今回、緊急事態宣言を出した場合でも、学校は休校にしない方針です。管首相も「限定と集中」で対策を行っていくと明言していることから、業種業態によって明暗が分かれるかもしれません。いずれにしても、しばらくは方向感が出しにくい展開が続きそうです。
海外の株式市場では上昇相場が続いていることから、押し目買い狙いも一つの戦略になるでしょう。1都3県の感染者数が高い水準となっており、一種の指標になっています。感染者数の増減などに注意しながら、チャンスがあれば入っていきたいところです。
バブル崩壊後の戻り高値をいったん超えたが…
前年末の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。大納会の最終週は3営業日しかありませんでしたが、週初28日は5日移動平均線に下値をサポートされて陽線となりました。
翌29日は窓をあけて寄り付くと、そのまま大陽線となって急上昇。終値も心理的節目となる27,000円を突破しました。大納会の30日は若干の反落となりましたが、それでも27,000円を維持しました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。ポイントの一つは、バブル崩壊後の戻り高値である1991年3月の27,270円です。ここを超えると3万円台がぐんと近づいてくる大きな節と言えます。
28日にここを一気に超え、29日も維持していました。大発会の下落がなければ、するすると上昇する可能性もありましたが、超えられなかったことで方向感が出しづらくなりました。現状は方向を見定めたいところです。
今週、29日の高値(27,602円)を超えてくるようであれば、積極的についていきたいところです。逆に、この付近で上値を抑えられるようだと、しばらくもみ合ったり調整したりする可能性もあります。ただし、目線を下に持つにしても、まだ5日線、25日線も割り込んでいませんので、判断はもう少し待ってからでいいでしょう。
中長期的なチャートは強い上昇トレンドを維持していますので、多少の調整はホールドするという戦略もあります。銘柄によっては押し目買いを狙っていくのもいいでしょう。
下原 一晃