景気がいいから株が上がるのではない
株式投資や株主優待に興味はあるけれど、景気や自分の暮らしが今後良くなる確信が持てないので躊躇してしまう、という方は多いかと思います。
ここでちょっと立ち止まって考えていただきたいのは、「景気が良くなれば、暮らしが良くなり、株も上がる」という“ロジック”が、本当に今の日本社会に当てはまるのか、ということです。
現在、アマゾンの書籍売れ筋ランキング1位(経済学)になっている「株式会社の終焉」(水野和夫著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)によると、21世紀の日本において「株価」はもはや景気(暮らし)の尺度ではなく、「資本帝国」のパフォーマンスを表す尺度になっているといいます。
ここで「資本帝国」と呼ばれているのは、簡単に言えば「株主の世界」です。つまり、「株主の世界」は景気とは関係がなくなっているということが述べられています。
この議論を受け入れるか受け入れないかはともかく、同著で示されている、企業は潤っても家計はそうではないことを示す様々なデータは非常に興味深いものです。所得(家計)が減ろうが減るまいが、企業利益が増加することで株価が上昇するという現実を理解することができます。
21世紀のサバイバルの基本は株式投資?
ここからは個人的な見解になりますが、そうした構造が当面は変わらないのであるとすれば、株を買って「資本帝国」の一員となることが、生活防衛の最も近道ではないかと思います。もちろん、株は日本株に限りませんし、個別株だけでもなく、投資信託も含まれます。
ちなみに、「資本帝国」に入るためには大資産家である必要はありません。また、性別や学歴による制限もなく、定年もありません。景気が良くなって暮らしが良くなるのを待ってから始めるという“待ち”の姿勢ではなく、生活防衛のためという発想で、株式投資をご検討されてみてはいかがでしょうか。
景気回復を待っていても、その稼ぎの多くは「資本帝国」に分配されてしまうのです。やられっぱなしにならず、やられたらやり返せというくらいの発想がますます必要になりそうです。
インターネットで株式投資の勉強をしよう
とはいえ、株式投資を始めるためにはある程度の基礎知識が必要です。そのためには、株式初心者向けのインターネットの記事や、株式投資経験者の意見などを参考にされてから始められると良いと思います。
また、いきなり大きな値上がり益を追求するのではなく、株主優待制度を活用し、企業の製品やサービスを身近に感じてから本格的にスタートされるのも良いかもしれません。
給料が上がらないと嘆くだけではなく、考え方を変え勉強をして、株式投資で暮らしを豊かなものにしていきましょう。
LIMO編集部