居心地の悪い店内 

「たまに事務室の前を通ると、ふたりがイチャイチャしているのを見ました。でも、だれも何もいわずにスルーです。あまり関わりたくなかったのが一番の理由ですね。」

しかし、ここでもまた問題が起こります。NO.1のホステス、麻衣さん(仮名)が急に辞めることになったのです。

「本当に驚きました。一番人気のある人だったので、普通なら辞める前に常連のお客様を招待して、お別れのセレモニーを開くのです。それなのに、そういうものが一切なく、突然辞めてしまいました。ほかのスタッフに聞くと、どうやら青年からずっと虐められていたようなのです。その理由もくだらない『店長の好みの女だから』。この話を聞いて、私も辞める決意をしました。」

常連のお客もどんどん離れていき、確実に売上が落ちているはずなのに、店長は相変わらずだったといいます。

「なんとかしなきゃ……とは思っていたでしょう。でも、青年を尊重するあまり、お客様や私たちスタッフへのフォローがなにもありません。ホステスのなかには、お客様にグチっている人もいました。」

学費を稼ぐために働き始めた奈々さんは、ここを辞め、学業へ専念することにしたそうです。この店がその後どうなったか知らないまま半年ほど経ったある日、1本の電話がかかってきたそうです。相手は、NO.1ホステスだった麻衣さんでした。