この記事の読みどころ

  • 景気回復に向けた経済政策が試される中国で、7-9月期四半期国内総生産(以下、GDP)が発表されます。
  • 米地区連銀経済報告書(ベージュブック)に12月利上げの根拠が盛り込まれるか注目されます。
  • 米中古住宅販売件数にはピークアウト懸念が出始めています。

今週発表される経済指標の中から、特に、マーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

景気回復に向けた経済政策が問われる中国経済

10月19日(水)11:00に、中国の7-9月期四半期国内総生産(以下、GDP)が発表されます。

中国のGDPは、国家統計局が公表し、マーケット参加者の注目も非常に高いものとなっています。

前回、4-6月期のGDPは+6.7%(前年同期比)と、市場予想の+6.6%を若干上回りました。特に、小売売上高及び鉱工業生産部門が寄与しました。

今回、7-9月期の同指標の市場予想は+6.7%(前年同期比)と見通しとなっています。

依然として、小売売上高は順調であるものの、政府主導による過剰生産設備の削減効果等を背景に成長率が鈍化し、前回と同水準の成長率になるとマーケット参加者は予想しています。

米ベージュブックに12月利上げの根拠が盛り込まれるか

10/20(木)3:00には、米地区連銀経済報告書(以下、ベージュブック)が発表されます。

ベージュブックは、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での協議の叩き台となる、全米12地区の(雇用・生産・販売・出荷・在庫・貿易・物価)の詳細な現状報告となります。

今回のベージュブックでは、12月利上げの支援材料が盛り込まれるかどうかに注目が集まりそうです。

ベージュブックで米経済への楽観的な見解が提示された場合、12月の利上げ観測が一段と強まり、S&P500、NYダウ等の株価指数は上値の重い展開となるでしょう。

ピークアウト懸念が出始めた米中古住宅販売件数

同日(木)の23:00には、9月の米中古住宅販売件数が発表されます。

米中古住宅販売件数は、米国内の個人消費の先行きを占うことに加え、景気動向に対して先行性があるため、マーケット参加者から大変注目されています。

前回、8月の同指標は、-0.9%(前月比)と2カ月連続のマイナスとなり、米住宅市況に対して、ピークアウト懸念が出始めています。

今回、9月の同指標の市場予想は+0.4%(前月比)とプラス圏へ回復する見通しとなっており、今後の動向に関心が集まりそうです。

【参考情報】各経済指標の元データ

中国の国内総生産(GDP)は中国国家統計局のウェブサイト(英語版)、米地区連銀経済報告書(ベージュブック)は米連邦準備理事会のウェブサイト、米中古住宅販売件数は全米不動産業協会のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎