世界規模で感染拡大している新型コロナウイルス。日本では年初早々に、2度目の緊急事態宣言が発令されました。

2度目の宣言とはいえ、劇的に変化した生活や暮らしぶりに、まだまだ慣れないことが多く、予断を許さない状況が続いています。

変化の激しい時代を生き抜くために、気持ちの安定もそうですが、できれば金銭的にも余裕を持っておきたいものです。

私は大手証券会社、不動産投資会社等で10年以上個人のお客様の資産運用に関わってきました。

証券会社のお客様には、ご高齢のお客様も多くいらっしゃいました。それなりに資産を保有されている方も多く、充実した老後生活を送っておられたのを覚えています。

はたらく世代にとって、お金や老後の心配は常につきまといます。「自分は大丈夫かな」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、年齢別の貯蓄ゼロ世帯の割合を見ながら、どうすれば貯金格差を埋められるかについてお話ししたいと思います。

年齢別貯蓄額、みんないくら持っているか

はじめに、各年齢別の平均貯蓄額と中央値を金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」の結果に基づいて見ていきましょう。

平均貯蓄額(金融資産保有世帯)

  • 20歳代:220万円
  • 30歳代:640万円
  • 40歳代:880万円
  • 50歳代:1574万円
  • 60歳代:2203万円
  • 70歳代:1978万円

中央値(金融資産保有世帯)

  • 20歳代:165万円
  • 30歳代:355万円
  • 40歳代:550万円
  • 50歳代:1000万円
  • 60歳代:1200万円
  • 70歳代:1100万円

皆さんの貯蓄額は平均値や中央値と比べていかがでしたでしょうか。

総じて平均値の方が中央値より高くなっていますが、個人的な見解としては、中央値を参考にすることをおすすめします。

数値を大きい順、あるいは小さい順に並べた際、真ん中にくる値が中央値です。こちらの方がより実感に近いかと思います。

平均値は、極端に高い数値が値を押し上げてしまいます。一部の超富裕層の方の資産が計算に入ってしまうので、値がその極端な数字に左右されてしまうのです。平均値をみて「みんなこんなに持ってるの?」と感じるのはこのためです。