還暦を過ぎても働き続ける人が増えました。とはいえ、50代といえばやはり「現役生活の終盤」としての位置づけが強い時期であると考えてよいでしょう。
還暦までのラストスパートともいえる50代は、「老後の生活に向けたお金」に意識が向く人が増えるタイミングでもありそうです。
今回は、『現役終盤50代。老後資金の準備に「隙」はないか』と題し、50代の貯蓄事情をながめつつ、老後のお金についても考えていきたいと思います。
現役終盤50代の貯蓄事情
50代世帯にフォーカスする前に、まずは全世代の貯蓄状況をみてみましょう。総務省が2020年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯当たりの貯蓄額は以下の通りとなっています。
- 1世帯当たり貯蓄現在高・・・1755万円
- 貯蓄保有世帯の中央値・・・1033万円
貯蓄現在高と貯蓄保有世帯の中央値には差がありますが、どちらも1000万円を超えています。こうみると、意外と多くの世帯が貯蓄1000万円を達成しているようにみえますね。
貯蓄に含まれる「預貯金」はどのくらい?
さきほどの貯蓄額のうち、「預貯金」の平均額はどのくらいなのでしょうか。
前出の「家計調査報告」によると、預貯金の平均金額は1138万円となっています。では、その内訳をみていきましょう。
- 「通貨性預貯金」(普通銀行や郵便貯金銀行など)・・・494万円
- 「定期性預貯金」(普通銀行や郵便貯金銀行など)・・・644万円
ここでも、やはり平均値は1000万円を超える結果となりました。全体の貯蓄の状況が掴めたところで、50代の貯蓄事情についてみていきましょう。