50代で貯蓄格差が起こる「いろんな事情」
では、こうした50代の貯蓄格差には、どのような背景があるかを探っていきたいと思います。
ここで、いったん世帯ごとの保有資産額の分布を確認してみましょう。
金額ごとの保有割合
- 金融資産非保有:21.8%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:4.6%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:3.6%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:7.6%
- 1000~1500万円未満:10.7%
- 1500~2000万円未満:8.3%
- 2000~3000万円未満:7.6%
- 3000万円以上:8.9%
- 無回答:9.8%
ここで着目すべきは、
- 4世帯に1世帯(24.8%)が1500万円以上を保有
- 5世帯に1世帯(21.8%)が金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロ
という二極化状態が生じているという点でしょう。
では、「50代」における世代内格差の背景にはどのような事情があるのでしょうか。
50代「貯蓄格差」の背景
では、50代の同世代間にこうした貯蓄格差が起こる要因には、どのようなものが考えられるのでしょうか。
- 就業状況・収入
- 家族構成
- 教育費
- 金融商品の有無など
などを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
50代というのは仕事でも脂が乗った時期で、収入のピークを迎えるという人も多い時期です。また、子どもが巣立つ、住宅ローンの返済が終わる、などといった節目を迎え、日頃の生活に余裕が生まれる人が多い時期でもあります。
その一方で、50代で、お子さん2人がまだ大学生、かつ住宅ローンも返済中、というご家庭もあるわけです。
「金融商品の有無」については、若い時期からコツコツと貯蓄して、20年以上かけて保険商品や投資信託等でつみたて投資をしていた人の場合、50代ともなれば、いよいよ成果が出始める時期でもあります。
定年退職へのラストスパートともいえる50代において、貯蓄額に大きな差が生じるのは、地道な貯蓄の継続の結果と言える部分もあるかもしれません。