即戦力を求めて中途採用に注力する企業が増えているようです。
日本経済新聞がまとめた「採用計画調査(最終集計)」によると、主要企業の2022年春の採用計画総合数は、新卒・中途を合わせると約18万人超。中途採用数は10年ぶりの高い伸び率となり、全体に占める中途の割合は28.2%という数字に。(※)
「新卒で入った会社で定年まで勤め上げる」という、昭和の時代にモデルケースであった働き方。今やこれは選択肢の一つではあるものの、「主流」ではないといってよさそうですね。
長引くコロナ禍。現役世代の仕事やお金を取り巻く環境は先行きが見えない状態が今しばらく続きそうです。
住宅ローンや教育費といった目先の出費もさることながら、遠い将来、つまり老後のお金について漠然とした不安をお持ちのご家庭も多いはず。
私たちの多くにとって、老後の生活の支えとなるのは、まず公的年金。そしてサラリーマンであれば退職金が期待できそう、という人も多いでしょう。
そこで今回は、会社員退職金について、勤続年数との関係にフォーカスしながらお話をしていきます。
※日本経済新聞「中途採用10年ぶり伸び DX人材底上げ、ソニーGは2割増 本社調査、21年度16%増」2021年4月19日
いまの退職金事情
日本経済団体連合会が2年ごとに実施している「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)では、学歴別の標準者退職金(学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出)を以下のように示しています。
標準者退職金
- 大学卒(総合職):2255万8000円
- 高校卒(総合職):2037万7000円
- 高校卒(生産・現業):1817万2000円
(退職金額は、退職一時金のみ、退職一時金と年金併用、退職年金のみの場合の額を合算し、単純平均したもの。また、各項目で集計企業数が異なります)
「学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者」をピックアップしたところ、総合職は大学卒、高校卒ともに2000万円を超えていました。高校卒の生産・現業は2000万円に届いていませんが、それに近い金額となっています。