比率となっています。

売上総利益率は概ね同程度で推移しています。販管費比率は前年第4四半期にCMを打っており、こちらの剥落により改善しているかたちになっています。緑色の折れ線が黒色の折れ線の上に来ていると黒字の状態です。この幅が広がっていくほど黒字幅も広がるというグラフになっています。

コストの推移

徳光:コストの推移です。左側のグラフが売上原価です。第1四半期は合計1億円となっており、人件費、その他の売上原価は、概ね横ばい推移となっています。法人向けソリューション原価は、大型のイベントプロデュースの支援を行ったことで増加となっています。

右側のグラフが販管費で、第1四半期は約1.5億円となっています。基本的に固定費が多いモデルですので、多くの項目が横ばいですが、前年第4四半期にはCMを打っていた関係で、第1四半期では緑の部分が減少しています。

少人数利用のGMV推移

徳光:先ほど少し触れた、少人数利用のご説明です。コロナ禍により大きなイベントは減少しました。その中で、少人数の利用については、2020年の第1四半期から比べると第2四半期は下がっているのですが、実は第3四半期からは継続して増加に転じています。

特に写真撮影やYouTube収録、オンライン会議やテレワークでの利用です。個人での映画鑑賞という利用もあります。これらの利用は、コロナ禍でも底堅い需要と、コロナ禍ならではの需要だと考えており、継続的に増加させていきたいです。

東京都以外のエリアのGMV推移

徳光:次に、エリアごとのGMVの推移です。東京都以外の部分を示しており、全国的に新型コロナウイルスの影響を受けて、いろいろなイベントが少なくなっている環境だと思っています。

一方で、スペースシェアの認知拡大も同時に進んでいると考えています。東京都以外のエリアについては、この認知拡大が上回り、スペースが増加したことで、利用が増加し、結果として、YoYで増加している構成になっています。

坂本:東京都以外のエリアもかなり伸びていて、認知が拡大しているというお話ですが、広告などの仕掛けがあって伸びているのでしょうか? それとも、「空き会議室」などのワード検索から入ってくるのでしょうか? 戦略と状況を教えてください。

徳光:特別に、東京都以外だけで行っている施策はありません。まず、スペースシェアは新しい概念ですので、「やり方がわからない」「そもそも知らない」という方が多いと思っています。

そこに対して、「スペースシェアというものがあります」「このような活用の仕方があります」と、積極的に発信していくセミナーを行っています。弊社だけで行うこともありますし、パートナーと一緒に行うこともあり、情報発信し続けています。

この結果、だんだんとスペースシェアが認知され、そして、スペースが増えると、「使ってみよう」という方が増えます。

坂本:地方では「家の近くにできた」という認知のされ方もありますよね。

徳光:おっしゃるとおりです。必要な場所に必要なスペースがある状態が非常に重要だと思っており、これが加速していくことで、作用し合って成長していくような循環を作っているところです。

デバイス別のGMV構成

徳光:次に、デバイス別のGMV構成です。弊社のサービスを社会にとってあたりまえのものにしていきたいと考えており、アプリの使い勝手向上にも注力しています。継続的にアプリの使い勝手を向上させた結果、グラフの一番右側に水色で示した、アプリ経由のGMVが継続して増加しているというトレンドになっています。

特に、先ほどご紹介した少人数利用については、アプリ経由の方が非常に多く、少人数利用を増加させるためにも、さらにアプリの使い勝手向上を行っていきたいと考えています。

貸借対照表

徳光:B/Sです。固定資産をたくさん持っている会社ではないため、こちらについては比較的シンプルだと思います。第1四半期で現金預金6億8,200万円、自己資本比率61.4パーセントと、財務基盤に関しては健全な状態だと考えています。

年末から現金預金が減少していますが、こちらは過去の借入金の返済と新オフィスの契約に伴う敷金となっています。

新経営体制

徳光:直近のトピックスです。1点目は、新経営体制についてです。3月の株主総会より新経営体制になり、監査等委員会というかたちに移行しています。今後M&Aを活用していきたいと考えており、「M&Aの知見」と「CtoCマッチングの知見」をコンセプトとし、社外取締役の方についても、このような考えの下で選任しています。

自治体との連携によるサステナビリティへの貢献

徳光:2点目のトピックです。先ほど、サステナビリティについてお話ししましたが、現在、自治体との連携を進めています。直近では兵庫県神戸市と大阪市生野区と連携し、「飲食店のテレワーク利用の推進」と「空き家問題解消」というテーマに取り組んでいます。

業績予想

徳光:今後の方針です。弊社は新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、状況が非常に不安定だと思っているため、現状、業績予想については未定としています。

新型コロナウイルスが大きく影響しだしてからちょうど1年くらい経ち、先ほどお話ししたとおり、大規模イベントが減り、小規模利用の増加が継続しています。方向性としては、この組み合わせによる四半期単位でのGMVの増加をしっかりと行っていきたいと考えています。

コスト面に関しては、新型コロナウイルスの影響を鑑み、大きくは投資せずに進めていくかたちになっています。

坂本:本社の移転があり、その一部を貸し出すことにより、御社が実践的な場を提供するかたちになると思います。本社移転による月400万円から500万円の費用増は、その賃料をネットした部分なのでしょうか?

徳光:こちらに関しては、費用の増加の部分で記載しています。弊社のスペースを利用いただき、結果として売上が上がってくるところもありますが、こちらもまた、外部要因の影響を受けるところだと思っており、この部分は費用として考えていただければよいと思います。

坂本:ありがとうございます。イメージが湧きました。

成長戦略

徳光:新しく開示した成長戦略についてのご説明です。まず、一番重要なのが、「リーディングカンパニーとして、プラットフォームを継続的に成長させていく」ということです。

まず、足元では、既存のプラットフォームの成長をしっかりと進めたいと考えています。先ほど少しご紹介しましたが、利用用途はいずれも非常に再現性が高く、今後のニーズも継続すると考えており、確実に増加させていきたいです。

想定市場規模を提示していますが、まだまだ数百倍の成長余地があると考えており、スペースを増やして、利用を増やすところを進めていきたいと思っています。

そして、中長期での成長のための2点として、「カテゴリエコシステムの構築」と、「『場所』に関わる事業の高度なサービス化」を挙げています。

スペースシェアは、まだ非常に新しい考え方で、この利用体験をしっかりと高めていくことが大事だと思っています。このスペース利用の周辺のサービスを充実させることで、スペースシェアというものがどんどんと充実していき、体験が充実していくようなことを行っていきたいと考えています。

2点目は、「『場所』に関わる高度なサービス化」です。弊社は、時間単位で利用できる場所をマッチングしているプラットフォームですが、いろいろなスペースがある中で、スペースのタイプごとに違う課題があると思っています。その課題に、よりフォーカスしたサービスの提供を行いたいと考えています。

そして、スペースの利用にあたっての自動化や最適化、他のサービスとの連携を深めるテクノロジーを使っていくことにより、さらにスペースが利用しやすくなるような高度なサービス化を実現していきたいと考えています。

M&Aを活用したチームづくり

徳光:最後に、M&Aの活用についてお話しします。今後の事業成長とビジョン・ミッションの実現のために、M&Aを積極的に活用していきたいと考えています。

具体的な投資領域については今回は開示できていませんが、パートナー企業の参画や考え方について発表しています。

採用や事業連携といったものと同じ並びで、M&Aを考えており、チームづくり、そして仲間集めだと考えています。ですので、高いパフォーマンスや高い成長も非常に大事ですが、ビジョン・ミッションへの共感というところも重視しながら、M&Aを行っていきたいと考えています。

坂本:どちらかと言うと、事業シナジーがあるところと組んだり、M&Aする可能性が高く、まったく関係のないところよりは関係のあるところで考えているということでしょうか?

徳光:そうです。しっかりと事業連携していきながらというところで考えています。

質疑応答:同業他社とのサービスの違いと今後の広告戦略について

叶内文子氏(以下、叶内):それでは、Q&A欄に投稿された質問を見ていきたいと思います。坂本さん、気になる質問はありますか?

坂本:2点あります。御社の同業他社の話で、当然ですが、このような新しい分野にチャレンジする会社はたくさんあると思います。そこで、優位性を含めて御社の特徴を教えてください。これが1点目です。

続けて、同じ方から、もう1点質問です。中長期的な広告戦略についてです。1度費用を投じていますが、今後の広告戦略の予定を教えてください。

徳光:場所探しをするサービス自体は他にもあると思っています。同業他社と比べた時に、どのような特徴があるのかですが、弊社は、検索から予約、決済、そして、メッセージのやり取りも行います。探すところから利用するところまで一貫してサービスを提供し、利用時に問題が起きた時の保険も提供しています。ここが、1点目の特徴だと思っています。

もう1点が、スペースを探す機能だけではなく、先ほどお話ししたようなインドア花見やスポーツ観戦のご提案など、スペースの使い方や体験の提案も積極的に行っていることです。この2点が特徴だと考えています。

広告については、2018年と2020年の第4四半期にCMを打っています。認知拡大は継続的に行っていく必要がありますので、外部環境を見ながら柔軟に対応していこうと思っています。新型コロナウイルスの影響が不透明な状態では、大きな投資はしないという考え方です。

坂本:広告効果がわからないことを含めてでしょうか?

徳光:そのように考えています。

質疑応答:付加サービスの提供予定と構想について

坂本:次に、僕からの質問です。資料の21ページを見ると、GMVはかなりコロナ禍以前まで戻ってきており、1年ぶりの黒字転換ということですが、今後この利益を伸ばしていくイメージについて伺いたいと思います。

その1つとして、付加サービスが非常に重要だと思っており、ホームページ等を見ると、清掃の代行のようなサービスを考えているということなのですが、その他に付加サービスを増やす予定や構想等はありますでしょうか? 個人投資家もイメージがかなり湧くと思いますので、このあたりを教えてください。

徳光:まず、現在のプラットフォームの構造でも、しっかりと伸ばしていけば利益は出せると考えています。ある意味で、原価がない、いわゆるプラットフォームビジネスですので、トップラインが上がっていけば利益が付いてくる構造だと思っています。

付加サービスに関しては、現状は、具体的な事業内容を開示していないです。可能性のある分野としては、まず、ゲストサイドで言うと、コロナ禍以前は飲食のために集まり、ケータリングを取ったり、出張シェフを呼んだりといった利用があり、これは弊社と非常に親和性が高いと思っています。

また、直近では撮影の利用が非常に多く、機材が必要だったり、カメラマンを呼びたいといったニーズがあり、ここにも可能性があるというところです。

ホスト側に目を向けると、「スペースを運営したい」というホストに対して、「どんなスペースにしましょうか?」「では、そのスペースをつくりましょう」と提案するところでは、スペースの企画や設計、内装のような分野も需要がありますし、「スペース運用をお願いしたい」という要望があれば、そのような運用のサービスもあります。

そして、テクノロジー的なところでは、スマートロックやWi-Fi設備なども必要になってきます。

坂本:僕も借りる時はいつも設備があるほうを選んでいます。

徳光:直近では、オンライン会議やオンライン配信で使われる方が多く、ネット環境がよいことが求められますので、このような設備についてもニーズが高まっており、付加サービスとして考えられると思っています。

坂本:もちろん、本業を伸ばすことが一番だと思うのですが、付加サービスは非常によいですね。機材についても、あればよいですが、どちらが揃えるのかというところもあると思います。

例えば、オーナーあるいはホストが揃えるのであれば、そこのマージンを抜いてもよいですし、御社が揃えてもよいですし、いろいろな考え方があっておもしろいと思います。そのあたりも期待して見ていきたいです。

質疑応答:利益率のイメージについて

坂本:次に、26ページの利益率のイメージについて伺います。原価がかからないビジネスというお話ですが、利用頻度が上がってくれば、ここはもう勝手に伸びてくるということでよいでしょうか?

徳光:まさにプラットフォームビジネスですので、トップラインが上がっていくと、利益、つまり、このグラフ上の緑色の線の角度はより高く上がっていく構造になっています。

直近はコロナ影響を受けており、グラフが見づらいため、2019年の第1四半期から第4四半期を見ていただくと、プラットフォーム構造をイメージいただけると思います。緑色の線が右上に少し上がっており、黒色の線が少し下がっています。この幅が利益だという読み方になっており、中長期では利益が出るという構造を表しています。

坂本:投資家が一番見ているところだと思うので、ここの角度が上がると株価がとても上がると思っています。

ここは、伸ばしていくイメージですか? それとも、設備投資もしなくてはならないというところのバランスがあると思うのですが、今のパターンを確保して伸ばすというイメージですか? GMVの状態によって変わってくる部分もあると思うのですが、御社の考え方、イメージを教えてください。

徳光:このあたりの方針については、あらためてタイミングや外部環境を見ながら開示したいと思っていますが、トップラインを伸ばして、ボトムラインはまだ投資するということで、「このぐらいの時期に、このぐらい利益を出す」という考え方か、もしくは、坂本さんのお話のように、「利益をこんなかたちで伸ばしていく」という考え方のいずれかだと思っています。

質疑応答:スペース数の増加について

叶内:続いて、事前にいただいた質問です。スペース数は順調に増えているのでしょうか? Webサイトを見ると、とてもおしゃれなスペースがありますが、このようなおしゃれなスペースを増やすのは大変ではないですか? 

徳光:スライドの8ページを見ていただくと、掲載スペース数は1万4,800件となっています。これは第1四半期の決算時の数字ですが、「スペースマーケット」と検索すると、本日時点では1万5,200くらいになっており、継続して増加しています。

そして、その中で利用されているスペースはさらに高くなっており、こちらについては継続して増加しています。

幸いなことに、だんだんと世の中にスペースシェアの認知が広がり、「スペースシェアをしよう」という方が増えてきて、どんどんと新しいスペースが開設され、使い方も世の中に出回ってきており、加速している実感はあります。

坂本:確かに、不動産を利回りで考える方もいれば、少しでもなんとかしたいと思う方もいます。民泊にするといろいろとうるさく言われる、という心配もあると思います。

徳光:特に、弊社のスペースの中でも、築古の雑居ビルやマンションなどで、少し手を入れると人気のスペースになるケースがたくさん生まれてきており、再現性が高いため、「スペースを運用したい」というホストが増えてきています。

坂本:いろいろな使い方がありますね。僕が借りたところが、昼間は託児所、夜は会議室というスペースで、とてもよく考えていると思いました。築古の物件でしたが、使い方は無限ですし、おもしろいですね。

徳光:古民家をどうしようか考えている方が相談に来て、最初はカフェを考えていたらしいのですが、カフェの経営は大変ですし、弊社のサイトに掲載して運用するのであれば、特に準備も要らず、経営合宿や撮影などの予約が入るため、あまり手間がかからないのでよいと言われたこともありました。

坂本:宿泊での利用もできるということですね。

徳光:オフサイトミーティングのニーズもあります。弊社もよく古民家で経営合宿を行っています。

坂本:イベントとして行うということですね。

叶内:「うちの実家は、どうかしら?」と、考えてしまいました。新しい使い方もたくさんありそうです。

記事提供:ログミーファイナンス

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