還暦60代「ゼロ貯蓄世帯」が約4分の1!?
引き続き同調査の結果から、「60代の世帯」の貯蓄状況の分布をみていきます。「どれくらい貯めている人」が「どのくらいいる」のかを確認していきます。
金融資産を持たない世帯も含めた「年齢別金融資産保有額」より、60代の金融資産保有額の分布を以下に記載しました。
60代の金融資産保有額
- 金融資産非保有…23.7%
- 100万未満…3.5%
- 100~200万未満…4.0%
- 200~300万未満…3.2%
- 300~400万未満…3.9%
- 400~500万未満…2.7%
- 500~700万未満…5.9%(⇐中央値:650万円)
- 700~1,000万未満…5.2%
- 1,000~1,500万未満…9.8%
- 1,500~2,000万未満…5.8%(⇐平均値:1635万円)
- 2,000~3,000万未満…9.1%
- 3,000万以上…15.4%
(無回答…7.9%)
さきほども少し触れましたが、全体の平均は1,635万円ですが、中央値は650万円となります。
ご参考までに、50代の平均は1,194万円、70代以上の平均は1,314万円。
全世代の平均値からしても、60代がいちばん多く金融資産を保有している、という結果がでています。
とはいえ、この分布を見て着目すべき点は、「金融資産非保有」世帯が全体の4分の1弱(23.7%)ある一方で、2,000万円以上の世帯が4割弱(39.1%)存在する、という点です。
シニアライフのスタート地点ともいえる60代は、同時に「シルバー格差」の玄関口ともいうことができるでしょう。
また、同調査では、前年より貯蓄額が低下した理由として、「定期的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」と約半数の人が回答している、という結果も出ています。
公的年金だけでゆとりある生活を送ることはたやすいことではない、と実感しているご家庭が多い様子がうかがえます。