コロナ禍で迎える2度目の新年度。
60代の皆さんの中には、長い現役生活を終えて定年退職されたばかりという方もいらっしゃるかと思います。
きょう、2021年4月1日は「改正高年齢者雇用安定法」の施行日です。これにより、働く側が希望する場合70歳までの就業機会を確保することが各企業に努力義務として課されるようになりました。
令和の時代、もはや60代は老後とは呼べない世代といえるかもしれません。
さて、総務省が発表した「家計調査 令和2年(2020年)平均」によると、二人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質で前年から5.3%減少となりました。
背景には、コロナ禍で外食やレジャーなどを控える動きが続いたことなどが考えられそうですね。
では、ライフスタイルがガラッと変わる人が多い還暦60代世帯の貯蓄事情には、どのような変化がみられたのでしょうか。
今回は『60代世帯の貯蓄額「コロナ前後でどう変わったか」』と題して、60代世帯のお金事情をながめていきます。
アフターコロナ「令和2年」60代の貯蓄事情
金融広報中央委員会が公表している「令和元年(2019年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」、および「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、60代の貯蓄事情をみていきましょう。
60代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均値
2019年:1635万円→2020年:1745万円
中央値
2019年:600万円→2020年:875万円
2019年の調査結果より平均値で110万円、中央値で275万円増えていることが分かります。
【平均値と中央値】
中央値とは、データを小さい順、あるいは大きい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値を指します。平均値は極端に大きな数値に左右されやすいため、中央値の方がより実勢に近い数値と言えるかもしれません。
では、同様に金融資産の保有割合の変化も見てみたいと思います。