社畜に注目が集まる理由

1990年に流行した社畜に再び関心が集まる理由を3つ紹介します。

コロナ禍で労働環境が激変している

コロナ禍は急激な労働環境の変化をもたらしました。とくに大企業では従来型のビジネスモデルを根底から変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。一方、中高年層や間接部門を対象とした大規模なリストラの動きが広がり、大企業の正社員でも安心できない状況になっています。

リストラの対象になれば住宅ローンや教育ローンなどの借金返済が困難になり、人生設計が大きく変わる場合もあります。リストラを回避するために社畜化する人が増えても不思議ではありません。

時間外労働の上限規制がスタート

2020年4月から、中小企業でも時間外労働の上限規制がスタートします。これを機に見かけの長時間労働は減るかもしれません。ただし、サービス残業やサービス休日出勤は増えるおそれがあります。

企業に雇用されること自体がステータス

日本では、2019年時点で男性の22.8%、女性の56.0%が非正規雇用です。正社員はそれだけでステータスになる時代です。

コロナ禍に揺れる2020年に第一生命が実施した「大人になったらなりたいもの」調査で、小学生男子のトップになった職業は会社員でした。中学生・高校生の場合では、男子・女子ともに「会社員」がトップになっています。

今の若者が使う社畜という言葉には、「自分は正社員だ」という自負の気持ちが含まれている場合もあるのかもしれません。