日経平均株価は原油高や円安・ドル高を受けて、一時、17,000円台へ

2016年10月14日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より82円13銭高の16,856円37銭となりました。

ロシアのプーチン大統領は10日、トルコのイスタンブールで開かれた世界エネルギー会議で講演し、「石油輸出国機構(OPEC)の生産調整に協調する用意がある」と述べました。これを受けて、10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所では、国際的な指標となっているWTIの先物価格が急上昇しました。

東京株式市場は11日、この原油高や前日の欧米の株高などを受けて、終値は、9月7日以来およそ1か月ぶりに17,000円台を回復しました。ただし、17,000円手前では利益確定売りが出やすいことや、13日の午前に発表された中国貿易収支が、事前予想を下回ったことなどにより、力強く買われる動きにはならず、再び調整局面となりました。

14日(日本時間夜)には、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が講演を行いましたが、追加利上げの時期など、金融政策への言及はありませんでした。ただし、市場では12月の利上げが行われるという見方が強いようです。

来週の動きはどうなるでしょうか。為替相場は円安・ドル高傾向が続いています。14日のニューヨーク外国為替市場では1ドル=104円20銭前後で終えています。

来週は国内では9月の中間決算発表が相次ぐことから一喜一憂する動きにもなりそうです。海外では、19日には、中国7-9月期国内総生産(GDP)が発表されます。結果が低調な場合、リスク回避のために円が買われることも考えられます。19日には米大統領選の第3回テレビ討論会も開かれます。民主党のクリントン候補が優勢の場合、ドル高が進むことになりそうです。

20日には欧州中央銀行(ECB)の理事会が行われます。ドイツ銀行の経営危機問題が欧州の他の銀行に飛び火する可能性もあり、注意が必要です。もちろん、11月8日に行われる米国の大統領選挙も重要です。

レンジ相場を上抜け、25日移動平均線に下値を支えられる

今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先週は75日移動平均線と25日移動平均線のレンジ相場を上抜け、一段上への動きを予感させました。

しかし、目先の節目である17,000円前後で上値を抑えられると、調整が入りました。

13日には長い陰線となりました。それでも25日移動平均線に下支えされており、14日には陽線引けになっています。

9月5日の高値を抜けることができれば、上目線での視界も広がる

来週の動きはどうなるでしょうか。今週は若干の調整となりましたが、チャートの形は依然として上昇への可能性を感じさせます。25日移動平均線にサポートされており、75日移動平均線の傾きも上向いてきました。

来週の動きとしては、25日移動平均線にタッチしてからの反発から、まずは今週の10月11日の高値(17,074円)の抜けにトライすることになります。さらに、9月5日の高値(17,156円)を抜けることができれば、上目線での視界も広がってきます。

また、週足で見て直近の上値めどである5月31日の高値(17,251円)、4月25日の高値(17,613円)あたりを超えてくると、明確な上昇トレンドが形成されるでしょう。

逆に、10月11日の高値や9月5日の高値で上値を抑えられるようであれば、注意が必要になります。

まずは、直近の安値である10月13日の16,739円でサポートされるのかどうか見極めたいところです。ここを下抜けると、下値のめどは75日移動平均線の16,500円前後となります。

ただし、値が下がる動きになっても、9月27日の安値(16,285円)には達せず、当面は75日移動平均の16,500円前後と25日移動平均線の間でもみ合う動きになるのではないでしょうか。

下原 一晃