漫画家の祭さんは、おみくじちゃんとあみだちゃんというチンチラの母子、元保護チンチラの福くん、デグーの棟梁ちゃんというネズミさんたちと一緒に生活しています。

福くんが、祭さんの家で暮らすようになってから3か月。すっかり慣れた様子ではあるものの、彼には少々納得がいかないことが…。それは、お部屋のお散歩(通称、部屋んぽ)の順番。

祭さんの家では、ネズミさんの部屋んぽ時間=ケージを掃除する時間となっており、ケージの掃除が大掛かりになるチンチラが先で、デグーが後、と順番が決まっています。そして、チンチラの中での順番は、おみくじちゃん→あみだちゃん→福くん。

早い話が、新参者の福くんは一番最後、ということなのですが、福くんには、そんなニンゲンの理屈は理解ができません。散歩の時間になり、自分より小さいあみだちゃんのほうが先に外に出るのを見ると、必ずといっていいほど「ボクの散歩は?」と訴えるかのように泣き叫び、ケージの中で激しく暴れまわるのです。

そこで、福くんを落ち着かせるために、祭さんが取り出したのは、牧草を固めた「牧草ブロック」。草食の小動物の歯の健康を保つためのおやつで、食べるのに少々時間がかかるという代物。「もう、暴れないの。これあげるからかじって待ってて!」と言いながら、福くんにそれを与えました。

おずおずと、牧草ブロックをかじりはじめる福くん。そのあとは一心不乱にかじっているところを見ると、どうやら時間稼ぎには成功したようです。

そして、1時間後。いよいよ福くんの部屋んぽの順番が。「はい、福ちゃんの番だよ~」という祭さんの声で、はっと我に返る福くん。「よっこらせ」とばかりに、ケージの外へ。しかし、口には先ほどの牧草ブロックをくわえたまま。